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猫が吐くときの原因は? 病気の心配はない?

猫が吐くときの原因は? 病気の心配はない?

かわいがっている猫が急に吐いたりすると、びっくりすると同時に、心配でたまらなくなりますよね。猫はどうして吐くの? 吐くのは病気が原因? 猫の嘔吐の原因や、あまり心配のない嘔吐と危険な嘔吐の見極め方、嘔吐にかかわる病気と対処法に関して、獣医師で「こうご動物病院」の院長である向後亜希さんに教えてもらいました。

あまり心配のない嘔吐と危険な嘔吐、その見極めは?

毛玉を体外に排出するために吐いているのならそれほど心配はない

猫を飼いなれている人はともかく、飼い始めたばかりの人は、愛猫が吐くのを見て、びっくりした経験があるかもしれません。でも、猫が吐くのは、必ずしも深刻な原因によるものとは限らないそう。

「犬と違って、頻繁に毛づくろいをする猫は、どうしても胃のなかに毛がたまりがちです。それで、胃のなかにたまった毛を「毛玉」として嘔吐することがあるのです。あまりたくさんの毛がたまってしまうと、胃腸などの消化器を通過するときの障害になったり、食欲不振の原因になったりするので、便や嘔吐物の形で体外に排出するのは必ずしも悪いことではありません」

逆に、愛猫が毛玉を吐かなくても、個体差があるので、特に心配する必要はないとのこと。ただし、やはり、できるだけケアはしてあげましょう。

「特に長毛の猫などは毛玉がたまるリスクがより高いので、普段からまめにブラッシングをし、ドライフードを毛玉コントロール用にすることをおすすめします」

毛玉を吐くのは猫の習性ですが、ブラッシングなどでできるだけケアしてあげましょう

毛玉を吐くのは猫の習性ですが、ブラッシングなどでできるだけケアしてあげましょう。

緊急性が高く病気の可能性があるのは食欲不振をともなう嘔吐

猫は、胃のなかに毛玉がたまること以外にも、フードの食べ過ぎなどによって、吐くことがあるそうです。これらが原因の嘔吐ならまず問題ありませんが、なかには病気の兆候といえる緊急性の高い嘔吐も。

「わかりやすいバロメーターのひとつが“食欲”です。たとえ吐いても、食欲があれば、それほど心配をしなくてもよいでしょう。ところが、食欲がなく、1日のうちに何度も嘔吐をくり返したり、嘔吐物に血が混じって茶褐色に見えたりする場合には、体のどこかに問題を抱えている可能性が疑われます。病気の他、猫が本来食べるべきではない物を飲み込んだということも考えられるでしょう」

実は、人間が食べられる物でも、猫が食べてはいけないものは少なくありません。

「代表的なところでは、ネギ、玉ネギ、ニンニク、ニラなどのネギ属の野菜、ハーブ類やアボカド、チョコレートなど。青魚やイカ、貝、エビなどの魚介類も注意が必要です。人間の食べ物以外でも、観葉植物や工業製品などを飲み込んでしまうケースもあります」

猫が食べてはいけない代表的な物

危険な兆候のある嘔吐に気がついたときには、飼い主はどのように対処すればよいのでしょうか?

「猫は犬以上にストレスを感じやすいため、動物病院に連れてくるのをためらう飼い主さんも多いですが、様子を見ているうちに症状が悪化するケースも少なくないので、できるだけ早く受診することをおすすめします」

吐くことから考えられる猫の病気の種類とは?

胃腸炎、胃潰瘍など、消化器系の病気が原因に

愛猫がくり返し吐いて、食欲もないようなら、何かの病気にかかっているのかもしれません。特に内臓疾患を抱えている場合には、嘔吐が症状としてあらわれることがあります。その内臓疾患のひとつが、消化器系の病気です。

「嘔吐につながる消化器の病気としては、食道炎や胃炎、胃潰瘍、腸炎などがあります。また、各消化器に発生したがんも、原因として考えられるでしょう。いずれの病気の場合も、まず動物病院で受診してください。場合によっては、レントゲン、エコー、内視鏡などで、詳しく検査します。

胃腸炎などでは吐き気止めや下痢止め、粘膜保護剤、抗生物質や整腸剤などを利用して治療します。胃潰瘍では、胃酸の分泌を抑えるために制酸薬や抗ヒスタミン薬などを投与する他、手術で患部を切除することもあります。

いずれの病気も他疾患が原因となっている場合があるので、その有無についても確かめておくことが重要です」

猫がかかりやすい腎不全は、定期健診で予防を

嘔吐につながるのは、直接的な消化器の病気だけではありません。腎不全などの泌尿器系の病気も、嘔吐の原因になることがあります。

「泌尿器系の病気のなかでも、猫がかかりやすいのが腎不全です。腎不全は、腎臓の機能が低下する病気です。腎臓の機能が低下すると、本来排泄されるべき老廃物が体内に残るようになってしまいます。その結果、血液検査では尿素窒素(BUN)やクレアチニンの数値が上昇し、嘔吐や食欲不振、体重減少、多飲多尿といった症状が現れます」

愛猫が腎不全になってしまったら、どのような治療が必要になるのでしょうか?

「実は、一度失われた腎臓の機能は取り戻せないため、慢性の腎不全を完治させることはできません。それでも、点滴や食事療法などによって進行を遅らせることは可能なので、動物病院で受診してください。猫の慢性腎不全は、6歳を超えると症例数が急増します。それ以前から、半年に1回程度定期的に健康診断を受けるなどして、予防に努めましょう」

定期健康診断が必要なのは猫も人間も同じ。愛猫のために定期健診を

定期健康診断が必要なのは猫も人間も同じ。愛猫のために定期健診を。

膵炎、肝炎、甲状腺機能亢進症などの可能性も

嘔吐の症状を引き起こす病気は、その他にもあります。向後さんに、さらに話を聞かせてもらいました。

「膵炎や肝炎、また甲状腺機能亢進症などを患っているときも、嘔吐の症状が現れることがあります。

膵炎は、高齢の猫に多く見られる病気です。膵臓が炎症を起こすことで、膵臓の酵素が漏れ、膵臓そのものや周囲の臓器を傷つけます。嘔吐の他、下痢や脱水症状を起こし、糖尿病につながることも。治療には、タンパク分解酵素阻害薬や抗炎症剤、鎮痛剤などが使われます。

肝炎は、さまざまな理由で肝臓が炎症を起こし、肝臓の機能が低下する病気です。食欲不振や体重減少、多飲多尿などに始まって、嘔吐、黄疸、腹水の症状に進み、炎症が広がると肝硬変や肝不全に至り、腎不全同様、治療は難しくなります。発症後は薬物療法と食事療法で対処し、家庭では安静にして回復させます。早期発見につなげるために、定期健診を受け、重症化のリスクを減らすことを心がけたいところです。

甲状腺機能亢進症は、10歳以上のかなり高齢の猫に多く見られる病気です。なんらかの理由で喉の甲状腺から過剰に甲状腺ホルモンが分泌され、嘔吐、下痢、多飲多尿などの症状を引き起こします。食欲に関しては、不振になる猫もいれば、増進する猫もいて、個体差があるようです。抗甲状腺薬の投与や、手術による甲状腺の切除、食事療法などによって、治療を行います」

愛猫が日常的に吐くのを防ぐためには?

毛玉ケアのフード&ブラッシングが有効

冒頭で向後さんからのお話にあったように、猫が毛玉を吐くのは必ずしも悪いことではありません。むしろ、そのまま胃のなかにためておく方が不調の原因になることもあるため、体の自発的な調整機能という側面もあるそうです。それなら、毛玉の嘔吐は、放置しておいてもよいのでしょうか?

「毛玉を吐く回数があまりにも多い場合には、胃や腸に負担がかかりますから、心配なら対処した方がよいでしょう。まずは、ブラッシングをしっかりしてあげることです。そうすれば、毛づくろいの際に胃のなかに入る毛が減り、嘔吐の回数も減るでしょう。

また、毛が便とともに体外に排出されやすくなるよう、毛玉コントロールのフードを与えるのも有効です。吐く回数が多い猫ばかりでなく、長毛なのに嘔吐しない猫に与えれば、胃のなかの毛玉を体外に出すのを助けてくれます」

早食い・丸飲みを防ぐには、1回のフードの量を少なめに、何回かに分けて与えよう

毛玉の排出、異物の誤飲・誤食、病気以外の原因でも、猫はしばしば嘔吐します。心配ですがその理由は食べ方にあるそうです。

「よくあるのは、早食い・丸飲みによるものです。フードをかき込むようにして食べるタイプの猫に、一度に大量のフードを与えると、ほとんど噛まずに丸飲みしてしまい、少し時間が経ってから、吐き戻すことがあります。

これも毛玉の嘔吐と同じで、ほとんど心配のないものですが、頻繁にくり返す猫の場合には胃腸に負担がかかる可能性も。愛猫にこうした傾向が見られるようなら、フードをまとめてあげたり、出しっぱなしにしたりせずに、1回の量を少なくして、何回かに分けて与えるようにしましょう」

凄く心配していたのに原因が早食いということも

凄く心配していたのに原因が早食いということも。

空腹やストレスから、嘔吐につながることも

愛猫が嘔吐をしたけれども、毛玉もフードも見つからず、胃液っぽいものがこぼれているだけ。普段から早食いでもない。そういう場合は…。向後さんに解説してもらいました。

「内容物がなく、胃液だけを嘔吐している場合、病気でなければ、胃酸過多を起こしていると考えられます。胃酸過多の原因は、大きく2つです。

1つは、空腹によるもの。長時間食べ物をとらずに、胃のなかが空っぽになっていると、胃液が逆流してしまうことがあるのです。これを防ぐためには、時間を決めて定期的に、もしくは1回の量を少なくして、何回かに分けるのを原則としてフードを与えるとよいでしょう。

もう1つの原因が、ストレスです。猫は敏感な動物で、引っ越しや模様替えなどの住環境の変化や、赤ちゃんや新しい猫が家族に加わるなどの家族関係の変化をストレスに感じることが少なくありません。その結果、胃酸が過剰に分泌し、逆流を起こすのです。対処法としては、慣れ親しんだお気に入りのものを使用したり、愛情を十分に示してあげたりするなど、変化のなかでも猫が安心して過ごせる環境づくりに努めてください」

監修者情報

こうご動物病院 院長 向後 亜希(こうご あき)

獣医師。西洋医学だけではなく、自然療法、ホリスティック療法にも理解が深く、鍼灸・漢方をとりいれた治療も行っている。高度な栄養療法も学ぶなど、ペットフードの選び方や手作り食のお悩みも解決するなどペットのココロと体に優しい治療をモットーにしている。

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(掲載開始日:2019年6月3日)

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