保険募集代理店の楽天インシュアランスプランニング(株)が運営するサイトです。こちらのサイトでは楽天グループの保険商品をおすすめしています。
その他の保険会社の商品を検討中の方は楽天保険の比較をご覧ください。
公開日:2023年11月2日
最近、耳にする機会が増えてきた「健康寿命」。平均寿命とは何が違うのでしょうか?健康寿命が長い国や都道府県はどこ?健康寿命を延ばすにはどうすればいいの?ちょっと気になる、健康と寿命にまつわる話を徹底解説します!
平均寿命という言葉に馴染みのある方は多いかもしれませんが、「健康寿命」の意味はよくわからない、という方もいるかもしれません。そもそもこの2つはどのように違うのでしょうか?
平均寿命とは、その年に生まれた0歳児がその後何年生きられるか、という予測値(平均余命)のことです。
一方、健康寿命は、2000年にWHO(世界保健機関。以下「WHO」。)が提唱した新しい指標で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。簡単にいうと、介護などに頼らずに自立して生活できている健康な期間のことです。それでは、平均寿命と健康寿命の期間はどのくらい違いがあるのでしょうか?
厚生労働省では3年ごとに健康寿命を発表しており、2021年に発表されたデータによると、2019年の健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳となっています。一方、2021年の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳です。比較すると、男性は約8.79年、女性は約12.19年の差があり、健康寿命のほうが短くなっています。
平均寿命と健康寿命の差は、「健康上の理由で、日常生活に制限のある期間」ということです。健康寿命が短ければ、長生きしていても医療費がかかったり、介護を必要としたりする期間が長くなってしまいます。平均寿命と健康寿命の差は、短ければ短いほど良いといえるでしょう。
日本の平均寿命の推移を見ると近年、毎年延びていて、男性は2001年の平均寿命が78.07歳だったのが、2021年には81.47歳と3.4年延びています。女性の平均寿命は2001年の84.93歳が2021年には87.57歳で2.64年と男性よりも延び幅が少なめです。
一方、健康寿命も男女共に年々延びています。男性が2001年の69.40歳から2019年には72.68歳、女性は72.65歳が75.38歳に延びています。
2001年から2021年までの平均寿命と2001年から2019年までの健康寿命の延び幅を比較してみると、男性は平均寿命が3.4年延びたのに対して健康寿命は3.28年です。女性は平均寿命が2.64年延びたのに対して健康寿命は2.73年で健康寿命の延び幅が上回り、差が縮まっています。
出典:令和3年簡易生命表の概況「主な年齢の平均寿命」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life21-02.pdf
それでは、世界的に見ると日本の健康寿命はどうなっているのでしょうか?WHOが発表した世界の健康寿命の統計によると、日本は堂々の1位になっています。2位はシンガポールの73.6歳、3位は韓国の73.1歳、4位はスイスの72.5歳などが続いています。
また、平均寿命を国際比較してみても1位は日本。2位以下はスイス、韓国、シンガポールと順位は変わりますが上位の顔ぶれはほとんど同じです。
出典:WHO「Life expectancy and Healthy life expectancy Data by country」
※2019年男女平均の数値
https://apps.who.int/gho/data/view.main.SDG2016LEXv?lang=en
次に、日本国内の都道府県別に健康寿命のデータを比較してみましょう。
厚生労働省の発表によると、2019年にもっとも男性の健康寿命が長いのは大分県の73.72歳。2位が山梨県73.57歳、3位が埼玉県73.48歳と続きます。女性は、1位は三重県で77.58歳、2位は山梨県76.74歳、3位は宮崎県76.71歳となっています。
一方、健康寿命がもっとも短い都道府県は、男性はワースト1位が岩手県71.39歳、次いで愛媛県71.50歳、鳥取県71.58歳となっています。女性のワースト1位は京都府で73.68歳、次いで滋賀県74.44歳、東京都74.55歳です。
出典:「健康寿命の令和元年値について」厚生労働省
※2019年数値
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000872952.pdf
近年、各自治体では健康寿命を延ばすためにさまざまな取り組みがおこなわれています。たとえば、男性の健康寿命が全国1位になった大分県は、実は、前回発表の2016年は36位(71.54歳)。2010年の調査では平均寿命と健康寿命の差が男性は全国ワースト1位を記録しました。そこで「健康寿命日本一の実現」を掲げ、地域の企業や団体など官民一体となった「健康寿命日本一おおいた創造会議」を創設。健診を受診すると利率が上乗せされる県内の金融機関による「健康応援定期預金」、日常のウォーキングや健診などによってポイントが貯まる健康アプリ「おおいた歩得」など、さまざまな取り組みをおこなっています。
平均寿命と健康寿命の差は縮まりつつありますが、2019年の調査では、まだ男性で約9年、女性は12年以上の差があります。健康寿命を延ばすにはどんなことに取り組めば良いのでしょうか?
日本では2000年から「21世紀における国民健康づくり運動」が始まりました。健康寿命の延伸などを実現するための運動で、「健康日本21」と呼ばれています。2013年からは「健康日本21(第二次)」がスタートしています。基本方針は下記の5つです。
健康寿命を延ばす取り組みとしては、2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定。2040年までに健康寿命を男女共に75歳以上にすることを目指しています。
日本の平均寿命が年々長くなっていることをご存知の方も多いでしょう。世界で見ても日本の平均寿命は1位。健康寿命も長くなってきていますが、平均寿命とは乖離(かいり)があるのが現状です。「ピンピンコロリ」、元気なまま寿命を迎えたいという話もよく耳にします。健康寿命を延ばすため、国をあげて「自然に健康寿命を延ばすための環境を整える取り組み」を行っていますが、健康寿命を延ばすためには、個人でも健康への意識をあげていくことが重要です。
それでは具体的にはどんな取り組みがあるのでしょうか?「健康寿命延伸プラン」では、「次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成」「疾病予防・重症化予防」「介護予防・フレイル対策、認知症予防」の推進をあげています。それぞれの内容を見てみましょう。
食塩摂取量の減少など自然に健康になれる食環境づくりや、子育て世代・妊産婦などを対象にした健康支援などのプランです。2022年度までに健康づくりに取り組む企業・団体を7,000に増やす計画もあります。
健康診断や各種検診の受診勧奨や運動プログラムの提供、歯周病対策、生活保護受給者への健康管理支援などがあります。
高齢者が気軽に社会参加できる「通いの場」の拡充や、栄養バランスの整ったお弁当を地域へ配送する「健康支援型配食サービス」の推進など、予防を目的としたプランが中心です。
また、フレイルというのは身体的機能・認知機能の低下が見られる「虚弱」のことで、健康な状態と要介護の間に位置します。フレイル対策はフレイルを予防することで介護が必要な状態になるのを避けようというものです。
個人ができる健康寿命を延ばすための取り組みにも、いろいろなものがあります。一例をご紹介しましょう。
まずは3食しっかり食べることを心がけ、1日2回以上は主菜、副菜、汁物をバランスよくとりましょう。とくに筋肉のもとになる肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質、骨を強化する牛乳や乳製品、ビタミンや食物繊維を含む野菜や果物を積極的にとることをお勧めします。また、根菜など噛み応えのある食品を食べ、噛む力を維持することも大切です。あわせて食塩の取りすぎにも注意が必要です。
日本歯科医師会と厚生労働省が推進している「8020(ハチマルニイマル)運動」というものがあります。これは、80歳になっても20本以上自分の歯があれば支障なく食べ物を噛める、というもの。毎日の歯磨きや定期的な歯科医院でのケアなど歯の健康にも気を配りましょう。
高齢の方が病気でもないのに痩せてきたら低栄養(栄養不足)の可能性があります
高齢者が低栄養になることで、筋肉量の低下による介護リスクの高まりにもつながると考えられています。1人での食事は簡素なものになりやすいため、家族や友人と一緒に食事をする機会を持つようにするのも良いでしょう。
運動をするといっても、必ずしもハードな運動に取り組むということではなく、日頃から継続して体を動かすことが大切です。「通勤や買い物の時に歩く」「エレベーターなどを使わずに階段を上がる」「スポーツや体を動かすことを生活に取り入れる」など、活動量を増やすことを意識すると良いでしょう。とくに高齢の方は、転倒などを起こさないように筋力の低下を防ぐことが重要です。
身体活動や運動をおこなうことは生活習慣病の予防やメンタルヘルスや生活の質の向上に効果があると考えられています。厚生労働省では、たとえば健康な成人男性なら1日9,000歩、女性なら8,500歩、65歳以上の男性なら1日7,000歩、女性は6,000歩程度歩くことをすすめています。
睡眠不足は生活習慣病のリスクを高めると考えられていて、慢性的な睡眠不足は意欲の低下や抑うつ、自律神経機能への影響などを引き起こすとされています。健康の増進には、栄養や運動だけでなく、適切に休養を取り入れた生活習慣を身につけることも大切です。
1日当たり男性40g以上、女性20g以上の純アルコールの摂取は生活習慣病のリスクを高めるとされています。純アルコール20gは、アルコール濃度5%のビールで500ml缶1本ほど、15度の日本酒で1合弱くらいです。また、喫煙はがんや循環器病などの危険因子になると考えられています。健康寿命を延ばしたいなら多量の飲酒や喫煙はしないことをおすすめします。
とくに高齢者の場合、「社会とつながっている」ということがフレイル予防や認知症予防になると言われています。外出や人と接する機会が少ない方は、地域のボランティアやイベントに参加したり、習い事を始めたりなど、人とコミュニケーションをとる機会を持つようにしましょう。公園まで散歩に出かけてご近所の方と挨拶を交わす、といったちょっとしたコミュニケーションでも構いません。
「できるだけ健康寿命を延ばしたい」と望む方も多いでしょう。健康寿命を延ばすためには、成人の頃から心がけ、正しい生活習慣を送ることが大切です。就労世代では仕事や生活の忙しさから、自身の身体を疎かにしがちです。取り入れられる習慣を少しずつ意識してみてください。また、若いときには肥満に注意する、高齢では痩せすぎに注意するなど、年代とともに認識を変えていかなければならない生活習慣や、意外と見落としがちな口の中の健康にも注意が必要です。まずは、理想となる生活習慣を認識することからはじめてみてください。
健康寿命と平均寿命の差が短ければ短いほど、健康な状態で老後を過ごすことができます。それでは、健康寿命が延びるとどんなメリットがあるのでしょうか?まずは、健康寿命が短い場合のリスクを見てみます。
老後の出費として考えられるものに、介護費用もあります。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」によると、月々の介護費用は平均8万3,000円で、15万円以上という回答がもっとも多くなっています。介護をおこなった場所別で見ると、在宅介護が4万8,000円なのに対して、施設での介護の場合は12万2,000円と高くなっています。他にも月々の費用とは別に、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時的な費用に平均74万円かかっています。
また、介護を始めてからの期間は平均5年1ヵ月で、もっとも多いのが4〜10年未満です。
これらから介護費用を試算してみると、たとえば5年1ヵ月の在宅介護では平均して総額366万8,000円かかることに。健康で元気にすごせれば、こうした介護費用の出費を抑えることができますし、家族の負担も少なくなります。
健康寿命を延ばす取り組みをすることで、保険料が安くなるという保険もあります。これは、「健康増進型保険」と呼ばれるものです。
「健康増進型保険」とは、保険契約後の健康状態や健康増進への取り組みによって保険料が安くなったり、還付金やポイントなどを受けられたりする生命保険です。たとえば、契約後に受けた毎年の健康診断の結果によって、保険料が割引になったり、特典を受けられたりする商品があります。他にも、契約後にウォーキングなど健康増進を目的とした活動をすることで保険料が変わったり、還付金やポイントを受けられたりする商品もあります。
それでは、生活費不足など老後のリスクに備えるにはどんな方法があるのでしょうか?
老後の経済的なリスクのうち、何の備えをしておきたいかによって、選ぶ保険は変わってきます。たとえば、将来の病気やケガに備えるのなら、医療保険などが選択肢のひとつになります。また、公的な介護保険は現金ではなく介護サービスの現物給付が原則となるため、それだけでは不安な場合は、民間の保険会社が扱っている介護保険に加入することで介護費用の備えになります。認知症と診断された場合などに給付金が支払われ、介護費用などにあてることができる認知症保険というものもあります。
若いうちからコツコツと貯蓄をする方法もあります。しかし、毎月給与の残りを貯蓄する、という方法だと貯蓄できる金額にばらつきが出てしまいがちです。確実に増やしていくのであれば、「先取り貯蓄」という方法があります。これは、給与を受け取ったら一定額を自動的に積み立ててくれるサービスです。金融機関が扱っているものの他に、勤務先に財形貯蓄などの制度があれば給与天引きで貯蓄することができます。
老後の資金のことを考えて、投資信託などを活用して資産を運用する方法もあります。税制優遇を受けられる代表的な制度としては、個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)、つみたてNISA(ニーサ)があります。2022年5月から、それまで60歳未満だったiDeCoの加入可能年齢が65歳未満に拡大されるなど、近年、制度の拡充が進んでいます。老後に向けた資産形成を行う手段として「個人型確定拠出年金」を考えてみても良いでしょう。
ただし、運用状況によっては元本を下回る可能性もありますので注意が必要です。
日本は世界一の長寿大国ですが、できればただ長生きするのではなく、元気で健康な老後を送りたいものです。健康寿命と平均寿命には現在10年ほどの差があります。この差を短くするにはライフステージに応じた健康づくりが大切です。食生活の改善や適度な運動、社会的な活動など、1人ひとりが自分のできる取り組みをすることが健康寿命を延ばすことにつながっていきます。老後に必要になる費用など老後のリスクへの備えもしながら、安心してすごせる老後を迎えましょう。
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。 主婦と生活社「CHANTO」web媒体、東洋経済オンラインなどでの執筆・監修実績、健康機器のプロダクト監修実績もあり。
このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問合せください。また、このページの内容については楽天保険の総合窓口(0120-849-019)にお問い合わせください。
税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの最終更新日時点の税制・社会保険制度に基づくもので、すべての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
2306408-2406