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いつも元気いっぱいの愛犬の様子がおかしい…。しかも下痢をしていたら、不安になる飼い主さんは多いでしょう。犬が下痢をする原因は? すぐに病院に連れて行くべき? 獣医師で「こうご動物病院」の院長である向後亜希さんに、犬が下痢をする原因とその対処法、病院に連れて行く判断基準について、話を伺いました。
愛犬の健康状態は、いくら一緒に暮らしていても、なかなか把握しづらいもの。ただ、そのなかで気づきやすい症状の1つがお腹をくだしてしまうことです。散歩の途中で突然下痢をしてしまったり、緩めの便が何日か続いたり、それは愛犬の体に異常をきたしている信号に他なりません。では、犬が下痢をする原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
「軽い下痢の場合は、単純にご飯が合わなかったり、季節の変化に体がついていけなかったりといったケースが多いですね。ただ、症状が重い場合は腸の異常が考えられ、その他にもウィルス性の下痢や子犬によく見られる寄生虫による下痢などもあります。また、住環境が変わるなど、ストレスによって下痢になってしまうこともあります」
愛犬が下痢をしてしまったとき、第一に考えるのは「何か変な物を食べたかも……」ということではないでしょうか。たとえば散歩中に拾い食いしてしまったり、間違って古くなったドッグフードをあげてしまったりということも……。
「古くなったドッグフードも下痢の原因になりますし、たとえ賞味期限内でも、開封して時間が経つと酸化が進み、それが原因になってしまう場合もあります。ただ、犬も人間と同じようにそれぞれ体質が異なりますので、お腹の強い子もいれば弱い子もいます。たとえば、犬には牛乳を分解する酵素がないため、牛乳を飲むと下痢をしてしまう可能性が高まりますが、必ずしも下痢になるとは限りません。何を食べたときに下痢をするのか、普段からよく見ておくことが大切です」
個体差もあるが牛乳で下痢になる犬も多くいる。普段から観察することが大切。
愛犬が下痢になるにはさまざまな原因が考えられますが、その原因によって症状は異なるのでしょうか?
「食べ物が合わないなどの単純な原因の場合は、比較的軽い症状が多いです。ただ、血便が出ていたり、下痢の状態が慢性的に続いたりするなど症状が重い場合は、重篤な病気にかかっている可能性もあり、血液検査や内視鏡検査などの詳しい検査が必要です。また、水下痢のように便の状態が緩いほど深く原因をさぐった方がよいでしょう」
犬が下痢をする代表的な原因に腸の異常がありますが、小腸と大腸で症状が変わる場合もあるそうです。
「必ずしもそうとは限りませんが、たとえば血便が出た場合、小腸の異常は血の色が変色して黒っぽい便が出る。赤い血便の場合は大腸の可能性が高くなります。また、小腸に異常があるときは下痢の他に嘔吐をともなうことが多いですね」
愛犬が下痢をしてしまったら、飼い主さんは不安になり、すぐに病院に連れて行った方がよいか悩む方もいるでしょう。ただし、症状によっては、少し様子を見るだけでも問題ない場合もあります。
「飼い主さんが下痢に気づいたとき、血便が出ていたり、あまりにも頻繁に下痢をしたりするような状態でなかったら、とりあえず2〜3日くらいは様子を見てから判断しても構いません。何か食べ物が合わないなどの軽い原因の場合は、2〜3日で自然と治ることもあります。ただし、下痢の状態が何日も続くような慢性の下痢は、重篤な病気の可能性もありますので、2〜3日経っても治らなかったら獣医師に診察してもらったほうがよいでしょう」
いつも通り元気で食欲もあるのに、便をすると下痢というケースもあります。その場合も2〜3日程度なら様子を見てからでも大丈夫とのこと。けれど、明らかに体が弱っていたり、下痢だけではなく嘔吐したりするときは、すぐに病院に連れて行ったほうがよいそうです。
「腸内で出血を起こしていると貧血になることもあります。痛みによって震えているなど、明らかに様子がおかしい場合は、すぐに病院に連れていってあげてください」
明らかに様子がおかしい場合はすぐに動物病院に。
下痢の症状が比較的軽い場合は、すぐに病院に連れて行かずに家で様子を見ても問題ないとのことですが、それは成犬に限った話だそうです。
「子犬の場合は大人に比べて体力がないので、あまり家での様子見はおすすめできません。子犬は寄生虫による下痢にかかりやすく、ウィルス性の下痢にも感染しやすいので、具合が悪くなったらすぐに獣医師の診断を受けてください。できることなら、健康な状態でも1カ月ごとに検診を受けたほうがいいですね。そのときに便の検査もすれば、寄生虫の卵が見つかる場合もあります」
体力がなくなっているといえば、シニア犬も当てはまりますが、シニア犬の場合はどうなのでしょう。
「やはりシニア犬も早めの診断をおすすめします。仮にシニア犬で血便が出ていたら、腫瘍などの重篤な病気の可能性が考えられます。人間と同様に早期発見が大切なので、下痢をして具合が悪くなったら、病気の進行が進む前に早めに診断を受けましょう」
愛犬の散歩をしているとき、少し目を離した隙に途中で落ちている物を食べてしまったなんてことはありませんか? 何かクンクン匂いを嗅いでいたと思ったら、いきなりパクッなんていうのもありがちなこと。そうした拾い食いは下痢を引き起こす原因になるばかりか、思わぬ病気や事故につながりかねません。
「犬が食べたらいけない食べ物は多くあります。代表的なものがタマネギやニラ、干しぶどうやチョコレートなどです。これらを食べるとさまざまな病気になることがあるので注意が必要です」
もちろん、犬が自分で判断して食べてはいけない物を避けることなどできませんから、飼い主さんがしっかりとケアしなければなりません。けれど、四六時中ずっと見ているわけにもいかず、万が一それらの物を食べてしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
「食べた量にもよりますが、まずは病院に連絡して相談することをおすすめします。わずかな量であれば様子を見るだけで大丈夫なときもありますし、大量のチョコレートのように、場合によっては命の危険となることもあります。食べ物の場合、時間が経つと吸収が始まってしまうので、食べているのを見つけたら、すぐに連絡してください」
では、おもちゃやビニールなど、食べ物以外の物を口に入れてしまった場合はどうでしょうか? おもちゃを噛んで遊んでいるうちに誤って飲んでしまうケースもないとは限りません。
「その場合もまずは病院に連絡することが大事です。お腹に詰まってしまう物の場合は吐かせる必要がありますが、決して個人で吐かせようとするのではなく、病院に連れていき、獣医師に対処してもらうことをおすすめします」
下痢の症状が軽い場合は、家で2〜3日様子を見るといっても、やっぱり愛犬の様子が心配になりますよね。本当に大丈夫なのか、自分にできる看病はないのか。愛犬が下痢になったとき、家でできるケアはどうすればよいのでしょうか。
「まず行うのは、ご飯を与えないことです。1日の食事の回数はご家庭によって異なると思いますが、24時間くらいは抜いた方がよいでしょう。たとえば、ご飯が朝晩の場合は、丸1日食事を抜き、次の日の朝に軽めの食事をあげます。そのとき、ドライフードを水でふやかすなど、お腹に優しい食事を心がけましょう」
症状の軽い下痢の場合は、1日食事を抜くだけで症状が改善されるケースもあるそうです。ただ、食事を抜くといっても、水はこまめにあげるようにしましょう。
「下痢になると体内の水分がなくなり脱水症状を起こしてしまう場合があります。それを防ぐためにもこまめに水を飲ませてあげましょう。そのとき、犬はお腹をすかせているので勢いよく水を飲むかもしれません。そのため冷たい水ではお腹を冷やしてしまいますので、必ず常温の水をあげるようにしてください」
普段から愛犬の様子をよく見てあげていたら、どの食べ物が原因で下痢になったかわかる場合もあります。たとえば、ドッグフードを変えて下痢になれば、その新しいドッグフードが怪しいですよね。そうして原因の可能性がある食べ物がわかったら、その食べ物を与えないことも正しい対処法のひとつです。
「ドッグフードを変えて下痢になった場合、とりあえず24時間食事を抜き、その後回復食を与えながら、前のドッグフードに戻してみるとよいでしょう。ドッグフードのなかにはさまざまなものが入っているので、その1つにアレルギー症状を起こして下痢の原因となったとも考えられます」
ドッグフードに含まれるさまざまな成分。許容量を超え、アレルギー反応を起こすことも。
普段と変わらない食事やおやつを与えていても突然下痢になるケースもあります。なぜなら、アレルギー症状のなかには、同じものを食べ続けることで体内にアレルギー物質が溜まり、それが一定の許容量を超えたら発症する場合もあるからです。
「今まで問題なく食べていたドッグフードだからといって、アレルギーを引き起こさないとは限りません。このおやつを食べたときだけ下痢をするとか、ドッグフードのこの種類のときだけお腹をくだすなど、普段から愛犬の様子をよく見ることで下痢の原因を特定しやすくなります」
最近は愛犬の腸内環境を整えるサプリメントなどもたくさんあるとのこと。それらのサプリを与え、さらに常に愛犬の様子を観察することで、愛犬が下痢にならないようにしっかりとケアしてあげましょう。
獣医師。西洋医学だけではなく、自然療法、ホリスティック療法にも理解が深く、鍼灸・漢方をとりいれた治療も行っている。高度な栄養療法も学ぶなど、ペットフードの選び方や手作り食のお悩みも解決するなどペットのココロと体に優しい治療をモットーにしている。
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(掲載開始日:2019年6月3日)
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