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失業手当(失業保険)の受給要件・受給額・申請方法などをわかりやすく解説

失業手当(失業保険)の受給要件・受給額・申請方法などをわかりやすく解説

それまで従事していた仕事を離職した方は、一定の条件を満たすことで失業手当(失業保険)を受けることができます。では失業手当はどのようなときに受給できるのでしょうか。このページでは、制度の概要と受給要件・受給額・申請方法などをわかりやすく解説しています。離職後の収入が気になる方は確認しておきましょう。

失業手当とは

失業中に給付される手当を失業手当と呼んでいます。具体的に、どのような制度に基づき支給される手当なのでしょうか。

・失業手当は雇用保険の基本手当

失業手当は、雇用保険の求職者給付のひとつです。正式名称を「基本手当(以下、失業手当)」といいます。雇用保険の被保険者が支給対象になります。雇用保険の被保険者になる条件は以下の2点です(一般被保険者の適用基準)。

■1週間の所定労働時間が20時間以上であること

■31日以上引き続き雇用されることが見込まれること。具体的には、以下のいずれかに該当する場合をいいます。

・期間の定めがなく雇用される場合

・雇用期間が31日以上である場合

・雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合

・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合

※当初は31日以上雇用されることが見込まれない場合であっても、その後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。

正社員はもちろん、契約社員やパートタイマーであっても、適用基準を満たせば雇用保険の被保険者になります。失業など給付に関する部分の保険料は、事業主と労働者で労使折半負担します。

・失業手当の目的

雇用保険で失業手当を支給する主な目的は以下の2つです。

・失業期間中の生活の不安を軽減する

・再就職活動をサポートする

失業して給与を受けられなくなると、将来の見通しを立てづらくなるため生活に不安を感じやすくなります。不安が大きくなると、落ち着いて再就職活動を行えません。このようなリスクを回避し、休職中の生活を安定させるため、雇用保険から失業手当が支給されるのです。

・失業手当が支給される期間

失業手当は、何かしらの理由で勤務先を退職してから次の勤務先が見つかるまでの間に支給されます。ただし期限を設けず支給されるわけではありません。雇用保険の原則的な受給期間は、離職した日の翌日を起算日として1年間です。

また、失業手当には被保険者の年齢や被保険者期間に応じた所定給付日数(失業手当を受けられる日数)が設けられています。離職した日の翌日から1年間を経過すると、所定給付日数が残っていたとしても給付は打ち切られます。失業手当はこの範囲内で支給されます。詳しくは後述しますが、病気、妊娠、出産などで、30日以上働けない場合は、その日数だけ受給期間を延長できます。

失業手当が支給される条件

失業手当は、雇用保険の被保険者に支給される手当です。どのようなときに支給されるのでしょうか。続いて失業手当が支給される条件を退職のパターン別に解説します。

・自己都合による離職の場合

自己都合による離職は、「正当な理由がない場合(一般離職者)」と「正当な理由がある場合(特定理由離職者)」にわかれます。同じ自己都合であっても失業手当を受けられる条件は異なるので、どのようなケースが「正当な理由がない場合」、「正当な理由がある場合」に該当するか押さえておきましょう。

 

正当な理由がない自己都合離職の場合(一般離職者)

「ほかにやりたいことが見つかった」、「さらに条件の良い会社で働きたい」など、自分の意思で退職した方は、正当な理由がない自己都合離職(一般離職者)に該当します。

正当な理由がない自己都合退職の場合、失業手当を受給するには、以下の2点に当てはまる必要があります。

■ハローワークに通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること

■離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上ある(賃金の支払い基礎となる日数が11日以上ある月を1月と計算)こと

 

正当な理由がある自己都合離職の場合(特定理由離職者)

正当な理由のある自己都合離職とは、以下に該当する方をいいます。

■体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した方

■妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた方(詳しくは後述します)

■父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の介護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した方

■配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した方

■次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した方

(a)結婚に伴う住所の変更

(b)育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼

(c)事業所の通勤困難な地への移転

(d)自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと

(e)鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等

(f)事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避

(g)配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避

■その他、「事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者」に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した方等

※自己都合離職ではありませんが、特定理由離職者には、「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した方(当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合)」も該当します。

退職理由の判断は、住所地または居所を管轄するハローワーク・地方運輸局(船員であった場合)が行います。上記に該当する理由で離職した方は、ハローワークで相談するとよいかもしれません。

正当な理由がある自己都合離職の場合、失業手当を受給するには、以下の2点に当てはまる必要があります。

■ハローワークに通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること

■離職日以前の1年間に、雇用保険の被保険者期間が6ヵ月以上あること

・会社都合による退職の場合(特定受給資格者)

会社都合による退職(特定受給資格者)とは、以下に該当する方をいいます。

■倒産等により離職した方

(1)倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等)に伴い離職した方

(2)事業所において大量雇用変動の場合(1ヵ月に30人以上の離職を予定)の届出がされたため離職した方及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が離職したため離職した方

(3)事業所の廃止(事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した方

(4)事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した方

■ 解雇等により離職した方

(1)解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)により離職した方

(2)労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した方

(3)賃金(退職手当を除く)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことより離職した方

(4)賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した方(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る)。

(5)離職の直前6ヵ月間のうちに[1]いずれか連続する3ヵ月で45時間、[2]いずれか1ヵ月で100時間、又は[3]いずれか連続する2ヵ月以上の期間の時間外労働を平均して1ヵ月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した方。事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した方

(6)事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した方

(7)事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職した方

(8)期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した方

(9)期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した方(上記(8)に該当する方を除く)

(10)上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した方及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した方

(11)事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した方(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない)

(12)事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3ヵ月以上となったことにより離職した方

(13)事業所の業務が法令に違反したため離職した方

離職理由の判断は、住所または居所を管轄するハローワーク・地方運輸局(船員であった場合)が行います。紹介したケース以外でも会社都合による退職と認められることがあるので、気になる方はハローワークで相談するとよいでしょう。

会社都合による離職の場合、失業手当を受給するには、以下の2点に当てはまる必要があります。

■ハローワークに通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること

■離職日以前の1年間に、雇用保険の被保険者期間が6ヵ月以上あること

参考:厚生労働省「事業主及び被保険者・離職者の皆さまへ 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」

・その他事由による退職の場合

その他事由による退職の場合、以下の2点を満たすことが求められます。

■ハローワークに通所し、就職する意思・能力があり求職活動をしているにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること

■離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上あること

その他事由による退職として、定年退職や更新の予定がなかった労働契約の満了による離職などが挙げられます。

失業手当(失業保険)受給の申請手続きの流れ

それでは、失業手当を受給する手続きはどのように進めればよいのでしょうか。

・【失業手当の申請方法】①離職

離職前に「雇用保険被保険者証」の有無を確認します。雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入していることを証明する書類です。会社で保管していることが多いので、担当者に確認するとよいかもしれません。また、会社がハローワークへ提出する離職理由証明書に記載されている離職理由も確認します。離職前に本人の記名押印が必要なので、このときに正しい離職理由が記載されていることを確かめておくとよいでしょう。

離職後、会社から「雇用保険被保険者離職票1」と「雇用保険被保険者証離職票2」などが届きます(会社で手渡しされる場合もあります)。これらの書類が交付されない場合は、住所を管轄するハローワークで相談してください。

・【失業手当の申請方法】②受給資格の決定

「雇用保険被保険者離職票1」と「雇用保険被保険者証離職票2」が届いたら、住所を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。必要書類は以下の通りです。

・雇用保険被保険者離職票1

・雇用保険被保険者証離職票2

・個人番号確認書類(マイナンバーカード・通知カード・住民票記載事項証明書のいずれか)

・身元確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・運転経歴証明書など)

・写真2枚(縦3.0㎝×横2.5㎝)

・印鑑

・本人名義の預金通帳

申し込みを受け付けたハローワークは、受給要件を確認したうえで受給資格を決定します。このときに、離職理由の判定も行います。

・【失業手当の申請方法】③雇用保険受給者初回説明会

受給資格が決定したら、雇用保険受給者初回説明会の日時が案内されるとともに雇用保険受給資格者のしおりが手渡されます。

受給資格が決定した方は、雇用保険受給者のしおり、筆記用具、印鑑を用意して雇用保険受給者初回説明会に参加しましょう。同説明会では、雇用保険の受給や求職活動などに関する重要事項の説明があります。また、「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」の交付と第1回目の「失業認定日の指定」も行われます。

雇用保険受給者証は失業手当を受給するときに必要になる書類、失業認定申告書は求職活動の状況を記入する書類、失業認定日は失業状態にあることを確認する日です。

・【失業手当の申請方法】④失業の認定

ハローワークで、第1回目の失業認定日に雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を提出し失業の認定を受けます。ここでいう失業とは「働く意思・能力ともにあるが職業に就けず求職活動を行っている状態」です。

失業の認定は、原則4週間ごとに受けなくてはなりません。失業手当を受給するには、失業認定日から次の失業認定日までの間に原則2回以上の求職活動の実績が必要です(給付制限3ヵ月間と次の認定対象期間を合わせた期間は原則3回以上)。求人への応募やハローワークが実施する職業相談、届出や許可のある民間職業紹介機関が行う職業相談などが求職活動の実績になります。

・【失業手当の申請方法】⑤受給

失業認定を受けた日から5営業日後に、指定した金融機関の口座へ失業手当が振り込まれます。ただし以下の期間は支給されないので注意が必要です。

・受給資格決定日から通算7日間(待機期間)

失業手当を受給できる期間は、離職の翌日から1年以内で所定給付日数を上限に再就職が決まるまでです。この間は失業認定を受けることで失業手当を受け続けることができます。

失業手当(失業保険)の給付日数

失業手当の所定給付日数は、離職理由・被保険者期間・年齢などにより異なります。具体的に、どれくらいの期間、失業手当を受けられるのでしょうか。退職理由別に紹介します。

・障害基礎年金の申請方法

正当な理由のない自己都合離職(一般離職者)、およびその他事由による退職の場合

正当な理由のない自己都合を理由に離職した方は、通常の待機期間7日間に加え3ヵ月間の離職理由による給付制限があります。この間は失業手当を受けられません。

その他事由による退職の場合は、通常の待機期間7日間の後、失業手当を受けられます。どちらの退職理由でも、失業手当の所定給付日数は同じです。

被保険者期間1年未満

被保険者期間
1年以上10年未満
被保険者期間
10年以上20年未満

被保険者期間20年以上

90日

120日 150日

出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」 

 

離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヵ月以上あることを求められるので、被保険者期間が1年未満の方は失業手当を受けられません。

正当な理由のない自己都合(やむを得ない理由がない場合)およびその他の事由による離職者の所定給付期間は90~150日です。被保険者期間が長くなるほど、失業手当を受給できる期間も長くなります。

・正当な理由のある自己都合および会社都合による離職の場合

体力の不足や家族の介護など、やむを得ない理由がある自己都合および倒産や解雇など会社都合による退職の場合、通常の待機期間7日間の後、失業手当を受けられます。失業手当の所定給付日数は、被保険者の年齢、被保険者期間により異なります。

離職時の年齢

被保険者期間
1年未満

被保険者期間
1年以上5年未満

被保険者期間
5年以上10年未満

被保険者期間
10年以上20年未満
被保険者期間
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 150日 180日 210日 240日

出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

正当な理由のある自己都合および会社都合による離職者の所定給付期間は90~330日です。区分(年齢)ごとにみると、被保険者期間が長くなるほど所定給付期間も長くなっています。年齢で比較すると、45歳以上60歳未満の所定給付日数が最も長く、60歳以上65歳未満はこれよりやや短くなっています。

・就職困難者に該当する場合

離職した方が「就職困難者」に該当する場合、失業手当の給付日数は以下のようになります。就職困難者とは、身体障害者、知的障害者、精神障害者、刑法等の規定により保護観察に付された方、社会的事情により就職が著しく阻害されている方など、就職へのハードルが高いことが想定される方のことをいいます。

離職時の年齢

被保険者期間

1年未満

被保険者期間

1年以上

45歳未満

150日

300日

45歳以上65歳未満

360日

失業手当として支給される金額

失業手当で受けられる最大の受給額は、以下の計算式で求められます。

・失業手当の受給額=基本手当日額×所定給付日数

基本手当日額はどのように求めればよいのでしょうか。

・基本手当日額とは

基本手当日額は、賃金日額に一定の給付率を乗じて算出される1日あたりの受給額です。賃金日額は、被保険者期間として計算された離職日直前6ヵ月間に支払われた賃金総額(ボーナスなどを除く)を180で除した額です。

給付率は、年齢と賃金日額に応じて50~80%(60~64歳は45~80%)の範囲で設定されます。賃金日額が低いほど、給付率は高くなります。基本手当日額を算出する計算式は以下の通りです。

基本手当日額=賃金日額×賃金日額に応じた給付率 

ただし賃金日額には、離職日時点の年齢に応じた上限と下限が設けられています。よって基本手当日額にも上限と下限があります。賃金日額および基本手当日額の上限と下限は、以下のように設定されています。

離職時の年齢

賃金日額の上限

賃金日額の下限 基本手当日額の上限

基本手当日額の下限

29歳以下

13,630円 2,500円 6,815円 2,000円

30~44歳

15,140円 7,570円
45~59歳 16,670円 8,335円
60~64歳 15,890円 7,150円

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和元年

賃金日額が上限より多くても、上限額を超える金額を受給することはできません。また、賃金日額が下限を下回る場合は、下限額が支給されます。

失業手当が受けられない場合とは

失業手当は、雇用保険の被保険者であれば必ず受給できるわけではありません。例えば以下の条件に当てはまる方は、受けられないので注意しましょう。

・すぐに就職できない状態である

失業手当の受給条件のひとつは、就職する意思と能力があり求職活動を行っているにもかかわらず職業に就けないことです。病気やケガ、妊娠、出産、育児などで、就職する意思はあってもすぐに働ける状態にない場合は失業手当を受給できません。

雇用保険の受給期間は離職した日の翌日を起算日として1年間ですが、病気やケガ、妊娠、出産、育児などで30日以上働くことができない場合、その日数だけ受給期間を延長することができます(延長できる期間は最長3年間)。病気やケガなどですぐに働けない方は、住所を管轄するハローワークで延長を申請するとよいでしょう。

・定年などで退職し、しばらく休養する

定年退職後、しばらく休養する場合も失業手当を受けられません。就職する意思があり求職活動を行っているとは認められないからです。この場合も、離職日の翌日から2ヵ月以内に申請することで、最長1年間を上限に雇用保険の受給期間を延長できます。失業手当は、求職活動開始後に受けられます。

・傷病手当金を受給している

健康保険から傷病手当金を受給している場合も失業手当を受給できません。傷病手当金の受給要件に病気やケガで仕事に就けないことが挙げられており、失業手当の受給要件に就職の能力があることが挙げられているからです。

病気やケガで30日以上働くことができない場合は、3年間を上限に雇用保険の受給期間を延長できます。住所を管轄するハローワークで相談するとよいでしょう。

再就職が決定した際の手続きおよび給付金

求職活動の結果、再就職が決定した場合、どのような手続きをとればよいのでしょうか。再就職時に受けられる可能性がある給付金とあわせて解説します。

・①ハローワークに連絡

失業手当の目的は、離職期間中の生活の安定を図ることです。再就職が決まったら、ハローワークへ連絡して失業手当の受給停止の手続きを進めます。

・②採用証明書を作成

続いて、再就職先に採用証明書の作成を依頼します。採用証明書は、ハローワークから交付された「受給資格者のしおり」に同封されています。

・③ハローワークで失業認定

就職日前日に、ハローワークで失業認定を受けます。雇用保険受給資格者証、失業認定申告書、印鑑と再就職先に作成を依頼した採用証明書が必要になります。以上で、再就職後の手続きは完了です。

・再就職により支給される給付金

雇用保険の失業等給付の中には、再就職時に受けられる給付金があります。どのような給付金があるのでしょうか。

 

再就職手当

失業手当の受給資格者が再就職で雇用保険の被保険者になる場合などに支給されます。具体的には、失業手当の残りの給付日数が所定給付日数の3分の1以上あり一定の条件を満たす場合に支給されます。支給額の計算式は以下の通りです。

・失業手当の残り給付日数が所定給付日数の3分の1以上の方

残りの給付日数×60%×基本手当日額(上限6,165円、60~64歳は4,990円)

・失業手当の残り給付日数が所定給付日数の3分の2以上の方

残りの給付日数×70%×基本手当日額(上限6,165円、60~64歳は4,990円)

早く再就職すると給付率は高くなります。

 

就業促進定着手当

再就職手当を受けた方が再就職先で6ヵ月以上雇用され、その間に支払われた1日分の賃金が離職前に支払われていた1日分の賃金(賃金日額)より低い場合、就業促進定着手当を受けられます。支給額の計算式は以下の通りです。

(離職前の賃金日額-再就職後6ヵ月間に支払われた1日分の賃金)×再就職後6ヵ月間内に賃金支払いの基礎となった日数

ただし、就業促進定着手当には次の上限が設けられています。

基本手当日額(上限6,165円、60~64歳は4,990円)×基本手当の支給残日数に相当する日数×40%

※再就職手当の給付を受ける前の支給残日数

これより多くの就業促進定着手当を受けることはできません。

 

就業手当

失業手当の受給資格者が、再就職手当の支給対象にならない常用雇用等以外で再就職した場合に支給される手当です。失業手当の残りの給付日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件を満たす場合に支給されます。支給額の計算式は以下の通りです。

・就業日×30%×基本手当日額(上限1,831円、60~64歳は1,482円)

 

常用就職支度手当

就職が困難と認められる失業手当の受給資格者などが安定した職業に就き、一定の要件を満たすときに支給される手当です。失業手当の受給資格者は、失業手当の残りの給付日数が所定給付日数の3分の1未満であるときに支給されます。支給額の計算式は以下の通りです。

・90(支給残日数が90日未満である場合はその数、45日未満である場合は45)×40%×基本手当日額(上限6,165円、60~64歳未満は4,990円)

失業手当の受給中にアルバイトや副業はできるの?

失業手当を受給しながらアルバイトや副業をしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。このようなことは可能なのでしょうか。

・受給中でもアルバイト・副業はできる

失業手当の受給中でも、アルバイトなどをすることは可能です。ただし失業認定申告書にアルバイトをした日などを正確に記載して申告しなければなりません。

働いた時間が4時間未満の日は内職または手伝い、4時間以上の日は就職または就労に分類されます。働いた日は、失業手当が減額または不支給になる可能性があります。(※3ヵ月間の給付制限期間中は減額されません)。

 

内職または手伝いの場合は減額・支給停止の可能性あり

内職または手伝いに分類された日は、収入額により失業手当が減額または不支給になります。具体的には、以下の計算式で求めた金額により決定します。

1:(1日の収入額-控除額)+基本手当日額

2:退職前の賃金日額×80%

・2≧1の場合、失業手当を全額支給

・1>2の場合、「1-2」の差額分が基本手当日額から減額

・(1日の収入額-控除額)>2の場合、不支給 

不支給となった日は、支給が先送りになります。

 

就職または就労の場合は不支給

就職または就労に分類された日の失業手当は不支給になります。不支給になった日は、支給が先送りされます。給付日数が減ることはありませんが、雇用保険の受給期間は1年であるためこの間を過ぎると給付日数が残っていても失業手当を受けられなくなるので注意しましょう。

・受給中の労働時間は20時間まで

失業手当受給中は、アルバイトなどの労働時間にも制限があります。働きすぎると定職に就いたとみなされることがあるからです。一般的には、雇用保険の適用基準を満たすと定職に就いたとみなされると考えられています。

【雇用保険の適用基準】

・1週間の所定労働時間が20時間以上

・継続31日以上の雇用見込みがある

具体的な判断は、住所を管轄するハローワークが行います。失業手当を受給しながらアルバイトなどで働きたい方は、以上の適用基準に注意しましょう。

・申告せずに失業手当を受けると不正受給に

失業手当受給中もアルバイトなどを行うことはできますが、労働時間などに制約が加わります。もしかすると、申告せずに働けばよいと考えた方がいるかもしれません。アルバイトなどで働いた日を申告せずに失業手当を受給すると不正受給になります。以降の失業手当が支給停止になるだけでなく、不正受給した額の3倍に当たる金額の納付を求められることがあります。失業手当受給中にアルバイトなどをする方は、必ず申告しましょう。

【ミニコラム】失業手当の受給中、扶養に入ることはできるの?

健康保険の被保険者に生計を維持されている場合、失業手当の待機期間中と給付制限中は扶養に入ることができます。失業手当受給中は、基本手当日額により取り扱いが異なります。被扶養者の条件は以下の通りです。

・年間収入130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)

・かつ、同居の場合は収入が被保険者の収入の半分未満

・かつ、別居の場合は収入が被保険者からの仕送り額未満

基本手当日額が3,612円未満(60歳以上・障害者は5,000円未満)であれば年間収入130万円未満(180万円未満)になるので、失業手当の受給期間中も扶養に入れる可能性があります。ちなみに、年間収入は認定時の収入で判断するため、認定時の基本手当日額が上記より多いと所定給付日数に関わりなく扶養には入れません(基本手当日額×360日で計算するため)。

続いて、税法上の扶養について解説します。失業手当は非課税であるため、ほかに収入がなければ給付額に関わらず税法上の扶養に入ることができます。

失業手当の受給期間・受給額などは被保険者の条件で異なります

失業手当は雇用保険の給付のひとつです。そのため、雇用保険の被保険者が対象になります。必ず満たさなければならない受給要件は、「ハローワークに通所し、働く意思と能力があり求職活動を行っているが職業に就くことができない失業の状態にあること」です。

また、離職理由に応じた被保険者期間も満たさなければなりません。所定給付日数と給付額は、年齢や離職理由、賃金日額などで異なります。失業手当の申請は、住所を管轄するハローワークで行います。受給には、定期的な失業認定と求職活動の実績が必要なので注意が必要です。やや複雑な制度ですが離職時に頼りになる制度であることは間違いありません。以上の内容を理解して、適切に利用しましょう。

監修者情報

荒木 千秋(あらき ちあき)

監修者プロフィール

ファイナンシャルプランナー 荒木 千秋(あらき ちあき)

荒木FP事務所代表 ファイナンシャルプランナー

AFP 2級FP技能士

大阪電気通信大学特任講師として、主にFP・金融関連の授業を担当。

専門は、金融経済教育、金融リテラシー。

三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に勤務したのち独立。

現在は独立系FPとして、執筆・講演など幅広く活躍中。

著書に『「不安なのにな〜にもしてない」女子のお金入門(講談社)』がある。

 

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