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日本人のおよそ3人に1人が罹患しているといわれ、国民病のひとつとされる花粉症。悩んでいる人も多いかもしれませんが、実は犬にも花粉症といえるような症状があらわれることをご存じでしょうか。
人の花粉症はくしゃみや鼻水、目のかゆみ、目の充血などがおもですが、犬の場合はどうなのでしょう。「飼い主にわかるサインはある?」「注意すべき時期はいつ?」などなど、愛犬のために知っておきたい犬の花粉症の症状から対策、薬のことまで、詳しく解説します。
犬にもさまざまなアレルギー症状があり、そのひとつが花粉症です。花粉症は、花粉によって引き起こされるアレルギー性の病気のひとつで、異物である花粉(抗原)が体内に侵入すると、免疫反応が過剰に起こり、それによって花粉症が発症します。
人の花粉症の代表的なアレルゲンにはスギやヒノキ、ブタクサ などがありますが、犬にはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくみていきます。
「犬も花粉症になるの?」とびっくりする飼い主さんもいるかもしれませんが、答えはイエス。ただし、人間とは症状がやや異なります。人の花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、目の充血などがおもな症状ですが、犬の場合は皮膚に症状があらわれることが多くあります 。
そのため、愛犬が花粉症でも気づきにくいかもしれません。1年のうち、特定の時期になるとかゆがる様子をみせる場合は、花粉症の疑いが考えられるでしょう。ただし、発疹などの皮膚トラブルが起きるときは、花粉に反応して起こるアトピー性皮膚炎や、アトピー性皮膚炎と外耳炎を併発していることがあります。
花粉症の原因となるアレルゲンは、花粉です。アレルゲンは犬の場合も人の花粉症と似た傾向があるといわれ、2月~4月頃はスギ、3月~5月頃はヒノキ、5月~10月頃はイネ科、8月~11月頃はブタクサなどが花粉症の原因になります。なかでもブタクサは、犬のアレルギー症状を引き起こすアレルゲンとして知られています。
花粉症になりやすい犬種はある?
花粉症はあらゆる犬種で発症する可能性がありますが、とくに花粉症になりやすい犬種は、「柴犬」「フレンチ・ブルドッグ」「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」「シー・ズー」「ゴールデン・レトリバー」「パグ」などです。
もともと、アレルギーやアトピーを起こしやすい犬種は、アレルゲン(アレルギーの原因になるもののこと)と成り得るものに敏感で、花粉に対してアレルギー反応を起こすことがあります。
犬の花粉症は、皮膚の症状がメインに起こることが大半ですが、まれにくしゃみ、鼻水、目やに、目の充血などが見られることもあります。犬は自分で症状を訴えることができません。飼い主さんが注意して、気づいてあげましょう。
症状としてもっとも多いのが、皮膚のかゆみです。散歩に出るとかゆがる、家の人が帰ってくるとかゆがりだすなどがあったら、要注意。かゆみは目や鼻のまわり、耳、脇、おなか、足の裏など、体全体にあらわれます。かゆみの程度はさまざまですが、なかにはかき壊して、血がにじんでしまうような子もいます。
皮膚が赤くなったり、脱毛したり、フケやべたつきが起こる子もいます。耳に赤みが見られることもあります。
かゆみや皮膚の赤みが起きるため、体をしきりになめたり、かいたりすることがあります。特定の部位をなめたり、体を床や壁にこすりつけたりする行動は、かゆみのサインと考えましょう。
ごくたまに目やにや目の充血といった、人と同じような症状があらわれる子もいます。
犬の場合、人と違って、呼吸器症状はほとんど見られませんが、鼻水やくしゃみが出る子もいます。
ごくまれに下痢や嘔吐などの消化器症状が出る子もいます。
花粉症がはじまるタイミングは?人間と同じように突然はじまるの?
犬の花粉症は突然始まることが多いです。昨年まで大丈夫だったのに、今年から急に症状が出始めたというケースもあり、そのタイミングは人間に似ているといえるでしょう。
このようにお話しすると、何の前触れもなく始まるのかと考えてしまいがちですが、実は違うのです。アレルギー反応の多くは異物(花粉症の場合は花粉)に対する小さな反応がどんどん積み重なり、限界まで来たときに症状として表れます。「アレルギーのコップ」という考え方があります。花粉が体内に入り込むと抗体がどんどん蓄積され、一定量を超えるとアレルギーのコップから溢れ出るようにアレルギー反応が起こります。
症状のある犬には症状を軽くするために、あるいは症状が出る前に、家庭でできる対策を実践しましょう。ご自身が花粉症で悩んでいる飼い主さんであれば、人にとっての対策にもなり、一石二鳥です。
1日のうちでもっとも多く花粉が飛散するのは、一般的に昼前後と夕方といわれています。また、晴れて気温が高い日や、空気が乾燥して、風が強い日は、飛散量が多くなるといわれているので注意が必要です。
さらに雨上がりの翌日は、雨で落ちた花粉が再び飛散する、気温の高い日が2~3日続いた後も花粉がとくに多くなるといわれています。犬とお散歩に行くときは、花粉が多い日や飛散しやすい時間帯を避けるようにしましょう。
人の花粉症対策と同様、アレルゲン(花粉)のばく露(アレルゲンが体に入ること)を防ぐことが大事です。お散歩の際は、できるだけ全身を覆う洋服を着せ、花粉が皮膚に付着しないよう気をつけましょう。
お散歩の際には、スギが多い場所やブタクサなど背の低い雑草が生えている場所を避けるようにしましょう。たとえば、ブタクサは道端や河川敷、公園など、どこにでも生えていますが、スギやヒノキなどの高木と違って、丈が低いので、花粉はそれほど遠くまで飛散しません。生えている場所にさえ近づかなければ、極力花粉を避けることができます。
家の中に花粉を持ち込ませない対策のひとつとして、お散歩から帰ったら、家の外で洋服を脱がせてあげてください。服を脱がせたら、ブラッシングをして、体についた花粉を落としてあげましょう。花粉を散らさないように優しくブラッシングするようにしましょう。固く絞ったぬれタオルで、手足や体をやさしくふいてあげるのもおすすめです。
花粉の飛散時期は、ふだんよりこまめにシャンプーするのもポイントのひとつ。お散歩から帰って、犬とふれあうときは、飼い主さんご自身も服を着替えたり、シャワーを浴びたりしてからにしましょう。
花粉のシーズンがきたら、家の中の掃除はいつも以上にこまめに念入りに行いましょう。床に落ちている花粉は、フロアモップなどを使って拭き掃除を。テーブルの上もこまめに拭きましょう。洗濯物の外干しはNG。濡れたり、湿ったりしている洗濯物に付着した花粉は、取り入れるときに手で払っても、なかなか落ちてくれないものです。花粉を家の中に入れないように洗濯物は室内干しにするか、乾燥機を使うのもいいでしょう。
それでも花粉の侵入を完全に防ぐことはむずかしいので、空気清浄機を導入し、室内に飛散する花粉を減らすのも大事です。花粉対策用の空気清浄機であれば、さらに花粉除去効果を期待できます。
また、花粉の時期は掃除機の利用方法に注意してください。花粉が粉砕されたものを粉砕花粉と言います。花粉は非常にもろく壊れやすいのですが、この粉砕花粉は空気中に舞いやすく長時間浮遊します。花粉症の場合、粉砕花粉をもっとも避けないといけないといわれています。
掃除機の種類によっては、吸引した花粉を排気口からほとんど逃がしてしまっているケースも。犬が花粉症の場合はサイクロン型の掃除機を推奨します。
皮膚が乾燥していると、花粉が皮膚に侵入しやすくなり、かゆみなどの症状が出る原因になります。対処法としては、保湿が大事です。乾燥が目立つ部分に犬用の保湿クリームを塗ってあげましょう。ただし、犬が気にしてなめてしまうことがあるので注意が必要です。
犬用の保湿クリームであれば、なめても問題のない成分でできていますが、なめることで乾燥が悪化する場合があります。犬がなめてしまうようなときは、なめられない部分にのみ、限定的に使うようにするとよいでしょう。
花粉をできるだけ避けるにはどうすればよい?
花粉症のある犬の場合、花粉をできるだけ避けることが重要になります。花粉は地面に積もりますが、犬は散歩の際地面に積もっている花粉を巻き上げながら歩きます。とくに足の裏や首の下から腹部には症状が起こりやすいので、散歩後は濡れたタオルで花粉を散らさないように拭き取ってあげてください。最近は花粉が付着しにくい生地で作られた洋服もありますので利用なさるとよいでしょう。
花粉の季節は大きく分けて春と初夏~秋です。それぞれの季節で飛ぶ花粉の種類は異なります。花粉マップを確認するなどして気を付けてあげましょう。
特定の時期になると、毎年かゆがる様子があるという犬は、もしかすると花粉症かもしれません。花粉の飛散時期に症状が出るようなときは、早めにかかりつけの獣医師に相談して、アドバイスを受けましょう。必要であれば適切な治療を受けることが大事です。万が一に備えて、薬についても知っておきましょう。
花粉症は花粉をアレルゲンとするアレルギー性の病気で、犬も人と同じように花粉が飛散している時期に発症します。特定の時期になると、かゆみなどの症状があらわれ、その時期が過ぎると症状がおさまる傾向がある場合は、花粉症の疑いがあります。
同じような症状があらわれるアレルギーでも、異なるアレルゲンの場合、季節性は見られません。季節性があれば、花粉症の疑いがあり、季節に関係なく症状が続く場合、別のアレルギー性疾患などが考えられます。
いずれにしても、アレルギーの疑いを感じられたり、かゆみが見られたりするときは、早めにかかりつけの動物病院に相談を。一時的なものだからといって様子を見ていると、かき壊したり、皮膚の状態が悪化したりして、二次的な皮膚感染症を起こすことがあります。
アレルギーを引き起こす原因物質であるアレルゲンが何かというのは、動物病院のアレルギー検査で調べることができます。花粉症対策を続けても、症状がおさまらない場合は、別のアレルゲンが原因でアレルギー反応を起こしている可能性もあります。愛犬が花粉症かも?と思ったら、原因を知り、適切な治療を受けるためにもアレルギー検査を受けましょう。
アレルギー検査にはさまざまな方法がありますが、スギやヒノキ、ブタクサなどの花粉やハウスダストなどの環境アレルゲンは、採血だけで調べることができます。一般的なのは、血液中にさまざまなアレルゲンに対する固有のIgE抗体があるかどうかを調べる特異的IgE抗体検査で、アレルギー反応が強いほど、特異的Ige抗体の数値が高くなります。
花粉症の治療は、人と同じように症状をやわらげる対症療法が基本になります。かゆみの症状がある場合、飲み薬の抗ヒスタミン剤やステロイド剤、塗り薬のステロイド系外用剤(スプレー、ローション、クリーム、軟膏タイプ)などを組みあわせて、かゆみをコントロールしていきます。なお、ステロイド薬を使用する場合は、ステロイド性肝炎や糖尿病、クッシング(副腎皮質機能亢進症)などの副作用についても知っておくことが大事です。受診の際に獣医師に確認しておきましょう。
このほか、アレルギーの原因物質を少しずつ摂取して、体を慣れさせていく減感作療法や、炎症性の化学物質の産生を阻害する作用を持つ脂肪酸製剤と抗ヒスタミン剤を併用して効果を高める治療法もあります。
かゆみをおさえる薬には、人間用と同じ有効成分を使ったものもありますが、量や使い方を間違えると症状を悪化させたり、中毒を起こしてしまったりする危険があります。むやみに与えるのは絶対にやめましょう。
なお、人の治療と同様に、花粉が飛散する前に抗ヒスタミン剤を投与すると、症状を軽減させられるケースも報告されています。例年、この時期になるとかゆがる様子を見せる犬には、花粉が本格化するシーズン前に予防してあげましょう。
花粉症の犬に果物を与えるのはダメってほんと?
花粉症の人が、花粉症の原因と同じ科の植物に対してアレルギー反応を起こすことは有名で、「交差反応」といいます。スギとトマトは関連性がありスギに対する花粉症がある人がトマトを食べると口の中がヒリヒリ・イガイガします。これを人では「花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)」と言います。
実は、この反応は犬でも起こるといわれており、たとえば「カバノキ、ブタクサなどの花粉」と「リンゴ、モモ、メロン」は55%の交差性があるといわれています。つまり、花粉症を起こす花粉と、交差性が高い果物はアレルギー反応を起こす可能性が高いと言えるでしょう。
犬の花粉症は季節性アレルギーということもあります。その犬にとってアレルゲンとなる花粉の飛ぶ時期に、皮膚のかゆみや、鼻水、くしゃみ、目やにや充血などの症状が起こります。毎年、症状はひどくなっていくことがほとんどです。
花粉症に対する対処法は、花粉にできるだけ触れないことです。ご紹介した花粉対策を参考にしていただき、できるだけ症状がひどくならないように取り組んであげましょう。実際に花粉症の症状が起きた場合は、早期に動物病院で適切な治療を受けるようにしてください。
監修日:2024年3月8日(金)
山口大学農学部獣医学科(現 山口大学共同獣医学部)卒業
2006年~2023年 有限会社ふくふく動物病院 院長
2023年~ 大手企業病院の院長を務める
アイビー・ペットライティング 代表
(公社)日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
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(掲載開始日:2024年6月11日)
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