自動車保険の保険料を左右する、型式別料率クラスとは? 基礎知識を解説します!

自動車保険の保険料を左右する、型式別料率クラスとは? 基礎知識を解説します!

自動車保険の保険料はさまざまな要素によって決定されますが、その要素のひとつが「型式別料率クラス」です。型式別料率クラスとはどんなものなのか、なんのためにあるのか、自分の愛車の型式別料率クラスはどう調べればよいのかなど、型式別料率クラスに関するさまざまな疑問について、All About 自動車保険 ガイドの西村有樹さんに教えていただきました。

自動車保険の型式別料率クラスとは?

・型式別料率クラスは、何のためにある?

たとえば、同じ人が同時期に同じ自動車保険会社で見積りを取るとしましょう。車種と車両保険金額を同様の条件に設定したとしても、保険料が違うことがあります。どうしてこのような差異が生じるのでしょうか? 西村さんに話を伺いました。

「それは、自動車保険の保険料の算出に『型式別料率クラス』が適用されているからです。型式別料率クラスでは、自動車保険における自動車ごとのリスクを1、2、3などの数字を付与し、型式ごとに評価しています。前述の条件で金額差が生じた理由は、車種は同じでもこの型式が違っているからです」

自動車保険の料率区分として型式別料率クラスが設けられているのは、なぜなのでしょうか?

「事故が発生する頻度や被害の程度は、形状、構造、装備、性能などの自動車の特性によって、個々の車ごとに差が生じます。たとえば、同じ対物事故を起こした場合でも、コンパクトカーとスポーツ―カーでは、スポーツカーの方が損害額は大きい傾向にあります。そこで、支払われる保険金の金額が大きかったり、回数が多かったりと車ごとのリスクを加味してクラスを振分け、それに合った計算式を用いているのです。リスクの高い車は料率クラスが高く、保険料が高い車となります」

・型式別料率クラスはいくつのクラスに分かれている?

型式別料率クラスについて、西村さんにさらに詳しく教えていただきましょう。

「型式別料率クラスでは、『対人賠償』『対物賠償』『傷害(人身傷害・搭乗者傷害)』『車両』の4つの項目に関して、車の型式ごとにそれぞれ1~9の数字で分類しています。保険金支払の実績が少ないほど数字は小さく、逆に保険金支払の実績が多ければ数字は大きくなります。そして、型式別料率クラスの数字が大きいほど、保険料は高くなるのです」

型式別料率クラスの一例

その型式別料率クラスは、誰が、どのように決めているのでしょうか?

「損害保険料率算出機構が、保険金が支払われた交通事故の実態を調査し、算出しています。それを多くの保険会社が計算式に用いています。型式別料率クラスは、過去1年の実態をもとに、毎年見直しが行われています。そこで、その車の事故率、損害率と適用しているクラスが見合っていないと判断されれば、クラスが移動するのです。こうした仕組みから、契約者が事故を起こしていなくても、型式別料率クラスが変動することで保険料が上がるといったことも起こりえるのです。

また、新しく発売された車については、過去のデータがないため、排気量や類似車両の型式などを参考にしてクラスを決定します」

自分の愛車の型式別料率クラスは? 適用される車って?

・自分の愛車の型式別料率クラスはどう調べる?

車を持っている人なら、自分の車の型式別料率クラスがどれぐらいなのか、当然気になりますよね。

「自分の車の型式別料率クラスは保険会社に教えてもらうこともできますが、損害保険料率算出機構のサイトで、自分の車の型式を打ち込んで検索することが可能です。ですから、車を購入する際に2台の車で迷っているといった場合には、それぞれ型式を打ち込んで検索すれば、料率クラスがより低い車を選ぶこともできます」

損害保険料率算出機構 型式別料率クラス検索>>

・9つのクラス分類、型式別料率クラスの差は最大で何倍になる?

実際に、型式別料率クラスが低い車と高い車では、その差はどれぐらいあるものなのでしょうか?

「先ほども申し上げたとおり、型式別料率クラスでは、『対人賠償』『対物賠償』『傷害(人身傷害・搭乗者傷害)』『車両』の4つの項目に関して、事故が発生する頻度や被害の程度に応じ、車の型式ごとにそれぞれ1~9の数字を付与します。

そうすると、それぞれの項目について単純に9倍の差があると考えてしまうかもしれませんが、実際には項目ごとの料率の最も低いクラス1の車と最も高いクラス9の車との間に生じる差は最大で約4倍とされています。たとえば、年間の保険料でいうと、約1万円と約4万円の違いと考えると、イメージしやすいでしょう。ただし、これはあくまでも『対人賠償』『対物賠償』『傷害(人身傷害・搭乗者傷害)』『車両』に関してのものであり、自動車保険料の全体を決定するものではありません。保険料の決定には、型式別料率クラスのほかにも、運転者年齢条件や運転者限定特約をどうするかなど、さまざまな要素が影響を与えます。

また、型式別料率クラスのほかにも、その仕組みを補う料率区分として、『衝突被害軽減ブレーキ(AEB)の装着の有無』や『新車割引』などがあります。興味がある方は、損害保険料率算出機構のサイトで確認しておくとよいでしょう」

・型式別料率クラスが適用されるのは自家用乗用車のみ

このように、自動車保険の保険料を決定するうえで大きな役割を果たしている型式別料率クラスですが、実はすべての車に適用されているわけではありません。

「型式別料率クラスが採用されているのは、自家用普通乗用車と自家用小型乗用車の2つの用途車種のみです。この2つの用途車種は、自動車全体の中でも特に保有台数が多く、また形状や構造、性能もさまざまです。そのため、細かく区分して、各区分のリスクを導き出し、それに見合った保険料を算出するものです。

もっとも、近年では自家用軽四輪乗用車も普及・多様化が進んでいることから、2020年の1月より型式別料率クラスが導入される予定です」

軽自動車も2020年から型式別料率クラスが導入される。

軽自動車も2020年から型式別料率クラスが導入される。

【コラム】2020年1月より、型式別料率クラスの分類は17に

2020年1月1日以降に保険期間が始まる保険契約に関しては、改定された型式別料率クラスが採用されることが、損害保険料率算出機構より発表されています。

大きな変更点は2点です。まず、これまで「対人賠償」「対物賠償」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」「車両」の4つの項目に関して、9つのクラスに分類されていた自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の型式別料率クラスが、新たに17のクラスに分類されることになります。保険料はクラス1が最も安く、クラス17が最も高くなり、各クラス間の保険料率の差は約1.1倍、保険料の最も安いクラスと最も高いクラスの保険料率の差は約4.3倍です。

もう1つの大きな変更点は、自家用軽四輪乗用車の保険料についても型式別料率クラスが導入されることです。自家用軽四輪乗用車の型式別料率クラスは、1~3の3クラスに区分され、各クラス間の保険料率の差は最大で約1.1倍で、保険料の最も安いクラスと最も高いクラスの保険料率の差は最大で1.2倍となります。

自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の型式別料率クラスがより細かく分類され、自家用軽四輪乗用車にも型式別料率クラスが導入されることで、さらに公平な保険料の算出が期待されます。

ガイドプロフィール

All About 自動車・バイク保険 ガイド 西村 有樹(にしむら ゆうき)

フリーランスの立場から公正な情報を発信。大手損保、外資系や通販系保険会社とのネットワークを強みに「理解しやすい保険の記事」をモットーとしている。自動車保険、損保、証券などマネー分野での執筆、インタビュー多数。

※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問合せください。また、このページの内容については楽天保険の総合窓口(0120-849-019)にお問い合わせください。
※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度に基づくもので、すべての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2019年5月30日)

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