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公開日:2023年9月8日
「ダイエットや健康づくりには、ウォーキングが効果的」というのは、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?しかし具体的にどんな効果があるのか、意外と知らない方も多いはず。
そこでこの記事では、ウォーキングで得られる効果について、わかりやすく解説。「いつから効果が出るの?」「効果を高めるやり方はある?」といった疑問にもお答えします。
正しいやり方や注意点もご紹介しますので、「ウォーキングにチャレンジしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもウォーキングとは何を指すのでしょうか?ウォーキングとは、ひと言で言うと「歩いておこなう有酸素運動」。有酸素運動とは、酸素を使って脂肪をエネルギーに変えることで、体脂肪を減らす運動のことです。
ウォーキングは、健康づくりや生活習慣病の予防など、しっかり目的を持っておこなうもの。そのため目的もなくブラブラ歩く散歩とは違い、動作の質や強度を意識しながら長時間歩くことが重要になります。
またウォーキングは、常にどちらかの足が地面についている点もポイントになります。両足が地面から離れるランニングやジョギングと異なり、膝や腰に負担がかかりにくく、ケガのリスクが少ないのが特徴です。運動が苦手な方でも取り組みやすい運動といえるでしょう。
ではウォーキングをすることで、どんな効果が見込まれるのでしょうか?具体的にご紹介します。
出典:厚生労働省「e-ヘルスネット」をもとに当社作成
ウォーキングを長時間おこなうことによって、体に多くの酸素が取り込まれ、体脂肪を効率よく燃焼させることができます。その結果、肥満の解消や予防が期待できます。
ウォーキングによって血液の流れる抵抗値を下げることにより、血圧が低下するほか、血中脂質や血糖が減少します。そのため生活習慣病の予防や改善が見込まれます。また運動することで、心肺機能の向上も期待できます。
歩くことでストレスが解消されたり、気分がリフレッシュしたりして、メンタルバランスを整える効果が期待できます。それにより、うつ病が予防できる可能性も。さらに心と体がリラックスすることで、睡眠の質もアップするかもしれません。
筋肉と脳細胞には密接な関係があり、 ウォーキングによって足の筋肉をたくさん使うことで、大脳に良い刺激が与えられます。また多くの酸素が脳に運ばれるため、脳細胞を活性化させ、脳の血管の老化を遅らせることが期待できるほか、アンチエイジングにも効果的です。
骨は刺激を加えることで強さが増すといわれています。ウォーキングで骨に適度な刺激を与えることで、骨粗しょう症が予防できる可能性が高まります。
ウォーキングに興味はあるけれど、「どのぐらいの歩数を歩けばいいの?」「いつから効果が出るの?」と疑問に思っている方もいることでしょう。ここではウォーキングに重要な歩数と強度について解説。さらに効果が出るまでの期間についてもご説明します。
ウォーキングは、ただ歩けばいいというものではありません。あまりゆっくりだと運動の効果が出づらく、逆に早すぎると体に負担をかけることになり、体を壊してしまう原因にもなるので、強度(運動強度)を意識することが重要です。
強度とは、運動時の負荷のこと。日常生活における身体活動は低強度・中強度・高強度の3段階に分けられ、健康づくりに最適なのは「中強度」だといわれています。
中強度とは、歩行でいうと「大股で力強く歩く」「うっすらと汗ばむ程度の速歩き」「なんとか会話ができる程度の速歩き」を指します。家の中の移動や、ダラダラと歩く散歩、料理や掃除といった家事での歩行は「低強度」とされ、運動の効果は期待できません。
東京都健康長寿医療センター研究所によると、適切なウォーキングで、さまざまな病気を予防・改善できる可能性があるそうです。
目標としたいのは、「1日8,000歩、そのうち中強度の歩行が20分」。それにより高血圧症や糖尿病、脂質異常症、75歳以上のメタボリックシンドロームといった生活習慣病の予防・改善が期待できることがわかっています。
しかし歩数が多ければ多いほど良いというわけではありません。同研究所によると、1日12,000歩・中強度40分以上おこなっても、効果は増加しないとのこと。逆に、やりすぎは慢性疲労につながる恐れもあるので注意しましょう。
同研究所では、ウォーキングの歩数ごとに、予防・改善が期待できる具体的な病気や症状を公表しています。
1日あたりの歩数 | 中強度活動時間 | 予防(改善)できる可能性のある病気・病態 |
---|---|---|
2,000歩 | 0分 | ●ねたきり |
4,000歩 | 5分 | ●うつ病 |
5,000歩 | 7.5分 | ●要支援・要介護●認知症(血管性認知症、アルツハイマー病)●心疾患(狭心症、心筋梗塞)●脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血) |
7,000歩 | 15分 | ●がん(結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がん、子宮内膜がん)●動脈硬化●骨粗しょう症●骨折 |
7,500歩 | 17.5分 | ●サルコペニア(筋肉減少症) ●体力の低下(特に75歳以上の下肢筋力や歩行速度) |
8,000歩 | 20分 | ●高血圧症●糖尿病●脂質異常症●メタボリックシンドローム(75歳以上の場合) |
9,000歩 | 25分 | ●高血圧(正常高値血圧)●高血糖 |
10,000歩 | 30分 | ●メタボリックシンドローム(75歳未満の場合) |
12,000歩 | 40分 | ●肥満 |
厚生労働省の「国民健康・栄養調査結果の概要(令和元年版)」によると、1日の平均歩数は、男性で6,793歩、女性は5,832歩です。
年代別に見ると、20~64 歳で男性7,864歩、女性6,685歩。65歳以上では男性5,396歩、女性4,656歩です。
こちらの結果では、男女・年代問わず、目標の8,000歩を下回っていることがわかります。健康寿命を延ばすためには、運動としてのウォーキングを取り入れるなどして、意識的に歩く時間をつくることが重要だといえるでしょう。
ウォーキングで気になるのは、「いつ効果が出るか」ということではないでしょうか?いつ効果が出るかは年齢や個人によって差があり、一概には言えません。歩く速さや時間、頻度などによっても変わってくるでしょう。
しかし早い人では、2週間ほどで効果が出るといわれています。なかには「3ヵ月続けて、ようやく効果を感じてきた」という人も。なかなか効果が出なくても、諦めずに継続することが大切です。
ウォーキングで効果を出すには、「中強度」を意識することが大切です。そこで、中強度とはどんな歩行なのかをみていきましょう。正しい姿勢から腕の振り方、効果を高める早歩きの仕方まで詳しく解説します。
また、より効果を上げたい方へおすすめする、ダンベルやポールをウォーキングに取り入れる方法もご紹介します。
ウォーキングは、少し油断するとダラダラとした歩行になり、期待したような効果が出ません。中強度でしっかり効果を出すためには、少し息が弾んで汗ばむくらいの速さで歩くのがコツ。歩くときの姿勢も重要です。以下のポイントを意識しましょう。
出典:厚生労働省「歩く時のポイント」をもとに当社作成
ウォーキングに慣れてきたら、少しずつ負荷を上げて効果をアップさせましょう。人気の方法を3つご紹介します。
ウォーキングをするのに最適な時間帯はあるのでしょうか?結論から言うと、朝・昼・夜、それぞれにメリットがあります。しかし一番大切なのは、継続することです。ご自身のライフスタイルにあわせて、続けやすい時間帯を選びましょう。
夏などの暑い時期にウォーキングをするなら、気持ちよく歩ける朝がおすすめです。朝に太陽を浴びて歩くことで、メラトニンが分泌されます。メラトニンは、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれているので、朝のウォーキングを継続することで質の良い睡眠がとれるようになるでしょう。
ただし朝にウォーキングをする際は、最初に水分を摂ることを忘れずに。血圧が高い方や血液が固まりやすい方など、生活習慣病の心配がある方は、とくに気をつけながら始めましょう。
お昼にウォーキングをするなら、昼食後がおすすめです。血糖値の上昇は、食後30~60分後にピークがきます。昼食後に歩くことで血糖値が下がり、糖質が脂肪になるのを防いでくれるので、ダイエットに効果的です。糖尿病の方や血糖値の高い方は、インシュリンを使わずに血糖値を下げることが期待できます。
また速く歩くことで、交感神経が優位に。午後の仕事などに対しても、やる気がアップするかもしれません。
お昼と同様、夕食後に歩くと血糖値が下がり、ダイエット効果が高まります。ただし、あまり速く歩いて交感神経が優位になると、眠りにつきにくくなる恐れが。夜のウォーキングはゆっくり歩くのがおすすめです。
また副交感神経に切り替わるように、呼吸を意識しながら歩くのもポイントです。コツは、吐く息を長くすること。最初は4秒かけて吸って、6秒かけて吐きます。慣れたら6秒で吸って8秒で吐きましょう。歩いたあとは、ゆっくり入浴するなどして、眠る前の1時間はリラックスすることが大切です。副交感神経を高めることで、深い眠りにつくことができるでしょう。
ウォーキングは始めるのに準備が少なく、負荷も小さいので、普段運動をしていない方でも始めやすいスポーツです。しかしその反面、効果を実感するためにはある程度の期間続けることが大切。ウォーキングを続けるために以下の3つを意識してみてください。
ここまで読んで「ウォーキングを始めよう!」と思った方もいることでしょう。しかし十分なストレッチをしなかったり、いきなりハイペースで歩いたりすると、筋肉痛やケガにつながることも。まずは以下の注意点をおさえて、ゆっくりペースで始めてみましょう。
あまり運動習慣がない方や、体力に自信のない方が、いきなりたくさん歩いたりハイペースで歩いたりするのは危険です。ご自身の体力にあわせてマイペースで続けましょう。
運動を始めると「効果を出さなきゃ」と、つい頑張りすぎてしまうこともあります。距離や時間にこだわりすぎず、気軽に続けることを心がけましょう。体調がすぐれないときや天候の悪いときは、思い切って中止するのも大切です。
歩く前には、屈伸や前屈、アキレス腱を伸ばすなどの準備運動をしましょう。ケガの予防になるほか、体が温まって運動の効果も高まります。歩いたあともストレッチをすることで、疲労回復と柔軟性アップにつながります。
体の水分が不足すると、痙攣(けいれん)や脳梗塞、心筋梗塞など、さまざまな危険につながります。とくに暑い時期は、熱中症や脱水症状も心配です。
ウォーキング中はもちろん、ウォーキング前と後にも、忘れずに水分補給をしましょう。「喉が渇いた」と感じるときは、すでに脱水状態のサイン。喉が渇く前に水分を摂るのがポイントです。
歩くのに夢中になっていると、思わぬ事故やケガにつながる恐れがあります。とくに屋外を歩くときは要注意。当たり前のことですが、信号を守る、歩道では端を歩くなど、交通ルールをきちんと守って安全におこないましょう。
適切な服装を選ぶことも重要。夏は通気性の良いもの、冬は防寒と保温に優れたものがおすすめです。日差しが強いときは、帽子も忘れずに。また早朝や夕方の薄暗いときは白っぽい服、夜は反射材などを身につけると、目立つので安全です。
ウォーキングは危険性の低い有酸素運動といわれています。しかしリスクはゼロではありません。持病がある方は、必ずかかりつけの医師などに相談してから始めましょう。
また運動の習慣がない方も、あらかじめ医学検査や体力測定を受けて、ウォーキングをしても問題ないか確認すると安心です。今の体の状態を知ることで適切な運動量を決めることができ、運動の効果も得られやすくなるでしょう。
エネルギーを消費する際の歩き方・歩く距離・時間などを参考に、ぜひ、それぞれ目標を決めて始めてみてください。日常に取り入れる運動としてウォーキングは、始めやすくとても優秀なスポーツです。
年齢を重ねると、同じ生活を続けているつもりでも、足腰が弱ったり、血圧や血糖、脂質に異常が出てきたりしてしまうものです。気が付いた時点で、少しずつでも生活習慣を改善していけば、この先数年後の体の状態を必ずよい方向へ導きます。
状況によっては薬を使うことも必要ですが、健康に長生きするためには、セルフメンテナンスは欠かせません。体を動かすことを楽しめるようになるとよいですね。
内科認定医・がん治療認定医
国立大学医学部医学科卒業後、公立病院にて初期研修の2年を終了後、3年目からはがん治療を専門としながら幅広く内科疾患の診療に従事しています。また、同時に子育てにも奮闘中。治療が必要となる前の生活習慣の改善、また病気についての正しい知識が大事であることを実感し、病気についての執筆活動にもあたっています。
(掲載開始日:2023年9月8日)
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