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公開日:2025年2月27日
もし今大地震が発生したら、皆さんはどうするでしょうか。日本には、わかっているだけでも約2,000もの活断層があるとされ、いつどこで大地震が起きてもおかしくない状況です。この記事では「大地震が発生した瞬間、どう行動するべきか?」について防災士がわかりやすく紹介。日頃の備えや、一軒家とマンションそれぞれの安全対策のほか、地震保険の必要性などについてもファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。
地震によって起こる災害は、さまざま。2024年元日に発生した能登半島地震では、倒壊した家屋の下敷きになるなど、多くの方が命を落としました。また2011年の東日本大震災では津波により多数の犠牲者が出ました。防災対策は「地震によって、どんなことが起きるのか?」をよく知ったうえで取り組むことが重要です。
ここではまず、これから日本で発生すると言われている地震と、それによって起こると考えられる災害について説明します。またマンションが倒壊する可能性について、過去の事例を交えて防災士がわかりやすく解説します。
地震とは、地下に存在する「プレート」と呼ばれる岩盤が周りから押されたり引っ張られたりして、急激にズレが生じる現象のことです。このズレによる揺れ(地震波)が地表に届いたときに、私たちは「揺れ」を感じます。揺れの大きさは「震度」、地震そのものの大きさは「マグニチュード」で表します。
同じ地震でも、震源からの距離や地盤の違いなどで、揺れの大きさは変わります。また建物や階数によっても揺れの程度が違います。国土交通省で公表している「わがまちハザードマップ」や自治体の「地震防災マップ」などをもとに、自宅や職場は地震でどのくらい揺れるのかチェックしてみるとよいでしょう。
震度 | 状態 |
---|---|
震度 0 |
人は揺れを感じない。 |
震度 1 |
屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。 |
震度 2 |
屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が目を覚ます。 |
震度 3 |
屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 |
震度 4 |
かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 |
震度 5弱 |
多くの人が身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。 |
震度 5強 |
非常な恐怖を感じる。行動に支障を感じる。 |
震度 6弱 |
立っていることが困難になる。 |
震度 6強 |
立っていることができず、はわないと動くことができない。 |
震度 7 |
揺れにほんろうされ、自分の意思で行動できない。 |
近い将来に発生するだろうと想定されている大規模地震に「南海トラフ地震」と「首都直下地震」があります。
国は、もし最大クラスの南海トラフ地震が起こったら、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性を指摘。それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定しています。さらに関東地方から九州地方にかけての広い地域で10mを超える大津波が発生するとも予測。
また首都直下地震の場合は、最大で60万以上の家屋が失われ、2万人を超える犠牲者が出るだろうと予測しています。
いざというときに命を守るため、地震発生時の行動を学んだり避難ルートを確認したりするなど、事前に備えることが重要です。避難生活が長期化することも考慮し、水や食料などの備蓄も忘れずにおこないましょう。
地震には、大きく分けて一次災害と二次災害があります。
一次災害は、地震の揺れによって起こる直接的な被害のこと。建物の倒壊、家具などの転倒、土砂崩れ、液状化現象などがあります。
また、二次災害とは、一次災害をきっかけに連鎖的に発生する災害のことです。津波や火災、ライフラインの寸断などがあります。
一次災害は、地震発生と同時または直後に起こる可能性が高い被害です。そのため「頭を守る」「足元の安全を確保する」といった、命を守るためのとっさの行動が重要となります。
二次災害は、直後に発生するものや時間が経ってから発生するものがあります。津波に対しては迅速な避難行動が必要となりますが、それ以外では落ち着いて的確な行動をとることで、命を守れる可能性が高まるでしょう。
具体的な行動や対策については、後ほど詳しくご説明します。
大地震では、マンションが倒壊する可能性があります。過去に起きた大地震を振り返ると、1995年の阪神・淡路大震災や、2016年の熊本地震では、特に古い耐震基準で建てられた建物が多く被害を受けました。
二度の大きな揺れを記録した熊本地震では、耐震基準を満たしていたにもかかわらず、被害を受けたマンションもあり、これには、地震の規模や建物の築年数が影響することが分かりました。住まいの耐震性や築年数を確認し、必要であれば耐震補強を行うなど、万が一に備えた準備をしておきましょう。
大地震では、一瞬の判断が生死を分けることもあります。万が一に備え、日頃から対策や避難方法を覚えておきましょう。こちらでは突然の揺れに見舞われたときにはどのように行動をすればよいのか、さまざまなシーンにもとづいて具体的に解説します。
【屋内で注意が必要なシーンは?】
以下で、具体的にみていきましょう。
屋内で大きな揺れに襲われたときは、まず身の安全を確保することが重要です。「机やテーブルなどの下に身を隠す」「落下物から頭を守る」などして、落ち着いて身を守りましょう。揺れが収まったらすぐに火の始末やガスの元栓を閉めるなどして、火災を防ぐことも大切です。
屋内で大きな揺れに襲われたときは、まず身の安全の確保を確保する
【自宅にいるときの注意点】
また、自宅内にいるときでも、トイレやお風呂、台所、寝ているときなどはとくに留意する必要があります。以下の点についても確認しておきましょう。
場所・状況 | 注意点 |
---|---|
トイレ・お風呂 |
|
台所 |
|
寝ているとき |
|
寝室には倒れそうなものを置かないようにし、頭の上にものが落ちてこない所で寝ましょう。すぐ避難できるように、日頃から枕元に厚手の靴下やスリッパ、懐中電灯、携帯ラジオなどを置いておくとよいでしょう。
マンション・集合住宅の場合、高層階では揺れ始めが遅く、揺れ出すと長く揺れる傾向があります。丈夫な机などの下に身を隠し、揺れが収まるのを待ったほうがよいでしょう。また地表よりも揺れが大きくなることがあり、家具の転倒リスクが高まる可能性もあります。L型金具で壁に止めるなどして、転倒防止対策をおこないましょう。
またライフラインが寸断されてエレベーターが動かなくなるかもしれないので、水や食料などの備蓄は忘れずにおこないましょう。日頃から非常口や非常階段へのルートを確認しておくことも大切です。また、避難ルートや避難器具の近くには、ものを置かないようにしましょう。
マンションでは、災害時に住人同士で協力することが不可欠です。管理会社と災害時の対応について話し合ったり、居住者同士でルールをつくったりして、日頃から協力体制を整えておきましょう。
エレベーターに閉じ込められた場合、すぐに救助が来るとは限りません。焦らず、冷静に行動しましょう。
エレベーターに閉じ込められても焦らずに「非常用呼び出しボタン」等で連絡を試みる
【エレベーターにいるときの注意点】
お店で買いものをしているときに、地震が起きてしまうこともあり得ます。そのようなときに取るべき行動はまず陳列商品の落下やショーケースの転倒などに気を付け、ガラス製品など割れやすいものが陳列されている場所の近くにいないようにしましょう。
ショーケースなど、倒れやすいものからは離れたほうがよい
【デパートやスーパーにいるときの注意点】
地下街は、火災が発生しなければ比較的安全です。あわてずに落ち着いて脱出しましょう。ただし、水害には弱いので、沿岸部など地震による津波の被害が想定される場所であれば、急いで地上の高台に避難することが大切です。
火災がなければ地下街は比較的安全な場所
【地下街にいるときの注意点】
映画館や劇場、スタジアムでは、事前に避難口を確認しておきましょう。
慌てて出口や階段に殺到しないように注意する
【映画館・劇場・スタジアムにいるときの注意点】
学校の教室内にいるときに、大きな揺れを感じたら、机の下に潜って落下物などから身を守りましょう。慌てて外に飛び出すなど勝手な行動はせずに、教職員の指示に従いましょう。
まずは机の下に潜って落下物などから身を守る
【学校にいるときの注意点】
身の回りにものがあふれていると、ケガをする危険性が高まるほか、避難の邪魔になることもあります。日頃から整理整頓をするなどして、職場環境をよくしておきましょう。
勤務先でも、自宅や学校にいるときと同様にまずはデスクの下などに隠れる
【勤務先にいるときの注意点】
自宅での防災対策に力を入れていても、外出先で地震に見舞われたときには思うように動けないものです。強い揺れに襲われると、屋外には落下物や倒壊物があふれ、いつもとは違う危険が待ち構えています。
海や川では津波の、山では落石や土砂崩れなどの危険もあります。自分の身を守るために、普段から適切な行動について考えておきましょう。ひと口に屋外といっても、住宅街か繁華街か、山か海かなどによって注意するポイントは異なります。
自動車や電車のなかでも、とるべき行動が違ってくるでしょう。ここでは場所別に注意点をご説明します。
【屋外で注意が必要なシーンとは?】
以下で、具体的にみていきましょう。
住宅街を歩いているときに強い地震が起きた場合には、倒れたり落下したりするものに注意をする必要があります。
強い揺れに襲われると、住宅地の路上には落下物や倒壊物があふれる
【住宅街にいるときの注意点】
オフィス街や繁華街にいるときに強い地震が起きた場合には、落下物やビルの倒壊が懸念されるため、なるべく広い場所に出ることが大切です。広いところに逃げる余裕がない場合は、耐震性の高い比較的新しい鉄筋コンクリートのビルに逃げ込みましょう。
オフィスビルの窓ガラスが割れて落下すると広範囲に拡散してしまう
【オフィス街・繁華街にいるときの注意点】
登山やハイキングで山にいるときに強い揺れに襲われた場合には、まず落石から身を守らなくてはなりません。地震で地盤がゆるみ、崩れやすくなっている可能性がありますので、崖や急傾斜地など危険な場所には近づかないようにしましょう。
山間地で地震が起きたら、落石に注意して急傾斜地など危険な場所から遠ざかる
【山間地にいるときの注意点】
海で一番恐ろしいのは津波です。避難標識がある場合は避難する際の目安になるので、事前に確認しておきましょう。
海岸で強い揺れに襲われたら、一番恐ろしいのは津波
【海などにいるときの注意点】
川の周辺や河原で大きな地震が発生したときには、流れに沿って上流側へ避難しても津波は追いかけてくる危険があります。流れに対して直角方向の高台などに素早く避難しましょう。
津波は上流へさかのぼる
【川べりにいるときの注意点】
自動車を運転中に大きな揺れを感じたら、焦らず適切に行動する必要があります。慌てて急ハンドルや急ブレーキをかけず緩やかに速度を落としていきましょう。
なお、高速道路ではハザードランプを点灯させ、前後の車に注意喚起することが大切です。また、高速道路では約1kmごとに非常口があるので、徒歩で脱出するようにしましょう。
急ブレーキを踏めば予想外の事故につながる恐れも
【自動車に乗っているときの注意点】
急ブレーキが踏まれる場合もあります。ケガをしないように姿勢を低くしたり、手すりやつり革をしっかり握りましょう。
緊急停車に備えて手すりやつり革を握るようにする
【電車やバスに乗っているときの注意点】
ホームから転落しないようにうずくまるなどして揺れが収まるのを待つ
【駅のホームにいるときの注意点】
登下校中は子どもだけになるため、学校や家庭での避難訓練や、日ごろからの備えが重要です。大地震が起きたときにパニックを防げるよう、まずは親子で通学路を一緒に歩いてみましょう。
倒れてきそうな塀や看板などはないか、斜面など崩れてきそうな場所はないか、津波が来そうな場所はないかなど、危険な場所を確認し、親子で「身の安全を守る行動」を考えることが大切です。
また、帰宅困難な状況になることも想定し、避難場所や家族との連絡手段を書いたものを持たせておくこともおすすめです。
揺れが収まったあとも、落ち着いて適切な行動をとるように心がけましょう。まずはご自身にケガがないか確認し、避難経路を確保します。次に火の元を確認し、ブレーカーを落としたりガスの元栓を閉めたりしたあとで避難を開始しましょう。
建物から脱出する際、慌てて外に出るのは禁物です。ガラスやがれきが散乱していないか周囲をよく見渡し、看板などの落下物などにも注意しながら行動しましょう。とくに夕暮れどきや夜間は周りが見えにくくなるので、十分な注意が必要です。
災害から命を守るために緊急時に避難する施設や場所を「避難場所」、災害発生後に、被災者等が一定期間滞在する場所を「避難所」といいます。自宅や勤務先などの近くにある避難所や避難場所を日頃からチェックしておきましょう。
消防による救出活動が困難な場合は、住民たちの協力が不可欠です。しかし危険がともなう場合があるので、できるだけ複数人でおこないましょう。
【負傷者をみつけた場合】
【倒壊した建物などの下敷きになっている人をみつけた場合】
津波の恐れがあるときは、とにかく逃げてください。以下の場合は、すぐに高台などの安全な場所へ避難しましょう。海岸にいるときは避難誘導標識などを確認して、防潮堤の避難口・避難階段などで避難ビルや高台、避難地などへ移動しましょう。
【津波のおそれがあるときとは?】
実際に津波が発生したら、防災無線や情報板から情報が提供されます。津波はすごいスピードで迫ってくるため、何も持たずに各自が全力で逃げましょう。
津波の危険がある場所には、「津波注意」や「津波避難場所」を示す標識が設置されています。また自治体が配布している「津波ハザードマップ」では、津波が発生した場合の浸水範囲や避難場所・避難路などを地図上で確認することができます。万が一に備えて事前に確認しておきましょう。
津波についての詳しい情報は、下記をご覧ください。
▶「津波防災特設サイト」(内閣府)
地震を予測することは困難ですが、日頃から家の安全対策をおこなうことで、地震の被害を軽減することができます。金具や突っ張り棒を使って家具や棚の転倒防止対策をする、ベッドまわりに家具を置かない、ガラスに飛散防止フィルムを貼る、トイレの備蓄をするなど、自宅でするべき防災対策は多岐にわたります。
また戸建てとマンション、賃貸住宅とでは対策も変わってきます。たとえば戸建てでは、屋根やベランダといった周囲の安全対策が不可欠です。集合住宅では非常階段や防災用具などの扱いに注意が必要です。できることから取り組み、家の安全性を高めましょう。
ここでは家の中と外、集合住宅に分けて詳しくご説明します。
地震が起こったら、たとえ建物が無事でも、家具の転倒やガラスの散乱などでケガをする可能性があります。
また転倒した家具などで出入口がふさがれて、逃げ遅れる恐れもあります。そのようなリスクを減らすため、家具の転倒防止策や安全な逃げ道を確保することが重要です。できることから実践し、小まめに見直して安全性を高めていきましょう。
家具のない安全なスペースを確保する
廊下や玄関にものを置かない
寝室には家具を置かない
家具の転倒・落下防止対策をする
屋根やベランダ、ブロック塀など、家の周囲にも危険なポイントが多くあります。日頃から危険箇所の点検を心がけましょう。
また自分や家族の命を守るためには、地震に強い家に住むことが大切です。建物の耐震性も確認し、気になる場合は専門家による耐震診断を受けたり、耐震補強を検討したりしましょう。
自治体によっては耐震診断や耐震改修にかかる費用の一部を助成する制度がありますので、お住まいの自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
屋根 | 瓦やアンテナが不安定になっていないか確認。必要に応じて補強する。 |
---|---|
雨どい・雨戸 | 雨どいの継ぎ目がはずれていないか、落ち葉などが詰まっていないかチェック。雨戸はたてつけが悪くなっていないか確認し、必要に応じて修繕する。 |
ベランダ | 整理整頓する。植木鉢やエアコンの室外機は配置を変えるか固定する。 |
玄関まわり | 自転車や植木鉢など、出入りを妨げるものは置かない。 |
ブロック塀 | ひび割れ、傾き、鉄筋のサビなどがないか確認。基礎部分がないもの、鉄筋が入っていないものは補強する。 |
プロパンガス | しっかりとした土台に置き、鎖で壁に固定する。 |
窓ガラス | 飛散防止フィルムを貼る。強化ガラスにすると、より安全。 |
多くの人が住む集合住宅では、戸建てとは違う対策が必要です。いざというときに備えて、防災訓練や住民同士の話し合い、防災設備の点検などに取り組みましょう。また高層マンションは一般的に耐震性が高いといわれていますが、揺れが大きくなるという弱点もあります。そのため家具の転倒リスクが高まるので、転倒防止対策に力を入れましょう。停電でエレベーターが止まると水や食料の確保も困難になります。高層階にお住まいの方は、より入念な備蓄が必要といえるでしょう。
玄関 | 開かなくなったときのためにバールなどを用意しておく。 |
---|---|
通路 | 自転車、古新聞、ダンボールなどの燃えやすいものを置かない。 |
非常階段・非常扉 | 避難の妨げになるようなものを置かない。 |
ベランダの避難ハッチ(非常脱出口) | 日頃から避難はしごの使用方法などを確認。周りにものを置かない。 |
防災用具・防火設備 | 消火器や火災報知器の場所や有効期限を日頃から確認。 |
管理組合からの連絡 | 日頃から防災設備の点検や防災訓練のお知らせに注意。防災訓練には積極的に参加する。 |
賃貸物件で地震に備えるには、建物の耐震性を確認することが第一です。1981年以降の新耐震基準に沿った物件は安全性が高いですが、古い物件の場合は特に注意が必要です。
賃貸物件の場合、物件を傷つけずに家具を固定できないか検討してみましょう。また、地震による建物の損壊は大家さんの負担ですが、落下などで壊れた家財道具は個人の負担となるので、保険の補償内容を確認しておくと安心です。
このほか、被災した場合に備え、災害時の連絡方法などを大家や管理会社と事前に確認しておくことをおすすめします。
地震で家族がバラバラになる可能性もあります。家族や身近な人との安否確認方法や、避難場所、避難方法などについて事前に話し合っておきましょう。具体的な方法については以下の記事で紹介しているので、ぜひご一読ください。
大地震に備えて、準備しておくべき対策はたくさんあります。
「防災グッズはどんなものを用意したらいいの?」「4人家族の備蓄品ってどのくらい?」「地震保険っている?いらない?」……そんなさまざまな疑問について専門家がお答えします。
災害発生の初期段階から避難生活が長期化するまで、段階によって必要なものは変わります。避難用品は0次品~3次品まで分けて準備しましょう。また飲料水や食料、携帯トイレといった多くの方にとっての必需品もあれば、女性や子ども、高齢者向けに必要になるグッズもあります。詳しい防災グッズは以下の記事で紹介していますので、ぜひご確認ください。
大地震に備え、1週間分の備蓄をするのが望ましいといわれています。仙台市では、大人2人・子ども2人の備蓄例を公開しており、1週間分の目安は以下のようになっています。
飲料・スープなど | |
---|---|
品目 | 数量 |
飲料水(2L) | 42本 |
お茶(ティーバッグ) | 28個 |
コーヒー | 16個 |
スープ | 16個 |
コーンスープ | 8個 |
味噌汁(レトルト) | 32個 |
フルーツ缶詰 | 24個 |
主食 | |
品目 | 数量 |
ご飯 | 48個 |
パン(缶詰など) | 16個 |
スパゲッティ(細い) | 800g |
そうめん(乾麺) | 800g |
そば(乾麺) | 400g |
水もどり餅 | 8袋 |
食料品 | |
---|---|
品目 | 数量 |
味付けのり | 20個 |
缶詰おかず | 52個 |
ふりかけ | 8個 |
ミートソース | 2個 |
カルボナーラ | 2個 |
カレー(レトルト) | 4個 |
すきやき(レトルト) | 8個 |
親子丼(レトルト) | 4個 |
麻婆豆腐(レトルト) | 4個 |
中華飯(レトルト) | 4個 |
ハヤシライス(レトルト) | 4個 |
その他 | |
品目 | 数量 |
カセットコンロ | 1個 |
カセットボンベ | 適量 |
参考:「家族4人分の一週間分の食料」(仙台市)をもとに当社作成
災害時には断水や排水管の破損などで、トイレの水が流せなくなることがあります。自宅で避難生活をする場合は、便器に取り付けて使う袋タイプがおすすめですが、便器が壊れた場合は簡易トイレを使います。外出先や避難所など外で使う場合は、そのまま使える持ち歩きタイプが便利です。成人が一日にトイレに行く回数は平均5~7回といわれています。1日に5回トイレに行く人であれば、1週間で35回分用意しましょう。
緊急時に備えてトイレットペーパーも忘れずに用意しましょう。1週間に1ロール程度が目安です。便器にかぶせる45リットルのポリ袋、排せつ物を吸収するような新聞紙や凝固剤、手をふくウェットティッシュ、停電時に使うランタンやLEDライト、または消臭スプレーなども一緒に備えておくとよいでしょう。
ライフラインが寸断すると、生活に大きな制限がかかります。電気が止まれば照明やエアコンなどが使えません。ガスが止まると、お料理を作ったりお風呂に入ったりできなくなります。水道が止まると飲料水や生活用水が使えなくなり、命の危険も。災害では支援物資がいつ届くかもわからないため、水や食料、ランタンやガスボンベなど生活に必要な備蓄品をご自身で準備しておくことが重要です。ライフライン寸断への備えについて、詳しくは以下の記事で紹介しています。
地震保険は、地震や噴火、地震による津波が原因で、火災・損壊・埋没または流失の被害を受けたときに補償してくれる保険です。これらの被害は火災保険では補償されないので注意しましょう。
地震で家や家財が被害を受けると、多額の費用が必要です。地震保険ではその一部を保険金でカバーできるだけでなく、住宅ローンの返済や引っ越し費用、当面の生活費などに使うこともできます。加入しておくと生活の再建がスムーズに進められるでしょう。また地震保険の保険料は「地震保険料控除」の対象となり、一定金額の所得控除を受けることができます。
ただし地震保険は単独では加入できず、必ず火災保険とセットで加入する必要があるのでご注意ください。
日本各地で頻発している地震。いつどこで発生するかわからないからこそ、日頃からの備えが重要です。災害時、被害を最小限におさえるための基本は「自助・共助・公助」にあります。まず、自分の身を守る「自助」、次に周囲と助け合う「共助」、最後に行政など公的機関による「公助」です。自分や家族の命を守るために、災害時に慌てずに行動できるよう、以下を検討しておきましょう。
これは家族全員でおこなうべきもので、誰かひとりに任せるものではありません。家族全員が一緒にいるときに災害が発生するとは限らないからです。日頃からの備えが、いざというときに大きな力となり、突然の地震にも落ち着いた対応につながります。せっかくこの記事を読んだのであれば、これを機に家族みんなで防災について話し合い、一緒に準備を始めてみてください。
大地震への備えとして、命を守る防災対策とともに考えておきたいのが、被災時に家計を守るための対策です。もちろんまずは命を守るのが最優先ですが、その後は家の修繕や建て直しなど生活再建が必要になり、経済的に困窮してしまう可能性があります。
損害保険料算出機構によると、2023年時点の地震保険の世帯加入率は35.1%、付帯率(火災保険に地震保険をセットしている割合)は69.7%でした。過去に大地震が発生した地域や今後発生するリスクが高いとされている地域では比較的高い傾向があります。
万が一発生した場合の経済的ダメージが甚大なものほど、保険による備えが有効とされています。まずは一度、ご自身が火災保険や地震保険に入っているのか、入っているならどんな補償内容になっているのか確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
楽天グループ社員に聞く 能登半島地震を体験した「その日、その後」
防災士、一級危機管理士等の資格を持つ防災のプロ。家族が安心して暮らせる環境を整えるため、「防災」をキーワードに2012年よりセミナーやワークショップなどを実施。女性の視点からさまざまなリスク管理を提案している。また、自身も被災者となった2016年熊本地震の際には、発災直後より避難所運営、被災者支援に携わった。
ウェブサイト:Ludique
ばばえりFP事務所代表。関西学院大学商学部を卒業後、銀行の窓口業務に従事。その後、保険代理店や不動産業界などでも経験を積み、独立。自身が過去に金銭的に苦労したことから、難しいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えするべく活動中。お金にまつわる解説記事の執筆や監修を数多く手掛けている。保有資格はAFP(日本FP協会認定)、証券外務員1種など。
このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問合せください。
税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、すべての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
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