火災保険の保険料は一般的にいくら程度なの? 保険料の仕組みを知って、無駄なく支払うポイントを解説!

火災保険の保険料は一般的にいくら程度なの? 保険料の仕組みを知って、無駄なく支払うポイントを解説!

火事だけではなく、身近なトラブルやさまざまな自然災害に対応する火災保険。必ず加入しておきたい保険のひとつですが、気になるのはやはり、その保険料です。できることなら火災保険料は少しでも抑えたいですよね。では、火災保険料の負担を軽くするためには実際にどうすればいいのでしょう? ファイナンシャルプランナーの清水香さんに伺いました。

節約を考える前に知っておきたい、火災保険料の決め方

昔の契約は「時価」かもしれない! 火災保険金額は、建物の「再調達価額」で決まる

そもそも、火災保険で加入する保険金額はどのようにして決めるのでしょう? 保険会社の一般的な住宅向け火災保険の多くが、その建物の「再調達価額」で設定します。再調達価額とは、火災などで建物や家財が全損してしまった際に、それらを再建、あるいは新たに購入するのに必要な金額のこと。各保険会社の算出方法に従って再調達価額を割り出し、その金額を保険金額に設定します。

「現在は再調達価額で設定するのが一般的ですが、2001年4月以前などに長期契約した火災保険は『時価』である可能性も高く、注意が必要です。時価とは、老朽化を加味した現状相当の金額のこと。建物を失った時点の再調達価額から、経年劣化等による消耗分をマイナスした金額が保険金額になるので、元通りに再建するのが難しくなる場合もあります。時価で契約している方は、再調達価額で火災保険を契約し直すことをおすすめします」

再調達価額での契約は、家を建ててから時間が経過していても、元通りにするために必要な費用を保険金として受け取れるため、時価での契約に比べてより大きな安心を得られるといえますね。とはいえ、再調達価額で契約していても油断は禁物。住宅価値や建築コストなどの変動で、再建に必要な金額と保険金額に差が生じることがあるからです。

再調達価額と時価の違いの例

「建物や家財に適正な保険金額が設定されていないと、イザというときに十分な補償を受け取れないことも。そうしたことを防ぐためにも、火災保険は、数年おきに見直しをすることが大切です」

住む場所によって保険料が違うって本当? 

「よく皆さんが口にするのが、『火災保険の相場っていくら程度ですか?』という質問。ところが、火災保険の保険料はさまざまな要素によって決まるので、具体的に試算をしてみないと『いくら程度』と具体的にお答えすることはできません。火災保険料の相場を知りたい場合は、まず火災保険の算出の仕組みを知るべきです」

金額を大きく左右するのは、「所在地」と「建物の構造」の2つの要素です。

「たとえば、台風が多い九州は、首都圏に比べて同一の保険金額でも火災保険料が高くなります。過去の自然災害の発生状況に応じて災害のリスクが高いエリアほど保険料も高くなるのです。

また、リスクが高いほど保険料が高額なのは、建物の構造においても同じこと。建物はM構造(耐火マンションなど)、T構造(コンクリート建造物など)、H構造(木造の建造物など)の3つの構造に分類され、M構造<T構造<H構造といった具合に保険料は高くなります」

これらに加えて、火災保険の補償内容や付帯する特約、保険期間、一戸建てかマンションかといった住居環境によっても保険料は大きく異なります。そういう意味では、火災保険は個別性の高い保険。自分がどんなプランの保険に加入するべきか、しっかり吟味する必要があるでしょう。

■A損害保険会社/火災保険見積り例

A損害保険会社/火災保険見積り例

無駄のない保険料で適切な補償を! 保険料と補償内容の考え方

火災保険では、「火災」「落雷」「破損・爆発」といった火災リスクにおける補償をベースに、「水災」、「風災」、「盗難」などの補償を組み合わせるのが一般的です。ただし、他の保険と同じように、補償範囲を広くするほど保険料も高くなります。保険料をできるだけ節約したい場合は、よりカスタマイズ性の高い保険会社の商品を選ぶとよいでしょう。

「火災保険においては、立地などの住居環境を考慮した補償選びがポイントになります。まずは自治体が公表しているハザードマップを確認して、お住いのエリアにどのような災害が起きやすいかを把握したうえで、それに応じた補償をつけるようにしましょう。加えて、一戸建てだから『盗難』の補償をつける、マンション上層階だから『水災』は不要かも、といった具合に、住まいに応じた取捨選択を。ただし、保険料を節約したいからといって、必要な補償まで外してしまうのは本末転倒です。火災保険に加入する意味を考えれば、保険料の節約には、補償を狭めるという考え方よりも、保険料の支払期間や支払方法を見直すことをおすすめします」

どんな住まいかにあわせて、補償内容を検討しましょう

どんな住まいかにあわせて、補償内容を検討しましょう

専門家が考える、火災保険料を抑える方法とは

「保険料の節約=補償・特約の絞り込み」は間違い?

住居環境で火災保険料は大きく左右されるものの、住む場所や建物の構造を変えるのは難しいもの。火災保険を節約するには、その内容を見直すことが一番の近道になります。そこでまず考えたいのが、補償内容の見直し。補償の手厚さと保険料は比例するため、補償を本当に必要なものに絞ることができれば、保険料の節約につながるのではないでしょうか?

「適切な保険料を支払うために、補償内容の見直しは大切なこと。一方で、特に自然災害への補償は、家計に破滅的なダメージを受けたときのライフラインとしてなくてはならないものです。先ほどもお話したとおり、そうした必要な補償まで外してしまわないよう注意してください。ただ、マンション高層階では『水災』は不要なケースが大半でしょう。その場合は外してしまっても大丈夫です」

補償をひとつ削って節約できる保険料と、被害に遭って受ける経済的なダメージを天秤にかければ、どちらが重いかは歴然としています。災害で受ける被害は数千万円台になる場合も多いからこそ、補償内容の見直しは、むしろ「必要な補償がしっかりと確保できているか」に重きをおいて取り組むのが正解かもしれませんね。

「こうした考え方は、特約についても同じこと。いざアクシデントが起きて発生する損害額を考えれば、節約のために外してしまうのは得策ではないケースもあります」

お得な長期契約の、意外な落とし穴

火災保険は、原則として、1~10年の期間内で契約期間を選ぶことができます。2年以上の契約は長期契約とされ、保険料の割引があることから、短期契約よりも割安といえるでしょう。保険会社の事務コストが抑えられたり、契約時点の金利などが考慮されたりするため、保険料が割り引かれるのです。

「一方で、長期契約では気をつけるべき点もあります。建物の価値は時間の経過により変化するもの。長期契約を結んだからといって、火災保険を長い間見直さないでいると、いざというときに思うように活用できないケースもあるので、正しい保険金額を設定できているかは確認してください。また長期契約を結びすぎると契約内容を忘れてしまい、補償範囲と自分のライフプランが合わなくなることもありますので、おおよそ5年ごとに、保険金額が適正かどうかのチェックが必要。契約手続きは一度で済んでも、契約終了までメンテナンスが必要ということですね」

保険料を抑えるために地震保険に加入しないのはアリ?

火災保険に加入するとき、セットで加入するかどうかを必ず聞かれるのが地震保険。地震保険は国が関与している保険なので、保険会社による保険料の違いはありません。地震保険をセットにするとその分火災保険料が上がってしまうため、加入には慎重になってしまうという人もいるかもしれないですね。保険料を節約したい場合、地震保険に加入しなくてもいいものなのでしょうか?

「結論からいってしまえば、地震保険はできる限り加入していただきたい保険です。火災保険では地震による損害を補償できず、地震で被害に遭ったときの損害額が深刻なものになる可能性が高いからです。どうしても保険料が気になる方は、上記でお話した補償や保険期間の見直しをして、よりシンプルな内容の火災保険を選んでみるのも手でしょう。また、地震保険に加入すると、『地震保険料控除』で所得税や住民税の控除を受けられます(2019年4月現在)ので、こうした制度も上手に利用してみてください」

ガイドプロフィール

All About 火災保険の選び方 ガイド 清水 香(しみず かおり)

1968年東京生まれ。学生時代より生損保代理店業務に携わるかたわら、FP業務を開始。ファイナンシャルプランナー。社会福祉士。自由ヶ丘産能短大講師。家計の危機管理の観点から社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計のアドバイスに取り組む。相談業務、執筆・講演なども幅広く展開、TV出演も多数。

  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問合せください。また、このページの内容については楽天保険の総合窓口(0120-849-019)にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度に基づくもので、すべての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2019年4月24日)

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