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犬のワクチン接種の選び方は?種類や費用、接種するスケジュールについても解説!

犬のワクチン接種の選び方は?種類や費用、接種するスケジュールについても解説!

大事な愛犬の健康管理として、危険な病気から身を守るのに効果的なのが、ワクチンの予防接種。大きく分けて狂犬病ワクチンと混合ワクチンの2つがあり、とくに混合ワクチンにはさまざまな種類が存在しています。また混合ワクチンでは、種類によって予防できる病気にも違いがあり、「結局どれを打ったらいいの?」というように迷ってしまいがちです。
そこで今回は、愛犬に接種するワクチンの選び方をご紹介。ワクチンの種類や必要な費用、適切な接種スケジュールから注意しておきたい副作用まで、わかりやすく解説していきます。

犬にワクチン接種は必要?ワクチンの種類も知っておこう!

注射を打たれる犬

愛犬との心地よい生活に向けて、まずはきちんと考えておきたいのが適切な健康管理。健やかな毎日を守るためには、病気を防ぐ対策が欠かせません。その一環となるのがワクチンによる予防接種で、飼い主の責任として忘れずに対応しておく必要があります。ではここから犬のワクチン接種がどれほど重要なのか、詳しくみていきましょう。

犬にワクチン接種が必要な理由

犬のワクチン接種は、愛犬にできるだけ健康に長生きしてもらうために、不可欠な予防治療です。ワクチンを打つことで、健康をおびやかす病原菌の抗体をあらかじめ生成できる効果があります。ワクチンによる病原菌の抗体があると、感染症を発症しにくくなったり症状が軽減されたり、場合によっては死にいたる病気を防ぐことができるケースも。また犬がかかる病気のなかには、狂犬病やレプトスピラなど人間にも共通する感染症もありますが、ワクチン接種で予防することが可能です。

このように人間にも感染する可能性が高い感染症なので、とくに狂犬病のワクチン接種は、国の法律(狂犬病予防法)によって義務化されています。

犬にワクチンを打たないとどうなるの?

犬のワクチンにはいくつかの種類があり、大きく分けると接種が義務であるものと接種が任意であるものの2つがあります。ではそれぞれワクチン接種をしなかった場合、どういったリスクがあるのか、以下から解説していきます。

狂犬病ワクチンを接種しなかった場合

前述のように、狂犬病ワクチンの接種は、法的義務のあるものです。したがって狂犬病ワクチンを打たないと法律違反となり、場合によっては20万円以下の罰金に処せられることも。たとえば狂犬病ワクチンを接種していないまま、人に咬みつくなどの危険な事故が起きた場合、飼い主の責任として罰則や起訴が生じる可能性もあります。また狂犬病ワクチンを打ったものの、その飼い犬に注射済票を装着していなかった際にも、違法として20万円以下の罰金が科せられます。

なお過去に副作用があった・アレルギーや疾患がある・高齢でリスクがあるなど、健康面や何か致命的な悪影響があるケースでは、例外的にワクチン接種が免除になることもあります。また病気や老齢の場合には、年度ごとにワクチン接種が猶予されるケースもみられます。ちなみに狂犬病ワクチンの免除や猶予には、獣医師による判断と、行政機関への認定書類の提出が必要です。狂犬病のワクチン接種で、何か不安があるときには、必ず動物病院を受診して相談するようにしましょう。

混合ワクチンを接種しなかった場合

犬のワクチンのなかで任意で接種できるものは、混合ワクチンと呼ばれます。混合ワクチンの接種には法的な義務はないので、たとえ打たなかったとしても、法律による罰則はありません。とはいえ混合ワクチンには、国内で発症している幅広い感染症を防げる効果が見込まれており、愛犬の病気予防として推奨されています。

混合ワクチンは、無毒化または毒性を弱めた、さまざまな病気の病原体をあえて体内に取り込ませるものです。そしてそれらの病気に対して抵抗できる抗体を生成し、病原体から体を守る免疫をつくり出すのが混合ワクチンの仕組みです。犬にとって重症化しやすい感染症を予防できる混合ワクチンは、愛犬の健康を守る手段として、非常に効果が高いとされています。

犬のワクチンにはどんな種類があるの?

ここまでにも出てきたように、犬のワクチンは、法的に義務化された狂犬病ワクチンと任意接種の混合ワクチンの2種類があります。とくに混合ワクチンには、さらに細かい分類があり、愛犬の飼い方に応じて接種すべき種類は変わってきます。では具体的にどのような種類があるのか、以下で詳しく解説します。

犬のワクチンの分類

犬のワクチンの分類

狂犬病ワクチン(義務)

前述のように、狂犬病ワクチンは法律で義務付けられた予防接種です。日本では91日齢以上の犬を飼う際、まず30日以内に各自治体で飼育登録をして狂犬病ワクチンを打ったのち、注射済票を装着しなければならない規定があります。

ちなみに国内では、こうした徹底的な対策により、1957年以降において狂犬病の発症例は確認されていません。なお1970年・2006年・2020年で、それぞれ日本人の発症事例もありましたが、いずれも海外旅行中に感染したものです。

国内の犬で狂犬病を患ったケースは、現在まで60年以上にわたって見られておらず、基本的に大きな心配はないとされています。感染経路としても、人間から人間にうつることはなく、発症者がいてもウイルスが拡大する危険はありません。狂犬病にかかった動物の唾液が傷口に入ることで、ウイルスが体内に入り込んで感染するのが通常です。

ただし、日本・北欧・オーストラリアなどの一部地域は除かれるものの、アジア諸国を中心に、今でも世界各地では狂犬病の発生・死亡例は出ています。先ほどの日本人の発症事例も、東南アジア現地で犬に咬まれて、狂犬病にかかったとされています。このように海外から狂犬病が持ち込まれる可能性もあるため、たとえ日本国内では発生していなくても、予防接種は欠かせません。

ちなみに狂犬病に感染すると、人間なら発熱・嘔吐などの風邪のような症状からはじまり、段階的に幻覚や精神錯乱、呼吸障害による昏睡というように悪化していきます。犬だと行動異常などからはじまり、全身麻痺・痙攣(けいれん)・昏睡などに症状が移行します。いずれも症状が発生してしまうと、ほとんどが死に至ります。

狂犬病予防として効果的なのは、やはりここまでに出てきているようなワクチン接種と、海外での感染を防ぐことです。とくに海外旅行などでは、むやみに動物に触るといった行為は避けるようにしましょう。

混合ワクチン(任意)

混合ワクチンには、全ての飼育犬に幅広く接種が推奨されるコアワクチンと、飼育方法によっては打ったほうがよいとされるノンコアワクチンの2つがあります。

コアワクチンは、重症や致死率に至りやすい・感染力が強いなど、ウイルスの拡大や重篤化の危険性が高い病気に有効とされています。

またノンコアワクチンは、特定の条件で感染しやすい病原体に効果的な予防接種で、飼う状況次第で必要性が異なります。たとえば川や山などの緑に囲まれた環境で感染しやすかったり、ほかの犬と多く接することでうつりやすかったりする病気の予防接種となるのが、ノンコアワクチンです。そのためノンコアワクチンは、次のような飼い方の場合に接種が推奨されています。

【ノンコアワクチンが推奨される場合】
● アウトドアやキャンプに行く
● 犬の幼稚園やしつけ教室、ドッグトレーニングに通う
● ペットホテルを利用する
● ドッグランを使う
● 多頭飼いをしている

上記のような生活スタイルや飼育環境では、ノンコアワクチンを打つことが望ましいとされています。

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狂犬病ワクチンは重要なの?

狂犬病は人にも動物にも致死的な感染症で、発症後の治療が非常に困難であるため、予防が非常に重要です。日本では狂犬病の発生はありませんが、海外では依然として多くの国で報告されています。
ワクチン接種をおこなうことで、犬が狂犬病に感染するリスクを防ぎ、飼い主や周囲の人々を守ることにもつながります。

日本国内での狂犬病予防法に基づき、犬を飼う場合は年に一度のワクチン接種が義務付けられています。このワクチンは単に法的な義務ではなく、愛犬と周囲の安全を守るための重要な手段です。
狂犬病ワクチンをしっかりと接種し、安全で健やかな生活を送りましょう。

犬の混合ワクチンの選び方とは?

選び方と書かれた木製ブロック

ワクチンは、感染症の病原体に対する抗体を生成するために、ウイルスや菌をもとにつくられた薬液を投与するものです。体への負担も少なからず考えられるので、何でもむやみに接種すればいいというわけではありません。幅広い感染症に対応する混合ワクチンを打つ際には、愛犬とのライフスタイルに合った何種類かを選択して、接種するのが望ましいとされています。

ではここから、どういったケースでどの種類を接種したらいいのか、混合ワクチンの選び方についてもみていきましょう。

混合ワクチンで予防できる感染症

コアワクチンとノンコアワクチンでは、それぞれで予防できる感染症は異なります。ではコアワクチンとノンコアワクチンで分けて、どのような病気に対応できるのか整理していきます。

混合ワクチンの種類

混合ワクチンの種類

出典:「補助犬衛生管理の手引き」(厚生労働省)をもとに当社作成

コアワクチンで予防できる感染症

● 犬ジステンパーウイルス感染症
発熱・咳・くしゃみ・嘔吐・下痢といった、風邪のような呼吸器・消火器症状からはじまり、重症化すると神経症状(脳炎にともなう麻痺や痙攣など)を引き起こす感染症です。とくに重篤なケースでは後遺症が残ったり、場合によっては死に至ったりする可能性があるうえに、死亡率も非常に高いといわれています。

● 犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型感染症)
軽症であれば発熱・嘔吐・鼻水・下痢などの体調不良で済みますが、重篤になると肝機能不全にともなう肝性脳症・神経症状などを引き起こす危険性も。また重症化により、出血傾向(血が出やすい・止まりにくい)が見られる場合もあります。

● 犬アデノウイルス2型感染症
発熱や咳などの症状・気管支炎を引き起こす感染症で、基本的には人間にとっての風邪症状と似たような呼吸器疾患(ケンネルコフ)が原因とされています。単独感染で重症化するケースは少ないものの、ほかの病原体も同時に混ざった際に肺炎などにつながりやすく、重篤化した場合には死にいたる恐れがあります。

● 犬パルボウイルス感染症
おもに成犬がかかる腸炎型(嘔吐・下痢・血便)と、子犬に見られる心筋炎型(虚脱・呼吸困難)の2つの症状に分けられる感染症です。とくに子犬の場合、突然死するリスクもある病気です。

ノンコアワクチンで予防できる感染症

● 犬パラインフルエンザ感染症
発熱・咳・鼻水などの風邪症状や呼吸器症状が現れる感染症で、重症化して肺炎になる可能性もあります。ただし基本的には、単独感染では比較的症状が軽く、一般的には重症化するケースも少ないとされています。犬から犬への集団感染が起きやすいのも特徴です。

● 犬コロナウイルス感染症
下痢・嘔吐・食欲不振などの消化器症状を引き起こしますが、単体感染なら基本的には軽症で治まります。ただしパルボウイルスとの混合感染により、致命的な重症になる危険性があります。また免疫力の低い子犬が感染した場合にも、とくに消化器症状が重くなりやすく、命に関わる重症になる可能性が高いとされています。

● 犬レプトスピラ感染症
レプトスピラと呼ばれる細菌を持つネズミなどの尿から感染する病気で、犬にも人間にもうつる危険性があります。たとえば細菌感染したネズミの尿が混じった、水や土に触れてしまったときに感染するケースも。山・土手・川など、ネズミが出やすい自然の多い場所で感染するのが一般的です。発熱・下痢・嘔吐などの症状が出るほか、重症化すると肝機能障害・腎不全・黄疸・出血・尿毒症などを引き起こす恐れも。なお人間が感染すると、頭痛や筋肉痛などの症状が見られ、場合によっては死に至る可能性もあります。

ライフスタイルや行く場所で接種すべきワクチンの種類が異なる

感染症ごとに、うつりやすい経路やリスクなどには違いがあり、愛犬との過ごし方や飼育方法に応じて接種すべきワクチンの種類も変わってきます。

たとえば基本的には室内飼いで、ほかの犬と接する機会も少ないのであれば、感染リスクは比較的低くなりやすいでしょう。こうしたケースでは、さほど多くのワクチンは打たなくても十分に予防ができるとも考えられます。

一方で「愛犬も連れてアウトドアを楽しみたい」「ドッグランやペットホテルをよく使う」など、行動範囲が広かったり、犬同士の接触が多かったりする場合、それだけ感染リスクは高くなりやすいため、多くの種類がある混合ワクチンが推奨されます。何種を接種したほうがよいのかどうかは、できれば獣医師にも相談しながら決めていくのが安心でしょう。

犬のライフスタイルにあったワクチンの選び方

犬のライフスタイルにあったワクチンの選び方

7種~11種、混合ワクチンの違いとは?

混合ワクチンの種類の組み合わせは幅広くありますが、一般的に大きな分かれ目となるのが7種以上かどうかです。通常は7種類以上の混合ワクチンから、山や川などでうつる人獣共通感染症とされる、レプトスピラ感染症の予防接種が含まれます

ちなみにレプトスピラ感染症には、いくつもの亜型の細菌が存在します。そのため亜型も含めたレプトスピラ感染症の種類に応じて、7種から11種までの混合ワクチンに枝分かれするようになっています。

なお一般的には7種・8種では2つ、9種では3つ、11種では5つのレプトスピラ感染症の予防ができるとされています。たとえば「山や川などのアウトドアに行く」など、レプトスピラ感染症のリスクが比較的高いとされるケースでは、7種以上の混合ワクチンの接種が推奨されます。

※レプトスピラ感染症の予防接種が含まれる混合ワクチンの種類は、動物病院によって異なります。

獣医師 竹尾 記子(たけお ふさこ) 獣医師 竹尾 記子(たけお ふさこ)

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犬種によって接種するワクチンに違いはあるの?

犬の混合ワクチンの使用に関して、基本的には犬種による使い分けはありません。混合ワクチンは、一般的に犬に共通する病気(パルボウイルス、犬ジステンパー、アデノウイルス、パラインフルエンザ、レプトスピラなど)に対する予防を目的としています。これらの病気は犬種に関係なく、すべての犬が感染する可能性があるため、犬種に特化したワクチンプログラムは通常ありません。犬種によって特定の病気に対してリスクが高い場合もありますが、混合ワクチンで予防できる病気は一般的にどの犬種にも適用されるため、どの犬種でも接種できます。

犬のワクチン接種、値段はいくらかかるの?保険は適用される?

電卓の上に置かれたはてなマークの木製ブロック

飼い犬のワクチン接種では、実際にどれくらいの費用が必要なのか、大まかな目安について以下でご紹介していきます。

犬のワクチン接種の費用

当然ではありますが、接種するワクチンの種類などによって、値段には違いがあります。まずは狂犬病ワクチンと混合ワクチンで、必要な費用や接種方法なども異なるため、それぞれで分けてみていきましょう。

狂犬病ワクチン

大前提として狂犬病ワクチンは、各自治体でおこなわれる集合接種と、動物病院で受ける個別接種のいずれか選ぶことができます。もちろん地域や病院によって、具体的な接種費用には差がありますが、金額の目安としては以下のとおりです。

【平均的な狂犬病ワクチンの費用(注射代)】
● 自治体での集団接種: 3,000円前後
● 動物病院での個別接種:2,000円後半~3,000円後半

上記に加えて狂犬病ワクチン接種で義務化されている、注射済票の交付手数料550円がかかります。また新たに犬を飼い始めて、各自治体に新規登録をする場合には、3,000円(1頭)の手数料が発生します。

混合ワクチン

混合ワクチンは、接種する種類ごとに金額は異なります。なお各混合ワクチンの費用の目安は、以下のとおりです。

混合ワクチンの料金目安

混合ワクチンの種類 費用の目安
2種 4,000円前後
3種 4,300円前後
4種 5,500円前後
5種 5,900円前後
6種 6,200円前後
7種 6,800円前後
8種 7,800円前後
9種 6,700円前後
10種 8,600円前後
11種 7,700円前後

なお動物病院ごとに、接種できる混合ワクチンには違いがあるので、希望の種類がある際には事前にウェブサイトなどで確認しておきましょう。

犬のワクチン接種費用に保険は適用されるか

犬を飼う際には、万が一の備えとして、ペット保険に加入する場合もあるでしょう。ただしペット保険は、あくまで実際に病気やケガになった際の補償をするのが原則で、ワクチン接種のような予防医療は対象にならないのが一般的です。基本的には、全て自己負担になると想定しておきましょう。

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予防接種後に注意すること

犬の混合ワクチン接種後は、副作用やアレルギー反応を早期に察知するため、以下の点に注意が必要です。接種後数時間は特に観察を徹底し、以下の症状がみられたら速やかに獣医師に相談してください。

  • 注射部位の腫れや痛み:

    軽度で一時的な場合が多いですが、ひどい場合は注意が必要です。

  • 元気の低下や発熱:

    通常は24~48時間で回復しますが、長引く場合は獣医師に連絡を。

  • 嘔吐や下痢:

    頻発する場合や重度の場合は早急に受診を。

  • 呼吸困難や顔の腫れ:

    アナフィラキシーの可能性があり、早急な対応が必要です。

また、接種後24~48時間は激しい運動を避け、安静に過ごさせましょう。食欲や排泄の変化が長期間続く場合も、獣医師に相談してください。

愛犬のワクチンは毎年打ったほうがいいの?接種スケジュールは?

カレンダーと時計と植物

ワクチンによってきちんと健康を守るためには、定期的に接種して免疫力を保つ必要があります。ここでは大切な愛犬の健やかな毎日に向けた、ワクチンの正しい接種スケジュールについて、ご紹介します。
具体的な接種間隔は、ワクチンの種類や犬の年齢、種類、健康状態などによって異なります。法的に義務化された狂犬病ワクチンと、任意接種の混合ワクチンでは大きな違いがあるので、それぞれで分けてみていきましょう。

狂犬病ワクチンの接種スケジュール

狂犬病ワクチンには、原則毎年4月1日から6月30日を予防注射期間として、生後91日以上の犬に対して年1回必ず接種させる義務があります。厚生労働省にて4月~6月を予防注射期間として設定しており、毎年春ごろには、各自治体から狂犬病ワクチン接種の通知がおこなわれます。

基本的には4月~6月に接種するのが義務とされています。ただし仮に期間を過ぎてしまった場合にも、ワクチンを打つこと自体は可能なので、すみやかに動物病院などに相談して必ず年1回は接種できるようにしましょう。

混合ワクチンの適切な接種スケジュール

混合ワクチンは、子犬期と成犬期で接種間隔が変わってきます。ではそれぞれの時期に分けて、混合ワクチンの詳しい接種スケジュールをみていきましょう。

犬の混合ワクチン接種スケジュール

犬の混合ワクチン接種スケジュール

子犬(生後約4ヵ月)

生まれたばかりの子犬には、母体から移行した抗体が体内に存在しています。ただしこの抗体による免疫は、時間の経過とともに消失してしまうため、そのタイミングでワクチンを接種する必要性が出てきます。その時期に当たるのが生後約2ヵ月ごろとされています。

なお母体からの移行抗体がなくなってしまうと、病原体に対する免疫はほぼない状態となるうえに体力も十分ではなく、感染症による死亡リスクは高いとされています。さらに移行抗体による母子免疫が持続している期間には、ワクチン接種の効果が見込めないともいわれています。また移行抗体による母子免疫が消える時期も、個体によって異なり、接種するタイミングを明確に判断することはできません。そのためワクチンの効果が発揮される時期に当たるように、複数回の接種を繰り返すことで、着実に抵抗力を強化していくのが一般的です。

具体的なスケジュールとしては、生後約2ヵ月(50日前後/6週~8週齢)に、初めてのワクチン接種を実施。その後は約3ヵ月(12週齢)で2回目、約4ヵ月(16週齢)で3回目というように、大体1ヵ月間隔を目処に混合ワクチンを接種していきます。

成犬

子犬期の3回接種が終わったら、そこからは年1回ずつ混合ワクチンを打つ必要があります。なお成犬になってから初の混合ワクチンでは、4週間ほどの間隔を空けた2回接種をおこないます。その後、混合ワクチンの効果を維持するには、1年間隔を目安として毎年接種するのが一般的です。

また高齢期になってくると、体への負担が心配かもしれませんが、基本的には毎年の定期的なワクチン接種が望ましいとされています。シニア犬になるほど免疫も低下するので、病気予防のためにも、ワクチン接種は毎年必要です。

ちなみに接種義務のある狂犬病ワクチンを含めて、何歳までの接種が必要なのか、具体的な規定はありません。もしワクチンによる体調的な負担が心配なときには、獣医師と相談しながら接種を検討するようにしましょう。

ワクチン接種で副作用は起こる?

狂犬病ワクチンも混合ワクチンも同様に、接種した薬液による副作用が生じる可能性があります。なお狂犬病ワクチンと混合ワクチンで起きやすい副作用は、以下のとおりです。

狂犬病ワクチンのおもな副作用の症状

狂犬病の副作用では、発熱・注射部位の腫れや疼痛・下痢・嘔吐・食欲低下・呼吸困難・痙攣などの症状が見られる場合があります。いずれも一過性の軽症であれば、基本的には安静にして経過観察する対処で問題ありません。こうした副作用は、接種後6時間程度で1歳未満の子犬や10歳以上の老犬に起こりやすいとされており、遅いと翌日に症状が出るケースも。接種から2~3日ほどは、運動やシャンプーなどは避けて、安静に過ごすようにします。なお症状があまりに激しかったり長引いたりなどの異常がみられる際には、必ず病院を受診するようにしましょう。

また体質によっては、アレルギー反応による、ムーンフェイス(顔の腫れ・むくみ・かゆみ・じんましんなどの症状が出ることもあります。このようなアレルギー反応には、投薬や輸液などの処置が必要な場合もあるので、病院を受診するようにしましょう。さらに重いアレルギー反応では、アナフィラキシーショックが起こる可能性もあります。なお重篤なアナフィラキシーショックは、接種後30分程度で症状が現れるのが一般的です。このように急激な副反応に対処できるように、ワクチン接種後しばらくの間は院内で静かに様子を窺うことが推奨されます。

混合ワクチンのおもな副作用の症状

混合ワクチンも、狂犬病ワクチンと同じような副反応が起きます。ちなみに混合ワクチンによる副作用は、狂犬病ワクチンに比べて発生率が高いともいわれています。なお先ほども出てきたアナフィラキシーショックは、生死に影響する危険性もあり、十分な注意が必要。前述にあるようなアナフィラキシーショックが起きやすいと考えられる間は、とくに気をつけて容体をみておくようにしましょう。

獣医師 竹尾 記子(たけお ふさこ) 獣医師 竹尾 記子(たけお ふさこ)

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1回の接種でワクチンの効果はいつまで続くの?

犬の混合ワクチンには、パルボウイルス、ジステンパー、アデノウイルス、パラインフルエンザ、レプトスピラが含まれます。これらの免疫持続期間は以下のとおりです。パルボウイルス、ジステンパー、アデノウイルスは1~3年、特に3年ごとの追加接種が推奨されることが多いです。一方、パラインフルエンザとレプトスピラの免疫効果は1年程度で、毎年の追加接種が一般的です。子犬の場合、初回接種は生後6~8週から開始し、数週間おきの追加接種が重要です。ワクチン接種のスケジュールは、犬の健康状態や生活環境を考慮し、獣医師と相談して決めましょう。

まとめ

犬の混合ワクチンは、ジステンパー、パルボウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザ、レプトスピラなど、複数の感染症を予防するためのワクチンです。

初回接種は子犬の生後6~8週目から始まり、数週間ごとに追加接種が必要です。これにより、十分な免疫が形成されます。パルボウイルスやジステンパーに対する効果は3年程度持続しますが、レプトスピラなど一部の感染症に対しては毎年の追加接種が推奨されます。必要に応じて抗体検査をおこない、追加接種のタイミングを調整することも可能です。

一方、狂犬病ワクチンは法律で年1回の接種が義務付けられており、狂犬病の予防を目的としています。狂犬病は致死率が高く、人獣共通感染症であるため、法律にもとづいて予防を徹底することが重要です。
混合ワクチンとあわせて、適切な時期にワクチン接種をおこない、犬の健康を守りましょう。

監修者情報

監修者プロフィール

獣医師 竹尾 記子(たけお ふさこ) 獣医師 竹尾 記子(たけお ふさこ)

獣医師竹尾 記子(たけお ふさこ)

所属
麻布大学生理学第二研究室 院生

関東周辺の動物病院で獣医皮膚科診療を中心に動物の診療を行っております。
また、動物病院にて診療に従事する傍ら、麻布大学の生理学第2研究室で院生として、動物の皮膚治療の研究を行っています。動物と皮膚が好きな獣医師です。

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(掲載開始日:2025年4月10日)

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