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屋内外問わず、いくら予防をしていても愛犬がケガをしてしまうリスクは少なからず存在しています。大切なワンちゃんにはケガなく安全に暮らしてもらいたいものですが、万が一の事態は起こり得ます。もし愛犬が骨折したとしたら、どのような治療が必要なのか、また治療費はいくらくらいになるのでしょうか。動物病院で獣医師に診てもらうことになれば、動物の医療費は全額自己負担のため、多額の費用が発生することもあります。 本記事では、愛犬が骨折した場合の応急処置の方法や病院での治療内容をはじめ、手術後の過ごし方や治療・療養にかかる費用などをわかりやすく解説します。
愛犬が骨折したかもしれない場合、はじめにワンちゃんの状態を確認します。骨折の可能性がある場合には、応急処置を施し、動物病院に連れて行きます。ただし、間違った処置では愛犬が痛がったり、状態が悪化したりしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
具体的にどのように状態を確認して応急処置を行えばよいのでしょうか。骨折したかもしれない場合に飼い主がとるべき行動について見ていきましょう。
まずは愛犬の状態を確認してください。骨折の見分け方は、次のような症状の有無にあります。
これらの症状がある場合、骨折している可能性が高いと考えられます。
骨折したワンちゃんの前足
写真提供:小滝橋動物病院 磯野新先生
「骨折」は、高いところから落ちてしまった、扉に前足や後ろ足を挟んでしまったなど日常生活で遭遇するトラブルによって起こります。落下や扉に挟まったなどの事故が起きたら、まずは患部を触って痛がっているか、腫れているかなどを確かめてあげてください。腫れなどは、必ず見られるわけではなく、時間がたたないと出てこない場合もありますのでご注意ください。また、歩き方が変でないか腕や足をあげていないかなども、事故の後の状況判断のポイントになります。少しでもおかしいなと感じたら、すぐに動物病院にご相談ください。
足を骨折している場合、割り箸や固い段ボールを添え木として患部にあて、包帯やハンカチで巻き固定します。固定する際、きつく巻くとかえって痛がったり、血流が悪くなったりするため注意が必要です。
また、ワンちゃんが痛みで興奮している場合には、無理に応急処置をしようとせず迅速に動物病院に連れて行きましょう。興奮状態で処置を行おうとすると、暴れてしまいかえって悪化したり、噛まれたりしてしまうことがあります。
ワンちゃんが本当に骨折している場合、病院に行かず自然治癒に任せてしまうと、骨が曲がってくっついてしまいます。折れた部分が関節のように曲がるようになってしまうこともあります。自然治癒後に痛みや腫れが悪化し、生活に支障が出る可能性もあるため、少しでも骨折の疑いがあるのなら動物病院に連れていきましょう。
自然治癒に任せて適切に対応しなかった後の治療は、骨折直後の治療よりも難しく、また完治に至らないケースもあります。骨折の疑いがあるのなら動物病院を受診し、獣医師に判断・治療してもらいましょう。
夜間など動物病院の診療時間外に骨折した場合、夜間や土日も診療している動物病院を探すか、なければかかりつけの獣医師に連絡して診療時間までどう過ごしたらよいか聞いておくと安心です。
落下事故や扉に挟まってしまったなどの事故が起こった際は、すぐに症状が出なくても「徐々に痛がる」「歩き方が変になる」などの症状が出てくることがあります。事故直後は、痛がる、歩き方がおかしいといった症状がはっきり見られなくても、心配であれば早めに動物病院で受診して検査を受けることがおすすめです。特に骨折を放置しておくと、骨が変形してしまったり、関節に負担がかたったりする様な形で骨がくっついてしまうことも。また、時間が経った骨折は感染症のリスクも高くなり、手術を受けてもなかなか治らないというトラブルも起こりやすくなります。
動物の中でも、犬は骨折しやすいといわれています。交通事故などまれにあるリスクだけでなく、日常生活の中でも、気をつけないと骨折してしまうことがあります。ここからは、ワンちゃんが骨折する原因について見ていきましょう。
ワンちゃんが足を骨折しやすいシーンには、主に次の5つがあります。
人間でも滑って転んでしまうことのあるフローリングは、ワンちゃんにとっても危険なものです。室内で遊んでいる最中に足を滑らせて骨折してしまうことがあります。
ソファーや食卓の椅子、階段など、高いところから飛び降りて着地の際に前足を骨折するケースもあります。着地の際、前足に全体重がかかってしまうことが理由です。
抱っこ中の落下や足を踏んでしまう、屋外での事故などのトラブルでは、飼い主の不注意から骨折に至るケースもあります。後述する骨折の予防法に取り組み、愛犬をケガから守りましょう。
足以外の骨折では、高い場所からの転落や交通事故などのケースが考えられます。
ワンちゃんの体格などによっても、注意するべき骨折リスクは変わってきます。
■小型犬
チワワやポメラニアン、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・ピンシャーなどの小型犬や生まれたばかりの子犬は、とくに前足の骨折に気をつけましょう。小型犬は飼い主と室内で一緒に過ごすことから、抱っこ中の落下や誤って踏んでしまうなどのリスクが高いです。また、小型犬は骨も細く足を骨折しやすいため注意が必要です。
小型犬の骨は細いため、骨折にはより注意が必要
■中型犬・大型犬
中型犬、大型犬でも、骨格がスリムな犬種、例えばボルゾイ、サルーキ、アイリッシュ・セターなどは骨折リスクが比較的高いといわれています。とはいえ、それ以外の犬種で骨折の可能性がないわけではありません。がっしりした体型の柴犬でも、抱っこから地面に着地するまでの間に骨折したケースがあります。交通事故などでは、犬種に関係なく骨折の可能性があります。
骨格がスリムな犬種も、骨折リスクが比較的高いため注意が必要
■シニア期のワンちゃん
シニア期に入ると、骨粗しょう症による骨折リスクの高まりのほか、筋力の低下、関節の痛みから足をかばいながら歩くようになることがあります。ワンちゃんは人間と同じく、シニア期に入ると白髪が増え体力や集中力、活動全般が低下して睡眠時間も長くなります。このような兆候が見られたら、身体に不調がないか健康診断を半年に1回程度行うことをおすすめします。
チワワやトイ・プードルなどの小型犬種は抱っこ中に落ちてしまった、足元にまとわりついて誤って踏んでしまったなどの事故で骨折してしまい来院するケースが多いです。仕方のない場合もあるのですが、飼い主さまがこのようなトラブルがある可能性があるということを把握するだけでも事故を減らせると思います。また、足の長いイタリアン・グレーハウンドも骨折しやすい犬種です。防ぎようのない事故も多いのですが、散歩時に自転車で併走しない、抱っこの時に落としやすい体勢にしない、などを意識するといいと思います。
ワンちゃんが骨折して動物病院に行くと、どのような治療を行うのでしょうか。ここからは、治療の内容や治療期間について解説します。
骨折が疑われる場合、レントゲン検査を行うのが一般的です。レントゲンによって、ワンちゃんが痛がる部位が骨折しているのか、また骨折の具体的な場所や程度がわかります。
あわせて、他の健康な骨も撮影し、骨折している部位と健康な骨の違いなどをチェックして、最適と思われる治療方法を決定します。
ワンちゃんの骨折の治療にはいくつかの方法があります。ここからは、治療方法ごとに治療内容と特徴をご紹介します。
ギプス固定(副子固定法)は、グラスファイバーやシーネを用いて骨折した箇所を固定する方法です。
手術できない箇所を骨折してしまったとき、手術の必要がないときにはギプス固定で治療します。また、骨折から手術までに日数があるときにギプスで固定する場合もあります。
ギプスを付けたワンちゃん
写真提供:小滝橋動物病院 磯野新先生
プレート固定法は、手術をして折れた骨を金属の細いプレートとネジで固定する方法です。手術による治療ではもっとも行われている方法で、早期回復が見込めます。
安静管理が難しいワンちゃんにも有効な治療法です。プレート固定法の場合、手術した翌日から歩けるようになります。
プレート固定手術後のレントゲン写真
写真提供:小滝橋動物病院 磯野新先生
足が細いワンちゃんの場合、プレート固定法ではプレートが血管などを圧迫して血行障害が生じる可能性があります。
そのようなときには、皮膚の外からピンを刺して骨を固定する創外固定法が用いられます。治癒が早く、治療後に金属が体内に残らないのも特徴です。
創外固定法の手術後のレントゲン写真
写真提供:小滝橋動物病院 磯野新先生
細胞治療は、手術と併用して用いられる補助的な治療法です。細胞治療では、手術の際に採取したワンちゃんの脂肪細胞から脂肪幹細胞を培養して、点滴で体内に注入します。
この治療法は、傷を自力で修復しようとする再生能力に着目した新たな治療法です。体内のさまざまな細胞に変化する可能性を持つ幹細胞を骨折治療に用いることで、骨折した骨に幹細胞が集まり手術後の治癒を早める効果があります。
■ワンちゃんの骨折 治療方法の比較
治療方法 | 治療内容 | 特徴 |
---|---|---|
ギプス固定 (副子固定法) |
グラスファイバーやシーネを用いて固定する方法 | 手術が必要ない場合や手術が難しい箇所の骨折、手術までの間などに行われる | プレート固定法 | 手術をして骨をチタンプレートなどの金属の板とネジで固定する方法 | 骨折した骨を元の形に戻す(整復する)。早期回復が見込める。安静管理が難しいワンちゃんにも有効 | 創外固定法 | 皮膚の外からピンを刺して骨を固定する方法 | 足の細いワンちゃんなど、プレートが圧迫して血行障害が生じる可能性がある場合に用いられる | 細胞治療 | 手術の際に採取した脂肪細胞から脂肪幹細胞を培養し、点滴で体内に注入する | 手術と併用して用いられる補助的な治療法。手術後の治癒を早める効果がある |
愛犬が骨折で手術や入院が必要になった場合、飼い主は早期の回復を目指して治療やワンちゃんの生活のサポートを行う必要があります。
■手術前に気をつけること
手術前の検査の際には、これまで病気やケガをしたことがあるか、現在服用している薬はあるかなどの既往症に関することと、定期ワクチンの接種状況を獣医師に伝えましょう。
また、手術の数日前から抗生物質の投与を指示されたり、食事や飲水の制限などを伝えられたりすることがあります。獣医師の指示に従うとともに、不明点や不安な点は手術前に聞いておくと安心です。
■犬の麻酔について
ワンちゃんの手術は全身麻酔で行うのが一般的です。安全に麻酔を行うため、手術の前には血液検査やレントゲン検査、心電図検査などが行われます。結果によっては、その他の検査が行われることもあります。不安な場合は、事前に手術前に行う検査の方法と内容について獣医師に確認しましょう。
■手術後に気をつけること
手術後は、なるべく興奮させないように気をつけます。帰宅の際にはさらなるケガを防止するために、キャリーケースに入れるなど注意を払いましょう。退院後の自宅での生活においては、次の点に気をつけます。
手術後の食事や水の量が多すぎたり、運動量が多すぎたりすると、吐き気を起こしてしまうことがあります。傷口は、抜糸までに炎症などが起こらないよう毎日確認しましょう。
手術後の生活や服用する薬については獣医師の指示に従い、不明点やワンちゃんの体調不良が見られる場合には病院に連絡して確認することが重要です。
骨折の手術は整形分野になります。整形手術は、感染症などのリスクも高く特殊な機械や技術が必要になってきます。また、手術後の管理もとても大切になってきます。手術後に術創を清潔に保たないと感染が生じてしまい、もう一度、手術が必要になる・・・などのトラブルもあります。手術後はお家で管理できるまで、入院をして、安静に過ごすことが必要になります。担当の先生とよく相談し、手術前から退院、退院後の管理を相談してください。
手術・退院後から回復までの間、骨折前と同じ生活が難しいこともあります。排泄のサポートが必要なケースもあるでしょう。排泄のサポートが必要になる場合は、ワンちゃんが自分で立ちトイレができるようになるまで誰かが介護をすることになります。
手術後しばらくしてシャンプーをさせたくなったときには、まず担当の獣医師に確認しましょう。手術後のシャンプーやトリミングを行う動物病院もあります。不安な場合にはこのようなサービスを利用すると安心です。
骨折した箇所が回復して元気になったとしても、術後初めての散歩については時期や注意点を獣医師に確認し、指示通りに行います。そのほか、抱っこは控える、ソファーやベッドから飛び降りないようにしつけるなどしてケガの予防に努めましょう。
ワンちゃんが回復してきたら、獣医師の指示のもとリハビリを開始します。リハビリは必ず行わなければならないものではありませんが、適切なリハビリによって機能回復を早めることができます。
骨折後は、運動量や食事量の変化から筋力の低下や体重の増加などでケガのリスクが高まってしまうため、なるべく早期に行うのが望ましいでしょう。リハビリは動物病院のリハビリテーション科などで行います。
リハビリはマッサージやストレッチ、エクササイズ、振動マシン、水中トレッドミルなどから、状態にあった方法を選択し計画を立て実施されるのが一般的です。
リハビリ中は、自宅でもマッサージをするとワンちゃんに安心感を与えられます。手のひらでやさしく触れるだけでも、じんわりと身体を温められワンちゃんも心地よくなるでしょう。早期のリハビリが重要とはいえ、急に激しい運動をさせないように注意しましょう。
最近は、動物の骨折手術後のリハビリ技術のレベルが上がってきています。自宅でできるリハビリから施設で行うリハビリまであります。術後の管理をしっかりすることで、日常生活により早く戻ることができるでしょう。ぜひ、リハビリテーション科の先生や看護師さんに指導を受け自宅でも実施してみてください。リハビリ専門の施設もありますので、調べてみるのもいいかと思います。
動物病院によって異なりますが、骨折の治療費は手術代を含め約15万円~約40万円前後が相場のようです。
ワンちゃんの治療費は、人間とは違い全額自己負担です。骨折にかかる治療費も、飼い主が自己負担して支払わなければなりません。家計への負担を抑え、安心して愛犬に治療を受けさせられるよう、ペット保険への加入を検討してみるのもよいでしょう。
愛犬が安全に暮らせるように、飼い主が予防に努めることも重要です。毎日の生活の中で骨折が起こらないよう、次の点に気をつけましょう。
フローリングや段差など、安全そうな家の中にもリスクは潜んでいます。
前述した通り、フローリングの床はワンちゃんにとってとても滑りやすく危険なものです。ペットが滑らないように開発された床材や、ペット用フロアマットなどを活用して「滑る場所を作らない」ようにしましょう。子犬は、足の関節や骨、肉球などがまだしっかりと成長していないため、滑って転倒しやすくなることがあるので、注意が必要です。
階段も同じく滑り止めマットを敷くなどして転倒防止対策を行いましょう。ベッドやソファーの段差からの飛び降りも、骨折の原因になり得ます。背の低いベッドやソファーに買い換えるか、犬用のステップやスロープを用意して足腰への負担を軽減しましょう。
滑り止めのラグを敷くなど、「愛犬がケガをしない家づくり」が大切
玄関、室内、建具のドアも注意したい場所です。ドアに足や身体を挟まれることで骨折する可能性があります。シニア犬(老犬)は、運動機能の低下から挟まれるリスクも高まります。ドアにはストッパーを設置し、ドアの開閉時には十分に気をつけて骨折を予防しましょう。
階段やキッチンなど、ワンちゃんに危険がある場所には足を踏み入れないようにバリケードをするのも方法です。
飼い主とのスキンシップが原因で骨折することもあります。とくに気をつけたいのが抱っこをするときです。安全に抱きかかえているつもりでも、ワンちゃんが驚いたり興奮したりして突然腕からすり抜け落下してしまうこともあるでしょう。
必ず座っている状態で抱っこをする、興奮しないように普段から抱っこをして慣れさせておくなどの対策が必要です。
お子さまとワンちゃんが同居している場合、ワンちゃんの扱いをお子さまに教えておくことも大切です。ワンちゃんに触ろうとして誤って踏んでしまったり、抱き上げようとして痛い思いをさせたりしてしまわないよう、日ごろから気をつけたいポイントを伝えておきましょう。
散歩時には、交通事故や他のワンちゃんとのトラブルなど、家の中とは異なるリスクが存在しています。
首輪に緩みがないか、リードが壊れたりちぎれそうになっていたりしないかよくチェックしてから外に出ましょう。散歩中はリードを短めに持ち、急な飛び出しを防げる体制をつくっておきます。
散歩中は、とくに交通事故など不慮の事故が発生しやすいことを念頭にいれ、いつでも愛犬を守れるよう気を配り、目を離さないようにしましょう。
0歳のワンちゃんでも、骨折して治療が必要になることもあります。ワンちゃんを迎えたときから、日常の中にも愛犬にふりかかるリスクがあることを理解して、予防に努めることが重要です。
もし骨折してしまったときには、すぐに動物病院で治療を受けましょう。自然治癒では骨が変形してくっついてしまい、回復後にも歩行や運動に影響がでてしまうことがあります。
何より、今一度自宅内の環境やスキンシップの方法を見直して、大切な愛犬の骨折を予防できるような暮らしを心がけるようにしましょう。
関東周辺の動物病院で獣医皮膚科診療を中心に動物の診療を行っております。
また、動物病院にて診療に従事する傍ら、麻布大学の生理学第2研究室で院生として、動物の皮膚治療の研究を行っています。動物と皮膚が好きな獣医師です。
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(掲載開始日:2022年6月2日)
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