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パート主婦(主夫)とシニア世代の働き方にどんな影響が?2022年の年金制度改正法のポイントを解説!

パート主婦(主夫)とシニア世代の働き方にどんな影響が?2022年の年金制度改正法のポイントを解説!

公開日:2021年12月14日

2022年4月に年金制度が改正されることをご存じでしょうか。今後、これまで以上にさまざまな立場の人が多様な雇用形態で働くことが想定される中で、年金制度にも実態を反映し、高齢期の経済基盤を強化していくことが今回の改正の狙いといわれています。この記事では、法改正のポイントを解説するとともに、主にパート主婦(主夫)とシニア世代の働き方にどのような影響があるのかをわかりやすくご紹介します。

2022年4月、年金制度改正法が施行

2022年4月に施行される年金制度の法改正は、2012年以来の大きな改正といわれています。そして改正項目の多くが、長く働き続けていく人の経済基盤の充実をはかるためのものとなっています。

法改正の背景には、少子高齢化による現役世代の労働力不足や、高齢者人口の増加による現役世代の社会保障費負担の増加などの課題があります。そのため、シニア世代や主婦(主夫)が自ら働き、老後の生活費や医療費等の上乗せに備える必要性も高まっているといえるでしょう。

今回の年金法改正は、こうした変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実させることが主な目的となっています。

年金制度改正法の4つのポイント

年金制度改正法の4つのポイント

2022年4月に施行される年金制度改正法の主なポイントは4つです。

  1. (1)パートなどの短時間労働者の社会保険適用が拡大
  2. (2)働きながらでも受け取れる年金額の要件が緩和
  3. (3)年金受給開始の上限年齢が75歳に延長
  4. (4)企業型DCおよびiDeCoの加入年齢引き上げ、企業型DCとiDeCoの併用が可能に

それでは、それぞれについて詳しく解説していきましょう。

(1)パートなどの短時間労働者の社会保険適用が拡大

年金法改正の1つ目のポイントが、パート・アルバイトなどの短時間労働者が厚生年金や健康保険などの社会保険に加入するための要件が拡大される点です。以下の表のとおり、「従業員の要件」と「雇用期間」の主に2点が変わります。

短時間労働者が社会保険に加入する要件はこう変わる

改正前 改正後
従業員501人※1以上の企業等 従業員51人以上※2の企業が対象
所定労働時間が週20時間以上 変更なし
月額賃金が8万8,000円以上
(年収換算で約106万円以上)
変更なし
雇用期間が1年以上見込まれること 実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイム等の被保険者と同様の2ヵ月超の要件を適用する
学生ではないこと 変更なし
  • ※1 2017年以降は労使の合意があれば、従業員500人以下の企業でも被用者保険の適用拡大ができる。
  • ※2 段階的に引き下げられるため、まずは2022年10月に従業員101人以上の企業が適用対象となり、2024年10月に従業員51人以上の企業が適用対象となる。

(出典)厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

 

なお、従業員の要件は段階的に被用者保険の適用が拡大されます。まずは2022年10月の法改正後から従業員101人以上の企業が適用対象となり、2024年10月から従業員51人以上の企業が適用対象となります。

これにより、従来の制度よりも多くの方が厚生年金と健康保険に加入できるようになります。

改正後は段階的に従業員の要件が緩和される

改正前 従業員501人以上の企業が対象 改正後(2022年10月~) 従業員101人以上の企業が対象 (2024年10月~)従業員51人以上の企業が対象

(出典)厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

(2)働きながらでも受け取れる年金額の要件が緩和

・在職老齢年金制度の見直し

高齢になっても、厚生年金に加入しながら仕事をしたり、厚生年金制度を設けている企業に勤めたりすることも考えられます。しかし、このような場合には受け取る老齢厚生年金額が調整されることがあり、これを「在職老齢年金」といいます。

現行制度では、60歳~64歳の方は賃金と年金月額の合計額が「28万円」を超えると、年金の全部または一部が支給停止となります。65歳以上の方は賃金と年金月額の合計額が「47万円」を超えると、47万円を超えた額の1/2の年金額が支給停止となります。

今回の改正で変更されるのは、60歳~64歳の方の在職老齢年金です。2022年4月からは、賃金と年金額の合計が「47万円」を超えるまでは、年金額の一部または、全額の支給停止は行われなくなります。これにより、65歳まで働くシニアの就業意欲の向上が期待されています。

ただし、この制度は「男性は2025年度まで」「女性は2030年度まで」の一時的な措置となります。

65歳より前に受取ることができる老齢厚生年金

改正前 改正後
賃金と年金月額の合計が「28万円以下」
全額支給
賃金と年金月額の合計が「47万円以下」
全額支給
賃金が「28万円超」
年金額が一部または全部停止
賃金が「47万円超」
年金額が一部または全部停止

 

65歳以後に受け取ることができる老齢厚生年金

改正前 改正後
賃金と年金月額の合計が「47万円以下」
全額支給
変更なし
賃金が「47万円超」
47万円を超えた額の1/2の年金額が支給停止
変更なし

(出典)厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

・在職定時改定の導入

現行制度では、年金を受給されながら働く際には、資格喪失時(退職時・70歳到達時)に年金受給額が加算されるしくみです。改正後は、65歳以降、毎年1回、厚生年金の受給額に反映されるようになります。毎年年金額が増額していくため、就労継続による効果を実感しやすくなるといえるでしょう。

(3)年金受給開始の上限年齢が75歳に延長

公的年金の受け取り開始年齢は原則65歳ですが、この受け取り開始年齢は、60歳~64歳に前倒しすることも、66歳~70歳に後ろに延ばすこともできます。

前倒しで年金の受け取りを開始することを「繰り上げ受給」、後ろに延ばすことを、「繰り下げ受給」といいますが、法改正後は繰り下げ受給の上限年齢が「70歳」から「75歳」になります。

繰り下げ受給の上限年齢が上がる

改正前 改正後
2022年4月以降
繰り下げ受給は
66歳~70歳まで
繰り下げ受給は
66歳~75歳まで

(出典)厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

 

年金の繰り下げ受給については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

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(4)企業型DCおよびiDeCoの加入年齢引き上げ、企業型DCとiDeCoの併用が可能に

公的年金以外で老後に備える方法として、iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)と企業型DC(企業型確定拠出年金)があげられます。iDeCoは自分が拠出した掛金を、企業型DCは会社が拠出した掛金を運用し、定年後に受け取ることができる制度です(以下、「iDeco」「企業型DC」といいます)。

・企業型DCの加入年齢引き上げ

企業型DCの加入可能年齢は原則60歳未満の厚生年金被保険者で、特別な規定により延長できる場合でも65歳未満となっています。しかし、今回の改正によって厚生年金被保険者であれば、70歳未満の方が加入できるようになります。

ただし、企業によって加入できる年齢は異なります。例えば、「60歳未満を加入者とする」、「65歳未満を加入者とする」といったように労使で加入資格を定めることができます。

なお、企業型DCの受け取り開始時期については、現在は「60歳~70歳」の間で選ぶことができますが、改正後は「60歳~75歳」に拡大されます。

・iDeCoの加入年齢引き上げ

iDeCoの加入可能年齢は60歳未満でしたが、今回の改正によって65歳未満に引き上げられます。60歳以降も仕事をする人が増えつつある中で、65歳以降の生活により備えられるようになりました。

ただし、対象となるのは、会社員・公務員など厚生年金に加入している方(第2号被保険者)や、国民年金の任意加入者です(自営業などの第1号被保険者、専業主婦(夫)などの第3号被保険者は対象にはなりません)。
なお、iDeCoの受け取り開始時期については、現在は「60歳~70歳」の間で選ぶことが可能ですが、改正後は「60歳~75歳」に拡大されます。

・iDeCoと企業型DCを併用する要件も緩和

また、iDeCoと企業型DCを併用する要件も緩和されます。これまでは企業型DCに加入している企業に勤める方がiDeCoを始める際は、ご自身が勤める企業との合意と、労使合意にもとづく規約の変更が必要でした。

2022年10月以降は本人の意思のみで同時加入をすることができるようになります。iDeCoと企業型DCの併用によって、積み立ての上限額が上がることや運用できる商品ラインナップが広がるなどのメリットがあります。

ただし、企業型DCの中には「マッチング拠出」というものがありますので注意が必要です。マッチング拠出は、毎月の掛金を企業負担だけでなく自分の給与からも任意で掛金を拠出できる制度ですが、これを行っている場合は、iDeCo(イデコ)と同時加入をすることはできません。

iDeCo(イデコ)の加入要件の緩和

  改正前 改正後
企業型DCとの同時加入要件 企業型DCに加入している場合、労使合意に基づく規約で企業型DCとiDeCo(イデコ)の併用が認められていなければならない。 企業型DCに加入している方でも、本人の意思だけでiDeCo(イデコ)に加入できるようになった。ただし、マッチング拠出を選択している場合は不可。
(2022年10月~)
加入年齢 20歳~60歳未満 20歳~65歳未満
(2022年5月~)
受給開始年齢 60歳~70歳 60歳~75歳
(2022年4月~)

(出典)厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

パート主婦(主夫)とシニア世代の働き方が変わる!法改正のポイントは?

パート主婦(主夫)とシニア世代の働き方が変わる!法改正のポイントは?

今回の法改正でとくに影響が大きいのは、パート主婦(主夫)やシニア世代の方といえるでしょう。具体的にどのような変化があるのでしょうか?

パート主婦(主夫)の社会保険の加入で将来の保障が充実

今回の法改正によって社会保険の加入条件が緩和されるため、健康保険や厚生年金等に加入する方が増えることになります。社会保険に加入できるようになると、年金や社会保障が充実する反面、手取り収入が減少する可能性もありますので、しっかり確認しておきましょう。

・年金や医療保険が充実する

法改正によるメリットの1つ目は、社会保険に加入すると、国民年金に厚生年金が上乗せされ、国民年金だけに加入しているよりも、将来受け取れる年金額が増額する点です。

また、健康保険に加入することができれば、病気やケガによる治療・療養のために会社を休んだときには「傷病手当金」を、産休を取得したときには「出産手当金」を受け取ることが可能になります。なお、傷病手当金や出産手当金を受け取ることができるのは被保険者本人のみで、被保険者に扶養されている被扶養者は受け取ることはできません。

 

■パート・アルバイトのみなさんにとっての、社会保険加入によるメリット

メリット1 将来の年金額が増える メリット2 医療保険が充実する

(出典)厚生労働省「社会保険適用拡大特別サイト」掲載の「パート・アルバイトのみなさまへ」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/pdf/chirashi_dai1hihokensha.pdf

また、上図のメリット以外にも、世帯単位で見た場合に年金や健康保険の保険料負担が軽減されるケースもあります。例えば、夫が自営業者、妻がパート勤務で、夫婦それぞれが国民年金と国民健康保険に加入しているというようなケースが該当します。年金と健康保険の保険料は勤務先との折半が原則となりますので、このケースで妻が社会保険に加入すると、妻の分の保険料負担が減ることになります。

・収入によっては手取り額が減ってしまう場合も

一方、法改正による注意点も確認しておく必要があります。例えば、扶養控除限度額の上限額ギリギリで配偶者の社会保険上の扶養に入っている方が、今回の法改正によって扶養から外れる対象となった場合、健康保険や厚生年金の保険料が給与から差し引かれ、手取り額が従来よりも減少してしまうというケースです。

配偶者の社会保険上の扶養に入っている場合、扶養されている方の分の保険料が上乗せされることはありません。しかし扶養から外れることで、健康保険料や厚生年金保険料の新たな負担が発生することになります(この点は、現行制度でも同様です)。

厚生年金や健康保険に加入することで保障は充実するものの、その分、保険料負担が新たに発生する点はあらかじめおさえておきましょう。

 

■社会保険の加入による注意点

社会保険料の自己負担額が増えるため、年収によっては手取り額が減る可能性がある。

年収が106万円を少し超え社会保険に加入となる場合

(出典)厚生労働省「社会保険適用拡大サイト「配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/pdf/guidebook_hihokensha.pdf

シニア世代は「長く働くメリット」が大きくなる!

・働きながら賃金を得ても年金が減額されない

シニア世代にとって、法改正によるメリットの1つ目が、60歳以上65歳未満の方が働いて、より多くの賃金を得ても年金が減額されなくなる点です。

前述のとおり、65歳未満の方が特別支給の厚生年金を受け取りながら働いた場合でも、賃金と年金額の合計が月47万円を超えない限り、年金支給額の減額や支給停止がなくなります。

・年金額が早期に反映される

法改正によるメリットの2つ目は、65歳以降の厚生年金保険料が早期に年金額に反映される点です。65歳以降も引き続き厚生年金に加入している場合、毎年10月に年金額を改定して納めた保険料が早期に年金額に反映される「在職定時改定」が導入されます。今後は、年金を受給されながらも、さらに老後の経済基盤を充実させることができます。

在職定時改定導入のイメージ

(出典)厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」より加工して掲載
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

・年金の受け取りのタイミングが選びやすくなる

法改正によるメリットの3つ目は、年金の繰り下げ受給の開始年齢が「70歳」から「75歳」に拡大され、繰り上げ受給も含めてより年金の受け取り方にも幅が生まれた点です。今後は、何歳までどのような働き方をするか、年金の受け取り開始はいつにするかといった老後の生活設計を立てる重要性がより高まっていくでしょう。

・老後資金がより備えやすくなる

法改正によるメリットの4つ目は、企業型DCの加入年齢が「65歳未満」から「70歳未満」に、iDeCoの加入年齢が「60歳未満」から「65歳未満」に引き上げられたことで、より老後に向けた備えがしやすくなった点です。60歳以上も働き続ける場合、働くことによる収入増だけでなく税制のメリットを受けながら資産運用できる機会が増えたことは大きなメリットといえるでしょう。

・社会保険料や税金負担が増える点は注意

シニア世代にとって注意しておくべきことがあるとすれば、社会保険料や税金の負担が増える点です。社会保険料や税金は収入に応じて変動するため、収入が増えれば負担が大きくなります。

また、繰り下げ期間中は加給年金が受け取れない期間が生じることも理解しておく必要があります。厚生年金保険に20年以上加入し、年下の配偶者がいる場合、配偶者が65歳になるまで加給年金を受け取ることができます。しかし、老齢厚生年金を繰り下げている期間は加給年金が受け取れなくなるので注意が必要です。

まとめ

2022年4月以降の年金改正法のポイントは以下の4つです。

  1. (1)パートなどの短時間労働者の社会保険適用が拡大
  2. (2)働きながらでも受け取れる年金額の要件が緩和
  3. (3)年金受給開始の上限年齢が75歳に延長
  4. (4)iDeCoの加入年齢引き上げ、企業型DCとiDeCoの併用が可能に

主婦(主夫)やシニア世代の就業者数が今後ますます増え、働き方も多様化していく中、老後の生活への「備え方」も大きく変わっていく可能性があります。その中で、今回の法改正はライフステージの組み立て方に様々な可能性を与えてくれるでしょう。

法改正後はパート主婦(主夫)の場合には、社会保険に加入した場合、社会保険料を自分で負担する必要はありますが、将来の年金額が増えるメリットがあります。夫婦で家事や育児などを分担しながら、お互いにできるだけ長い期間働いて社会保険に加入しつづけることで将来の年金額を増やすというプランも選択肢の1つになり得るため、扶養の範囲内で働く場合と比較してライフプランに合った方法を検討すると良いでしょう。

また、シニア世代の場合は従来より多くの賃金を得ても年金額が減額されなくなります。そのため、定年退職後、これまでの業務経験を活かして新たな仕事を始める、積極的に雇用延長して自分自身の経験を生かすなど、定年退職も新たなキャリアプランを考えやすくなります。今回の法改正を機に、老後の仕事とお金について、改めて考えてみるとよいかもしれませんね。

監修者情報

金子賢司(かねこ けんじ)

監修者

金子賢司(かねこけんじ)

  • 株式会社菱食(現、三菱食品株式会社)にて冷凍食品の営業販売
  • 三井住友海上きらめき生命保険株式会社(現、三井住友海上あいおい生命)
  • 日本興亜損害保険株式会社(現、損害保険ジャパン)

現在はファイナンシャルプランナーとして活動中。
日本FP協会道央支部幹事
【保有資格】CFP®、TLC(生保協会認定FP)、損保プランナー
趣味はジャザサイズ。お金と健康の両面の豊かさを追及しています。

金子賢司FPホームページ

https://fp-kane.com/

CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においては Financial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSB とのライセンス契約の下に、日本国内においては NPO 法人日本 FP 協会が商標の使用を認めています。

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