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公開日:2023年10月24日
メディアをはじめ、健康診断の場やスポーツジムなどでもよく耳にする、BMI。皆さんはご自身のBMI値をチェックしていますか。BMI値は高すぎても低すぎても身体によくないといわれています。健康づくりのためには、まずご自身のBMI値を知ることが大切。「理想の値は?」「判定基準はあるの?」「計算方法を知りたい!」など、自動計算の式から標準値、男女別、世代別の理想の平均値まで、わかりやすく解説します。
BMI(Body Mass Index)はボディマス指数とも呼ばれ、身長と体重がわかれば、自動計算式を使って、誰でも簡単にご自身のBMI値を知ることができます。BMI値から、肥満傾向や栄養不足などのリスクがあるかどうかを判断できるので、健康管理のためにぜひ、ご自身のBMI値を把握しておきましょう。
BMIは成人の肥満度を表す指標のひとつとして、世界中で利用されています。ただし、判定基準は国によって異なり、日本にはWHO(世界保健機関)が定めたBMI指数と、日本肥満学会が定めたBMI指数の2つがあります。
WHOのBMI値は国際的な判定基準。日本肥満学会が定めた判定基準は、日本人の身体特徴に合わせた指数を設定しており、日本では多くの場面で日本肥満学会の判定基準が使われています。この記事では、日本肥満学会※が定める判定基準をもとにBMIについて解説します。
それでは実際に、ご自身のBMIを計算してみましょう。BMIの計算方法は世界共通で、体重(kg)を身長の二乗で割ることで求めることができます。BMIの計算式は次のようになります。身長は「cm」ではなく、「m」で計算する点にご注意ください。
厚生労働省のサイトには、身長と体重を入力するだけでBMIを計算してくれる「BMIチェックツール」があり、肥満度が簡単に判定できます。計算するのがめんどうな場合は、このようなツールを使ってBMI値を確認することもできます。
次のBMI早見表を使って、ご自身のおおよそのBMIについて確認することもできます。
出典:厚生労働省「食事バランスガイド」をもとに作成
身長と体重からBMIを算出したら、次は基準となる標準値と比較し、肥満度を判定します。BMIの標準値は、女性も男性も同じで、年齢によって異なるものでもありません。健康づくりのために、ご自身がやせ型なのか、標準体重なのか、あるいはどの程度の肥満度に該当するのかを知っておきましょう。BMIの判定基準について具体的にご説明します。
日本肥満学会が定めた基準によると、BMIは「低体重」から「肥満4度」までの6段階に分類されます。標準値は18.5以上25未満で、この範囲内であれば、「普通体重」と判定されます。
BMIが18.5未満であれば「低体重(やせ)」。25以上は「肥満」となります。肥満の度合いは4段階に分類され、25以上30未満であれば肥満(1度)、30以上35未満であれば肥満(2度)、35以上40未満であれば肥満(3度)、40以上であれば肥満(4度)と段階的に高くなっていきます。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット をもとに作成
統計上、肥満に関連する病気にかかりにくい健康的な標準体重は、男女ともにBMIが22になるときの体重とされています。ただし、健康リスクは生活習慣などの要因によっても異なるので、ひとつの目安として頭に入れておきましょう。BMIが25を超えると、高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病のリスクが2倍に上昇。BMIが30を超える高度な肥満は、さらにそのリスクが上がります。
なお、WHOの基準では、BMI30以上を「肥満(obese)」と定義しています。一方、日本の「肥満」判定はBMI25からとなっており、WHO基準に比べると低くなっています。この違いには、おもに2つの理由があります。ひとつめの理由としては、日本では欧米諸国に比べて、高度な肥満者が少ない点があげられます。ふたつめは、日本人の場合、BMI25以上でも肥満に関連した2型糖尿病や循環器疾患のリスクが高まることが報告されており、健康上の観点から注意が必要なためです。
厚生労働省による2019年に調査した男女別、年齢別のBMI平均値は、以下の表を見てもわかるとおり、20代から70代まで、どの年代の人も18.5以上25未満の標準値内におさまっていることがわかります。
年代 | BMI平均値 | |
---|---|---|
男性 | 女性 | |
10代 | 21.1 | 20.2 |
20代 | 22.9 | 21.0 |
30代 | 23.7 | 21.7 |
40代 | 24.7 | 22.3 |
50代 | 24.6 | 22.4 |
60代 | 24.0 | 23.1 |
70代以上 | 23.4 | 22.9 |
女性の場合、若い人ほど健康的な標準体重とされるBMI22より低くなる傾向があり、もっとも低いBMIの平均値は15~19歳で20.2%。BMI値は年齢を重ねるとともに高くなり、もっとも肥満の基準値に近い世代は60~69歳でBMIの平均値は23.1%になります。
男性の場合は、30歳を過ぎると肥満基準値のBMI25に近づく傾向がみられます。BMIがもっとも高くなるのは40~49歳で24.7%。50~59歳はほぼ横ばいの24.6%。60~69歳では24%になり、老年期になると減少傾向に転じます。
年を取ると、筋肉量が減少する一方、脂肪量が増える傾向があります。そのため同じ身長と体重の人でも脂肪の割合が増えている可能性がありますが、BMI値には体組成の変化が現れません。また、身長が低くなるとBMIは高くなるので、加齢にともなって身長が低下する高齢者は、同じ体重でもBMIが高くなりやすい傾向があります。
なお、高齢者の場合、BMIが肥満基準を超えていても、体脂肪率が高くない場合があります。そのため、BMIだけで肥満度を判定するには限界があるといわれます。高齢者の肥満とやせは病気のリスクを上げるだけでなく、生命予後を左右したり、認知機能の低下にも影響したりする場合があるため、注意が必要です。肥満とやせのより正確な評価をおこなうためには、BMI値だけでなく、身体組成や生活習慣など総合的に評価することが大切です。
BMIは、適正体重を知る方法としてよく用いられる指標で、医療の現場でもBMIから計算して提供する食事のカロリーを計算することがあります。しかし、BMIで使用するのは身長と体重のみで、年齢やその人の健康状態などは、まったく考慮されていません。
体脂肪率や骨密度、普段の運動の状況、病気の治療経過など、健康を維持するためには体重以外にも気を配るべき要素はたくさん存在しています。そのことをよく理解したうえで、参考としてBMI値を使う必要があるでしょう。
とはいえ、BMI25を超えた肥満の方は、脂質異常症や高血圧などの病気を抱えていることが多く、手術する際にも合併症の多いハイリスクとして管理されます。
ここで知っておきたいのが、BMIは高くても低くても、病気のリスクが上昇することです。太っていてもやせていても健康に重大な影響をおよぼし、平均余命の短縮という形で現れます。肥満とやせすぎのリスクを知り、予防法に注目しましょう。
肥満は、多くの疾患のリスクファクターとなります。前出の高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病だけではありません。動脈硬化によって心臓の血流が悪くなり、心疾患を引き起こしたり、脳の血流が悪くなることにより、脳血管疾患を発症したりするリスクが高くなります。また、大腸がんや肝臓がん、子宮がんなどのリスクが高くなることも報告されています。
肥満のおもな原因は、食べ過ぎや運動不足のほか、社会的な環境やストレス、遺伝によるものなどがあげられます。予防のためには、食生活の見直しと適度な運動を心がけましょう。
なお、BMIが30を超える高度な肥満は、さらにそのリスクが上がるため、医師の指導のもと適切な方法で減量をおこない、肥満を改善することが大事です。
肥満は健康にさまざまな悪影響を与えることが知られていますが、近年ではBMIが低いやせすぎの人にも、健康上のリスクがあることがわかっています。
厚生労働省と東北大学が宮城県に住む40~79歳の約5万人を対象に、1995年から2006年まで行った追跡調査によると、太りすぎよりも、BMI18.5未満の低体重(やせ)の人のほうが、男女とも平均余命が短いという研究結果があります。平均余命がもっとも長かったのは過体重(肥満1)の人で、低体重(やせ)の間との差は女性が6.26年。男性では7.10年の開きがありました。
国立がん研究センターがん対策研究所の調べによると、がんを含む全ての原因による死亡リスクは、太りすぎでもやせすぎでも高くなるというデータがあります。
男性のがんの死亡リスクに関しては、肥満の人よりやせている人のほうが高いという報告があります。これについては、たばこを吸わない人の場合は、やせていてもがんの死亡リスクは高くならないと報告されています。しかし、やせすぎはけっして健康にとっていいものではありません。
極端にやせていると、栄養不足や免疫機能の低下、筋肉や骨の減少などの問題を引き起こす可能性があります。高齢女性は、貧血と骨粗しょう症のリスクも高まります。
また、近年はとくに若い女性の低体重(やせ)が問題になっており、2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」では、10代と20代女性の約2割がBMI値18.5以下という結果が出ています。
やせ願望などによる無理なダイエットは鉄欠乏を引き起こし、貧血や疲れやすいなどの健康リスクを招くもとになります。また、ホルモンバランスを崩し、月経異常や不妊症などの問題が発生するリスクや、低出生体重児を出産する可能性も高まるといわれています。
健康的な体重を維持するためには、見た目にとらわれないようにし、過度なダイエットや食事制限を控えること。バランスのよい食生活と適度な運動を心がけ、必要であれば医師のアドバイスをあおぎましょう。
BMIは肥満ややせの指標としては役立ちますが、体脂肪率については正確に測定することができません。なかにはBMIの数値や見た目がやせ型の場合でも、筋肉量が少なく、脂肪が多い人もいます。BMI値だけで判断すると、個人の体格や筋肉量などを考慮できず、健康状態の評価には不十分です。BMIだけではわからない注意点を知っておきましょう。
BMIは身長と体重から算出された値で、体格や筋肉量、骨量などの要素は区別できないため、BMI値だけでは筋肉質なのか、脂肪過多なのかを判断することはできません。筋肉は脂肪よりも重いため、体脂肪率が18%の男性であっても、BMIが高いと評価されてしまうことがあります。
さらに、BMI値は標準範囲内でも、筋肉量が少なく、体脂肪が多い「隠れ肥満」の人がいます。隠れ肥満の人は一見、太っているように見えませんが、内臓脂肪がついていることが多く、生活習慣病のリスクが高まることが知られています。一方、腰まわりや太ももなど下半身を中心に皮下脂肪がついている人は、生活習慣病などの症状はあまり見られません。このように同じBMIでも、脂肪がつく部位によって、健康上のリスクは変わってきます。
BMIが高い=体脂肪率が高いとは限らないため、より正確な身体の健康状態を知るには、体脂肪率が適切な範囲内であるかどうかをチェックすることが必要です。
体脂肪率は、体に占める脂肪の割合をパーセンテージで表した数値です。標準的な体脂肪率は、成人男性で10%以上から20%未満。成人女性は20%以上から30%未満が目安になります。
健康管理のためには、BMIのほか、内臓脂肪レベルや体にどれくらいの割合で骨格筋が存在するかを示す骨格筋率、骨量、基礎代謝などもあわせてみるようにしましょう。
いわゆるモデル体型といわれる、細くすらっとしたスタイルの場合、BMIは17~18程度とされています。上記でも示したとおり、若年層ではやせすぎが指摘されており、BMI20を切る方は珍しくありません。
しかし、近年では、ただやせているだけではなく、健康的な体型が理想とされてきている傾向があり、モデルや女優さんでも食事に気を付けるほか、トレーニングをおこなっている姿を見かけます。
見た目はスレンダーでも、筋肉がきちんとついている場合、体重はそれなりにあることもあり、見た目のみではBMIの判断が難しいこともあります。やせすぎは、今は問題なくても、将来的に不妊症や骨粗しょう症などの問題にもつながりかねないので、バランスのよい食事と適度な運動で理想の体型を目指しましょう。
BMIは、客観的な数値として簡単に計算することができ、健康維持のための参考にすることが可能です。標準体重としての目安、必要カロリーの簡便な計算、肥満であって生活習慣を見直すべきかどうかなど、適切に使えば役に立つことがたくさんあるでしょう。
しかし、年齢や筋肉量など、BMIだけでは判断できない要素がたくさんあることも忘れてはいけません。BMIの数字だけを気にしてダイエットの目標とするのは危険です。ご自身の健康管理のため、この記事に書かれている内容を参考に、正しい知識を持ってBMIを利用するようにしてください。
内科認定医・がん治療認定医
国立大学医学部医学科卒業後、公立病院にて初期研修の2年を終了後、3年目からはがん治療を専門としながら幅広く内科疾患の診療に従事しています。また、同時に子育てにも奮闘中。治療が必要となる前の生活習慣の改善、また病気についての正しい知識が大事であることを実感し、病気についての執筆活動にもあたっています。
(掲載開始日:2023年10月24日)
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