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専業主婦(主夫)(*)は、死亡保険や医療保険、がん保険などの生命保険に加入したほうがいいのでしょうか。加入するなら、どのような保険がよいのでしょうか。このコラムでは、保険に悩む専業主婦(主夫)の方に向けて、保障を選ぶときのポイントや、保障額を考えるときの参考になるデータなどをご紹介します。あなたと家族に最適な保険を見つけるヒントになれば幸いです。
専業主婦(主夫)は、どれくらいの割合で保険に加入しているのでしょうか。まずは、データを参考に、一般的な加入状況などを見てみましょう。多くの主婦(主夫)の方たちがどう備えているかを知れば、参考になるかもしれません。
主な収入を得ている世帯主の生命保険や、子どもの学資保険などと比べると、主婦(主夫)の生命保険はあまり重視されないこともあるようです。「家計を支えている夫(妻)には保険が必要だけれど、専業主婦(主夫)の自分にもしもの事があっても、収入は変わらないので経済的には困らないはず」「自分の保険より子どものために貯金をしたい」と考える方もいるようですが、何か起こったとき、本当に対応できるでしょうか。
主婦(主夫)が担っている役割は、多岐にわたります。
万が一、一家の主婦(主夫)が亡くなったり、病気やケガで家事が今までと同じようにできなくなったりしてしまうと、家族の生活への影響は想像以上に大きいはずです。
掃除、洗濯、炊事、買い物、親族やご近所とのお付き合い、その他いろいろな家事や雑事。お子さんのいる家庭ならば、家での子どものお世話だけでなく、幼稚園や保育園、習い事への送り迎え、学校行事、子どもが病気になったときには看病も必要です。主婦(主夫)の方が家族の介護を担っている家庭もあるでしょう。
また、入院や手術となれば、治療費も当然かかります。主婦(主夫)にもしものことが起こったとき、夫(妻)が仕事を続けながら生活を維持することができるのかどうかを、まずは考えてみてください。
それでは、世の主婦(主夫)たちは、保険をどのようにしているのでしょうか。生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」からは、夫が世帯主の家庭の、妻に関するさまざまなデータを確認することができます。夫が主夫の家庭についてのデータは入手が困難であるため、あくまでも妻が主婦、もしくは夫が世帯主の共働き家庭の妻のデータになりますが、順番に確認していきましょう。
まず、生命保険の加入率ですが、妻の77.8%が何らかの生命保険に加入しています。
このデータは、民間保険会社の生命保険(かんぽ生命含む)のほか、簡易保険、JA、県民共済、生協の生命保険への、妻の加入率を調べたものです。
さらに、世帯主(夫)の年収別で妻の生命保険加入状況をみると、次のグラフのようになりました。
年収による加入率の差はありますが、どの年収の層の家庭であっても、妻の生命保険の加入率は約7割~8割となっていることが上記のグラフからうかがえます。
では、妻の普通死亡保険金額(病気やケガ、および不慮の事故によって亡くなったときに支払われる保険金)は、大体いくらくらいが平均なのでしょうか。先ほどと同じ、生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、妻の普通死亡保険金の平均は757.6万円という金額になっています。
ただし、この金額は男性世帯主の家庭の妻に対して、専業主婦・兼業主婦の区別なく行なった調査の結果になります。そこで、夫婦の就労形態別にもう少し細かく見ていきましょう。
この結果から、専業主婦よりも、共働きの妻の方が普通死亡保険金も高額になっていることがわかります。もう少し細かく、妻の年収別に妻の普通死亡保険金を比較してみましょう。
「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、妻の普通死亡保険金の平均は757.6万円という金額になっています。また、妻の所得が300万円以上になると、妻の普通死亡保険金額の平均は1,200万円を超えますが、妻に所得がない場合であっても、平均して約755万円の普通死亡保険金に加入している点も、注目するべきポイントです。
それでは、妻の医療保険についてはどうでしょうか。
生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、妻が病気で入院したときに受け取れる「疾病入院給付金」の平均は約8,410円(日額)となっています。
こちらも、普通死亡保険金と同じように、夫婦の就労形態別にみてみましょう。
やはり、専業主婦よりも働いている妻の方が、より疾病入院給付金を手厚く準備していることがわかります。とはいえ、妻の働き方による金額の差は、さほど大きくありません。病気やケガに対する備えの意識は、妻の働き方に大きく左右されるものではないことがうかがえます。
それでは、これらの金額は、本当に実際のニーズに合っているのでしょうか。次の章では、「主婦の保険の必要性」について考えてみましょう。
ここからは、主婦(主夫)が死亡保険金の額を検討するときのポイントや、民間の医療保険への加入を検討する際に知っておきたい公的医療保険制度について解説します。主婦(主夫)に万が一のことがあった場合、のこされた家族が生活するために、いくらくらいのお金があると安心でしょうか。また、主婦(主夫)は病気やがんに対して、どれくらい備えておくとよいのでしょうか。
主婦(主夫)が生命保険への加入や保障額を検討する際には、家族が国から受取る「遺族基礎年金」についてまず確認しておきましょう。
遺族基礎年金は、国民年金に加入している方が亡くなったときに、国から遺族に支給されるお金です。
亡くなった主婦に生計を一緒にしていた夫と子ども(*)がいた場合、妻が亡くなった日の前々月までの1年間に年金保険料の未払いなどがなく、夫の年収が850万円未満(所得655.5万円未満)であれば、生前の妻に収入がなくても遺族基礎年金が遺族に支給されます。
夫が主夫の場合も、亡くなった夫に生計を一緒にしていた妻と子どもがいた場合には、同じ条件で遺族基礎年金が遺族に支給されます。
遺族基礎年金の受給額は、以下のようになっています。
まず、遺族基礎年金の金額のベースは781,700円(*)です。この金額に、子どもの人数に応じた「子の加算」が加えられます。第1子・第2子は子どもひとりにつき224,900円が加算され、第3子からは、子どもひとり当たりの加算額が75,000円になります。
一番下の子が18歳到達年度の末日を迎えると、遺族基礎年金の支給は終了となります。
2020年8月現在の年金制度では、主婦(主夫)に万が一のことがあったとしても、遺族基礎年金として毎年100万円以上の金額が受け取れることになります(子どもがいる場合)。ただし、先述の通り、妻(夫)が亡くなった日の前々月までの1年間に年金保険料の未払いがあると、遺族年金を受け取ることができません。
世帯主が会社員などで、配偶者(亡くなった方)が扶養に入っている場合は基本的に心配ありませんが、世帯主が自営業の場合や、配偶者に収入があり扶養に入っていない場合などは、年金保険料の未納期間や納付漏れがないか注意が必要です。
主婦(主夫)の死亡保険をどれくらい準備するか検討するときには、遺族年金から家族がどれくらいのお金を何年間受け取れるのかを知ることも、検討材料の一つとして重要になります。
それでは、主婦(主夫)が生命保険に加入する際の、死亡保険金額の目安について考えてみましょう。
直接の収入は得ていなかったとしても、家事や育児、また介護などによって家庭を支えているのが主婦(主夫)です。
内閣府が行った調査の中に、主婦が担っている家事などの仕事を金銭的に評価したデータがあります(*1)。このデータによれば、2016年の20代後半の専業主婦(*2)の家事活動(*3)は1年間で約442万円、30代前半では約481万円、30代後半では約480万円、40代前半では約460万円、40代後半では約418万円という評価が示されています。
この金額は妻が専業主婦の場合に限った調査結果となりますので、どう受け止めるかについては意見が分かれるかもしれませんが、主婦(主夫)の仕事の重要性や価値を知るための目安のひとつにはなるでしょう。
たとえば、夫が主婦である妻を突然失った場合に、こういった役割を全てこなすことができるでしょうか。
のこされたのが夫一人や、子どもがある程度大きくなっている家庭であればなんとかなるかもしれませんが、小さい子どもや介護が必要な家族などがいる家庭であれば、夫一人ですべてをカバーするのは非常に難しくなるでしょう。
食事の支度や買い出し、掃除や洗濯、育児、介護などのために、働く時間を減らしたり、時間的な融通が効く職場へ転職したりする必要が出てくるかもしれません。対価を払って家事や育児を外注する必要が出てくる可能性もあります。
もちろんこういった不安は、夫が主夫の家庭であっても大きくは変わりません。主婦(主夫)自身には収入がなかったり、少ない金額だったりしたとしても、万が一のことが起これば、家族は経済面でのリスクも背負うことになるかもしれないのです。
具体的にいくらくらい準備しておく必要があるかは、「主婦(主夫)に万が一のことがあったとき、のこされた家族がどうやって暮らすか」ということを具体的にイメージして、考えてみましょう。「なんだか暗い話題で気が乗らない」と思う方もいるかもしれませんが「万が一」を冷静に数字にしていくことは、リスク対策の基本になります。
これらについて考えながら、子どもが大きくなるまでの費用の予測をメモなどに書き出してみると、わかりやすいかもしれません。
導き出した費用の全体額から、遺族年金などによって受けられるサポートを差し引いてみましょう。そうすれば「足りない金額は〇〇万円くらいになりそうだ」という、目安となる金額が導き出せそうです。
保険料とのバランスもありますが、その金額になるべく近付ける形で、死亡保険金の額を決めるとよいでしょう。
さて、病気やケガで入院した際に保障が受けられる「医療保険」や、がんの治療や入院時に保障が受けられる「がん保険」についてはどうでしょうか?
主婦(主夫)が医療保険やがん保険について検討する際、とくに考えたいポイントには、
という3つがあります。
死亡保険と同じように、医療保険の加入についても「主婦(主夫)が病気やケガで入院をしたときの、家族の暮らし」を想定しながら考えていくのがポイントです。
ほとんどの病気やケガの治療は、公的医療保険の保障の対象になります。そのため実際に医療機関の窓口で負担する自己負担額は、かかった医療費全体の3割ですみます(6歳から69歳までの方の場合)。
また、1ヵ月の医療費の自己負担額が、収入に応じて決められる上限額を超えた場合に、超えた金額が還付される(*)「高額療養費制度」もあります。
こうした制度があるため、短い期間に何百万円もの治療費を支払わなくてはならないといったケースは非常に稀であり、まとまった貯蓄ができている世帯や、安定した収入がある世帯なら、主婦(主夫)の医療保険の必要性は、それほど高くないと感じるかもしれません。
ただ、貯金が少ない場合や、家族の家事のスキルが低くて心配だという家庭の場合は、主婦(主夫)の医療保険への加入の重要性が増してきます。主婦(主夫)が病気やケガをした場合に、治療や入院に関する直接的な経済的負担だけではなく、生活全般に影響を及ぼす可能性が高いからです。
たとえば、ちょっとした風邪で寝込んでいる間にも、家じゅうが散らかって洗濯物が溜まってしまったとか、誰も子どもの世話や食事の支度が出来なくて困った…、という残念な経験を持つ主婦(主夫)は、少なくないのではないでしょうか。お弁当を買ってきたり、シッターさんを頼んだりと、想定外の出費があった方もいるかもしれません。これが入院ともなれば、事態はもう少し深刻になりそうです。ですから、医療保険を活用して、そういった場合の支出に備えておくという考え方もあるでしょう。
これから子どもが欲しいと考えている女性であれば、医療保険の加入は妊娠前に検討をするのがベストでしょう。妊娠してからだと、医療保険に加入はできても、そのときお腹にいる赤ちゃんの妊娠・出産に関わる保障が受けられないことが大半なためです。また一般的に、妊娠28週以降は、妊娠中の医療保険への加入が難しくなります。
通常、分娩(出産)は病気ではないため、公的医療保険の対象にはなりません(費用は全額自己負担)。しかし、申請をすると一児につき42万円の「出産育児一時金」を受け取ることができます(*)。また、自治体ごとに妊婦健診の費用などを補助してくれる制度も設けられています。
公益社団法人 国民健康保険中央会が行った「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」という調査によると、正常分娩の場合の自己負担額の平均は505,759円、中央値は493,400円となっています。出産する地域にもよりますが、子どもを産むときは、出産育児一時金などとは別に10万円前後を用意しておけば、ある程度はカバーできそうです。
しかし、帝王切開での出産や、切迫早産、妊娠悪阻による急な入院など、妊娠・出産時には想定外の経過をたどることも珍しくありません。
もちろん、42万円の出産育児一時金は、帝王切開で出産した場合でも受け取れます。また、帝王切開の場合は、出産費用の一部に公的医療保険が適用になりますし、妊娠中のトラブルによる入院・手術も公的医療保険の対象となります。さらに高額療養費制度などのサポートを受けることで、負担する医療費はある程度抑えられます。しかし、トラブルなく妊娠中を過ごし、正常分娩で出産する場合と比べると、医療費の負担は大きくなるのが一般的です。
医療保険では、妊娠中の入院や帝王切開での出産の際にも、入院給付金や手術給付金が支払われる商品が一般的です(*)。もし、女性特有の病気の治療、入院、手術に対する保障を手厚くカバーする「女性疾病特約」などをつけていれば、条件に応じてさらに保障を受けられる可能性もあります。
最近の日本の出産事情をみると、下のグラフのように、分娩そのものの数は減少していますが、帝王切開で出産する妊婦さんの数は増加傾向にあります。
帝王切開での出産後に医療保険への加入を希望した場合、医療保険に加入することはできても、契約から一定期間(3年・5年など)の妊娠出産に関するトラブル、もしくは子宮に関する疾病が保障の対象外となる保険商品が一般的です。
自然分娩を望んでいても、状況によっては帝王切開での出産になることもあります。また、妊娠中や出産前後の女性の体調や心の状態は千差万別です。早い段階から医療保険でしっかり備えておくと、妊娠中や出産前後の気持ちを支えてくれる柱の一つになるかもしれません。
出典:厚生労働省「平成29年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」
主婦(主夫)の医療費に関するもう一つのポイントが、がんに対する備えです。
以下のグラフは、がん罹患率の年代ごとの推移を男女別にグラフにしたものです。男性も女性も年齢とともにがん罹患率が上昇していきますが、その上がり方には男女差があります。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録による全国がん罹患データ)
20代後半~50代前半にかけては、女性の方ががん罹患率が高く、男性のがん罹患率は50代以降に急上昇していることがわかります。これは夫婦で相対的に考えたとき、子育て世代では妻のがんへのリスクが高く、両親の介護などの必要性が増してくる時期には、夫のがんへのリスクが高まることを示しています。
次に、女性特有のがんについて、年代別のがん罹患者数の推移をみてみましょう。
たとえば乳がんをみてみると、20代から増加を始め、40代後半からは女性特有のがんの中でも比較的高い罹患率で推移することがわかります。また、40代でも、70代でも、乳がんにかかる確率は同じくらいであることも読み取れます。
入院や手術によるがん治療であれば、通常の医療保険からも給付金は支払われます。しかし、近年は入院せずに通院のみでがん治療を行うケースも増加しており、入院・手術を保障の軸に置く医療保険が、必ずしもがん治療の際に役立つとはいい切れない部分もあります。
また、抗がん剤治療の影響で髪を失ってしまった場合のウィッグ代や、乳がんの手術後に乳房再建術を受ける場合の費用などが必要になる可能性も考えられます。治療中に主婦が体調を崩してしまえば、家事や育児を外注する費用なども考えなくてはなりません。
妻が主婦の場合だけでなく、夫が主夫の場合であっても、やはり家事や育児、介護をメインに担う側の配偶者が入院や療養することになれば、生活への負担も経済的な負担も発生することが予想されます。
どのような場合にも慌てずに、満足のいく治療やケアを行い、治療と生活とのバランスをとるために、がん保険によるサポートがあれば心強いでしょう。
たとえば、がん保険には「がん診断給付金」という保障があります。診断給付金とは「一時金」とも呼ばれ、がんと診断されたときに50万円、100万円などのまとまった金額を受けることができるものです。
また、通院治療を保障する「がん通院給付金」は、入院を伴わない通院によるがん治療でも保障される商品が大半です。がんの治療に応じた「がん治療給付金」などの保障が用意されている商品もあります。これは、抗がん剤治療や放射線治療など所定の治療を受けたときに(多くの商品では治療を受けた月ごとに)、給付金が受け取れる保障です。
がん保険の選び方や保障内容については、以下のコラムで詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
万が一の死亡や病気、ケガ、がんなどはどんな人にも起こりうることだけに、リスクに備えておくことは、主婦(主夫)にとっても大切なことです。
主婦(主夫)の方の中には、保険の重要性は感じていても「夫(妻)が保険に手厚く加入しているから」「自分は健康なタイプだから」といった理由で、なんとなく自分の保険料を払うのがもったいないような気がしている方もいるかもしれません。
しかし、家庭を支える主婦(主夫)の価値や役割は、家族全体にとって大きいものです。世帯主のみが保険を手厚く準備していても、家族全体のリスクを支えるためには、十分とは言い切れないこともあるかもしれません。
もちろん、家計とのバランスも大いに気になるところでしょう。保険料の負担を抑えるには、守りたいポイントを優先して、必要性の高い保障や特約などから選ぶことが、賢い選択といえそうです。
大きな病気やケガのときにも安心して治療に専念できるよう、また、万が一のときにも家族が生活に行き詰ることがないように、主婦(主夫)の方も、可能性に対応するための安全策の一つとして、保険への加入を視野に入れてみてください。
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長崎県出身。関西大学社会学部にて産業心理学を専攻。「専門知識と真心で、日本の家計を元気にする」を使命に活動するファイナンシャル・プランナー(CFP®1級FP技能士)。ライフプラン、家計の見直し等の個人コンサルティングを中心に、労働組合を中心にライフプランセミナー等の講演活動も行っている。相談件数は800件以上。著書は「親と子の夢をかなえる!〝私立″を目指す家庭の教育資金の育て方」(近代セールス社)など多数。
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2-2020-195(2020.10.15)