保険募集代理店の楽天インシュアランスプランニング(株)が運営するサイトです。こちらのサイトでは楽天グループの保険商品をおすすめしています。
その他の保険会社の商品を検討中の方は楽天保険の比較をご覧ください。
※このページでは楽天保険グループの保険商品をお薦めしています。
飼い犬が他人や他の犬を噛んでケガをさせてしまったときには、誠意のあるお詫びに加え、治療費、入院費、慰謝料などの損害賠償金の支払いが必要になる可能性があります。損害賠償金は数万円で済むこともあれば1,000万円を超える高額な金額になるおそれもあるため、しっかりと備えておく必要があります。飼い犬が噛みつきや飛びつきで事故を起こすリスクには、どのような対策があるのでしょうか?保険による備えについても紹介します。
日常生活のなかで、愛犬が人や他の犬へケガをさせてしまうリスクはゼロではありません。たとえば、「散歩中に近所の人が頭をなでようとしたところ手に噛みついた」「ドッグランで興奮し他の犬へ噛みついた」など、思いがけないタイミングで愛犬が人や犬にケガを負わせてしまうことがあります。
飼い犬による噛みつき事故の具体例
噛みつきによるトラブルはどのくらい起きているのでしょうか?また飼い犬が人や他の犬にケガをさせてしまったときにどのような対応が必要なのでしょうか?具体的にみていきましょう。
環境省の「動物愛護管理行政事務提要(令和3年度版)」によると、以下の図のように犬による咬傷事故(噛みつき事故)の件数は、2019年までは4,000件台前半~4,400件台でしたが、直近のデータである2020年に起こった犬による噛みつき事故は4,600件台と大きく増加しています。しかも、噛みつきを行った犬のうち9割以上は飼い犬でした。また、人以外へ噛みついて死亡させているケースも存在します。
犬による噛みつき事故の発生件数の推移
事故の発生した状況や原因も確認すると、ノーリードで散歩中の事故はもちろん、リードをつけているにもかかわらず噛みつき事故に発展したケースもあります。リードが長すぎたり、何らかの理由で飼い犬を制御できなくなってしまったりすることが原因です。
また、散歩中の犬を他人がなでようとした際、驚いて噛みついてしまったなどの事例などもあります。さまざまなシーンで噛みつき事故が起きていることからも、ご自身の飼い犬による噛みつき事故はぜったいに起こらない、とは言い切れないでしょう。
飼い犬が噛みつきや飛びつきで人や他の犬にケガを負わせてしまったときには、誠意を持った対応が必要であると同時に、ケガの治療費を負担や、賠償金の支払いなども必要になってくることがあります。十分な対応ができなければ、さらなるトラブルへ発展する可能性もはらんでいます。
万が一、犬が「他人」を噛んでしまったとき、まず必要なのは被害者の応急処置です。ケガの手当を行い、病院へ行くか、ケガの程度によっては救急車を呼ぶなどの対応が必要になるでしょう。
さらに、「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」第29条によると、飼い主は24時間以内に、保健所や動物愛護相談センターなど地域で決められている届出先へ、事故が発生したことを届け出なければいけません。事故発生届出書へ必要事項を記入し提出しましょう。必要な届出をしない場合や虚偽の届出をした場合には、拘留されるか罰金を支払わなくてはなりません。
あわせて事故発生から48時間以内に、狂犬病の有無を確認するため動物病院を受診しなければならないと定められています。このとき狂犬病予防注射が済んでいるかを正しく申告しましょう。動物病院を受診しない場合は5万円以下の罰金が科されます。
紹介したのは東京都の条例ですが、各自治体で飼い主に求めるルールを定めているため、確認しておくと良いでしょう。
飼い犬が「他の犬」に噛みついてしまったときには、応急処置を行い動物病院で受診してもらいます。連絡を取り合えるよう、電話番号やメールアドレスも忘れずに聞いておきましょう。
あわせて保健所への届出も行います。人への噛みつきのように義務として定められているわけではありませんが、速やかに届け出るようにしましょう。
飼い犬が人や他の犬を噛む事故を起こしたとき、その責任は飼い主が負います。発生する法的責任は、大きくわけると「民法上の責任」と「刑法上の責任」の2種類です。それぞれの責任について内容をおさえる必要があります。慰謝料の相場や賠償金支払いまでの流れも紹介します。
愛犬が人や他の犬を噛んだときには、まずお詫びが必要ですが、同時に飼い主として民法や刑法にもとづき責任を果たさなければいけません。
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない(民法第718条)。
民法第718条によると、飼い犬が他人へケガをさせたときには、損害賠償をしなければいけません。たとえば以下の費用を負担します。
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する(刑法209条)。
刑法第209条によると、飼い犬の噛みつき事故によって過失傷害罪で訴えられた場合には、飼い主には30万円以下の罰金か科料が科されます。
飼い犬が他人や他の犬を傷つけたとき、治療費や通院費、慰謝料などの損害賠償金額はいくらくらいが相場なのでしょうか?実際の判例を見てみましょう。
■咬傷事故の判例
年月日 | 損害賠償額 | 判例内容 | 裁判所名 |
---|---|---|---|
平成15年 10月24日 |
40万円 | 犬に噛まれた当時小学5年生の被害者が傷を負い後遺障害が残ったため、飼い主に対し支払い命令が出た。 | 広島高等 裁判所 |
平成14年 1月11日 |
74万3,434円 | 営業先の会社で飼われていた中型犬に腕を噛まれ傷を負った事故では、治療後もしびれや醜状瘢痕(ひどい傷跡)などの後遺障害が残ったため飼い主に対し支払い命令が出た。 | 京都地方 裁判所 |
平成30年 3月23日 |
1,284万5,130円 | ランニング中の被害者が、飼い主の手からリードが離れた状態の飼い犬が現れ転倒し、腕や顔面などにケガを負い入院。後遺障害による慰謝料に加え、事故前に決まっていた昇進や昇給が白紙撤回されたことにより発生した損失なども合わせ、飼い主に対し支払い命令が出た。 | 大阪地方 裁判所 |
損害賠償金額は数十万円のこともありますが、ケガや後遺障害により得られたはずの利益が得られなかった場合には、数千万円の支払いを命じられることもあります。飼い主が噛みつき事故で損害賠償請求された場合の補償を受けられる保険へ加入していれば、損害賠償金が高額になったときにも保険金で支払うことができます。
ただし飼い犬が噛みつきケガを負わせたのが、被保険者の父母・配偶者・子どもなどの家族である場合には、保険へ加入していても保険金は受け取れません。
「うちの子は大丈夫」と過信しないことが大切
実際に噛みつき事故が起きた過去の例を見てみると、「うちの子は人慣れしているから大丈夫」「小型犬だから大きな被害は出ない」とは言い切れないことがわかります。目を離した一瞬の隙に、相手に肉体的にも精神的にも一生残るような深い傷を負わせてしまうかもしれません。
賠償金の金額は事故が起きた状況などによって大きく変わり、数万円程度で済むこともあれば1,000万円を超える場合もあります。「わが家には関係ない」と思わず、「もしも」に備えて対策しておきたいところです。
前述のように、愛犬が他人や他の犬に噛みつき傷つけてしまうというリスクはさまざまなシーンであります。万が一の事態に備えるために役立つ「保険」や「しつけ」について説明します。
飼い犬による噛みつき事故に備えるには、ペットが人や他の犬にケガをさせ損害賠償責任を負った場合に補償される保険へ加入する方法があります。万が一事故が発生してしまったときに保険によって治療費を支払ったり損害賠償などに対応したりすることができます。噛みつき事故に対応している保険として、一般的に以下の4種類があります。
なお、具体的な補償内容は保険会社によって、それぞれ異なります。
ペット保険は飼い犬や飼い猫などペットの病気やケガに備える保険です。商品の中には、賠償責任特約をつけられるものもあります。1事故で支払われる保険金の上限額は500万円や1,000万円が相場です。
誤って人を傷つけたりものを壊したりしたとき、損害を補償する個人賠償責任保険でも、飼い犬の噛みつき事故に備えられます。1事故につき国内無制限・国外1億円や3億円を限度に保険金が支払われる商品があります。
火災保険や自動車保険にも、賠償事故に備えられる特約をつけられる商品があります。1事故につき国内無制限・国外1億円、もしくは3億円を限度に保険金を受け取れる商品が多いでしょう。
クレジットカードに付帯している個人賠償責任保険でも、ペットの噛みつきによる賠償事故に備えられる場合があります。保険金額は最高1億円が相場です。
ペットの事故に備える保険加入のポイントとは?
あまり知られていませんが、飼い犬の噛みつき事故に備えられる保険は何種類も存在します。前述の保険以外にも、自転車保険や傷害保険などに特約としてついていることもありますし、保険会社によって特約の名前が違うためわかりにくくなっている場合も。
新たな保険への加入を検討する前に、まずは今入っている保険の保険証券や約款を確認して、すでにカバーできている状態になっていないか確認してみるのがおすすめです。判断が難しい場合は、保険代理店や保険会社のコールセンターなどに問い合わせれば教えてもらえます。
過去の判例からみれば「賠償できる金額の上限が1,000万円超+示談交渉つき」のものがより安心でしょう。月100円~300円程度の保険料で加入できることが多いですよ。
犬の噛みつき事故は飼い主の責任です。刑法上の責任や民法上の責任を負う可能性があり経済的・精神的な負担は大きくなります。万が一の事故に保険で備えるだけでなく、事故が起こらないようしつけによる予防も欠かせません。
たとえば散歩をするときには必ずリードへつなぎます。とっさの行動に対処できるよう、リードを短めに持つと安心です。自宅にいるときも、飼い犬が誤って外へ出ないよう工夫します。屋内で飼っているなら飛び出し防止の柵が有効です。屋外なら門を閉め、塀から口が出ないよう隙間を埋めましょう。
噛みぐせがあると分かっているなら、訓練士・獣医師などの専門家へ相談するのもひとつの方法です。
前述のとおり、保険への加入は飼い犬の噛みつき事故が起きた場合に役立ちますが、いくつか注意事項があります。
飼い犬が人や他の犬に噛みつく事故が起き、飼い主の過失によるものと判断されたときなどには損害賠償責任を負います。このとき話し合いで解決するために被害者や被害者側の保険会社と行うのが示談交渉です。
保険に加入していると、示談交渉サービスがついているケースもあります。保険のプロが交渉にあたることで、スムーズに話が進みやすいため、ついている保険を選ぶと安心です。
火災保険や自動車保険・クレジットカードなどの契約をよく見返すと、個人賠償責任特約や個人賠償責任保険がついていることがあります。調べてみると、すでに飼い犬による噛みつき事故に対応できる保険へ加入しているかもしれません。
個人賠償責任保険では実際にかかった費用のみが保険金として支払われます。そのため保険金の上限額1億円の保険を2つ契約していても、実際にかかった費用が5,000万円なら一方の保険からのみしか保険金は支払われません。
余計な保険料を支払う必要がないよう、重複して加入していないか注意が必要です。
この記事では、犬の噛みつき事故についてまとめました。愛犬が散歩中に頭をなでられたときなど日常の何気ないシーンで人や犬に噛みついてしまうリスクはあります。飼い犬が起こした事故は飼い主の責任となります。飼い主に過失のあるときには、損害賠償責任を負います。
飼い犬による事故に備えるには、保険への加入が役立ちます。ペット保険のペット賠償責任特約や個人賠償責任保険、火災保険・自動車保険に付帯の個人賠償責任特約・クレジットカード付帯の個人賠償責任保険などで備えられます。保険金の上限額は保険によって異なるため、比較しながら加入を検討しましょう。
あわせて示談交渉サービスや弁護士費用の補償などのある保険だと安心です。また複数の個人賠償責任保険へ加入していても、受け取れる保険金は実際に支払った金額のみです。重複により保険料を払いすぎることがないよう注意しましょう。
ばばえりFP事務所 代表
関西学院大学商学部卒業後、銀行にて金融商品の窓口営業に従事。
その後、保険代理店や不動産会社での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、難しいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。
<保有資格>
・AFP(日本FP協会認定)
・証券外務員1種
・秘書検定1級
など
このページを見た人におすすめの保険商品
このページを見た人によく見られているカテゴリ
R222201200
(掲載開始日:2023年4月4日)
2303149-2403